コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 哀昧喪糊。−あいまいもこ− ( No.22 )
- 日時: 2015/03/29 16:42
- 名前: めろんそーだ (ID: faSasGNm)
その日から、彼女は一人になった。
そして私は沢山の人に囲まれた。
それはすごく嬉しかったけど、いつも心にぽっかり穴が開いたような感覚だった。
彼女は蹴られて、殴られて、罵倒されて。
そんな萌湖を見ても、私は救いの手すら差し伸べられなかった。
そして、いじめが始まって、2年。
中学最後の年になった。
その年から、彼女は学校に来なくなったわ。
皆は声を上げて「ざまぁみろ」「馬鹿じゃねぇの」って笑ってた。
何でなのか、理由を知ったのは卒業間近の寒い冬のときね。
先生が、ぽっかりと開いたままの彼女の席に、真っ赤な花を置いていたの。
泣きながら、その机を撫でていた。
それで、やっと気づいた。
もう彼女に会えないってこと。
萌湖はもう______死んだ ってことを。
原因は飛び降り自殺だった。
私は幼い頃からの仲だったからか、家の机に入っていた手紙を見ることが出来た。
………それにはこう書いてあったわ。今、あるから読むわね。
大好きな皆へ
ごめんなさい。
私は馬鹿だから、耐えられずに自殺をしてしまいました。
この手紙を読んでいる皆は、私のことをきっと憎く思っていることでしょう。
それは私だって同じ。ここまで酷いことをされて許せるほど、私は優しい子じゃないから。
でも、一番伝えたいことは、たった一人の子に対してだけだから。
篠田燐火さんへ
これまでありがとう。いつも優しい燐火のことは、今でも大好きだよ。
だから、裏切られていたって知ったときは、とてもショックでした。
でも、今思えばわかる話で。
優しい燐火が、人を裏切るはずないもんね。
燐火のことは絶対に忘れない。
信じてる。
死んじゃってごめんね、本当はもっと一緒に遊びたかった。
またいつか、会えるといいな。
その日を楽しみに、私は燐火との想い出を大切にしてるね。
さよなら。
来栖萌湖より
私はこの手紙を読んで、何度も嘆いた。
裏切ったのは私なのに、どうして信じてくれるのって。
なんでそんなに優しいのって。
今だってこれを読むと、涙が出てくる。
だから私は、罪を償うつもりで。
萌湖に会って「ごめんね」って言うために。
_____________________飛び降りて、死んだの。