コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 哀昧喪糊。−あいまいもこ− ( No.21 )
日時: 2015/03/28 21:29
名前: めろんそーだ (ID: JFBEfYhr)

「これからの話は、決して楽しい話ではないわ。
 勿論さっきから私が話していたような、法螺話でもない。
 真面目に聞いてほしいの」

「_____おう」

そして、悲しい過去が告げられた。


***

彼女とはね、幼稚園のときからの幼馴染みだった。
いつも優しくて、笑顔だった萌湖の周りには、いつも人がいたわ。

でもそれは中学校までの作られた幸せだった。

私は中学校になって、ある感情が生まれたの。
それはね____『嫉妬』。

ずるいって思ったわ。
中学校のときまでの私は、人と話すことが苦手で、そんな萌湖が羨ましかった。

それでつい、私は取り返しのつかないことをしてしまったの。



いじめを、ね。



最初は『私なんかに権限はない、どうせ何もない』と思って萌湖の机に落書きをしただけだった。
それだけでも今は悪いと思ってる。
「調子乗んな」……これだけ書いてしまって。


次の日、学校に行って、私は凄く後悔をした。
彼女の机には、夥しい数の暴言が書かれていたの。

きっと、あの子をよく思わない子もいたのでしょうね。
そりゃ優しい子が皆に人気とは限らないもの。今考えたらよくわかる話だった。

萌湖はそんな有様になった机を見て、呆然としてた。

そんな時、私は何も言えなかった。
彼女に「ごめんね、私が悪いの」って言っていればよかったのに。

_____ざまぁみろ、って思った。

これで私だけに頼ってくれる、っていう下心。

それからは萌湖は、私だけを頼りにしていた。
クラスのアイドル的存在だった彼女に頼られるって、凄い優越感だったわ。


でもある日、黒板に書かれた。

私が仲良くしていた子が、裏切ったの。ううん、私が萌湖を裏切ったのだから、これは相応の罰とも言えるわね。

「来栖萌湖を裏切ったのは篠田燐火だ」

黒板には真っ白いチョークで、荒っぽく書かれてた。

「嘘、でしょ………?」

私が違うよ、そんなことないって言おうとしたら、皆冷めた目でこっちを見てた。
だから嘘なんて、吐けなかったの。

「______ごめんね、萌湖」