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- ぼくのかんがえたさいきょうの、ちゅーにびょー(ぼく中二病) ( No.13 )
- 日時: 2015/03/14 15:39
- 名前: ヒトデナシS ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
【7】
「はッ、貴重なチャンスを逃したなッ!! あひゃひゃひゃひゃ!!!!
あのおバカ王を生かしておけばまだ勝機はあったものをぉぉ!!」
田中先生はゲスい顔をして目からビームを出しながら言う。正直ビジュアル的に放送禁止レベル。
前線に壁として立てたドラゴンも即座に殺されてしまう。未だ状況は不利。
「……ぐッ!! あの死の魔法はやっかいだな……。————梨!!」
ドラゴンを生成するのに疲れてきているのだろうか、
すぐ後ろで絵美を守っていた僕にほぼ悲鳴に近い声を出す龍同先輩。
なんとなく、嫌な予感しかしない。。
「な……なんですか……?」
「そうか、頼まれてくれるか!! ありがとう、愛してるぞ梨!!
ようし、逝け、梨!! すてみタックルだあああああッ!!!!!!」
「ちょ、まだ何も言ってないし漢字違うじゃないかああああぁああああああああああ!?!???」
僕は強引に龍同先輩に腕を掴まれ、まるで棒切れの様に振り回された。
振り回される前に「ふえぇえぇ!!(多分、梨くんって言ってる)」
と言って、心配そうに見ていた絵美を思い出す。
もはや普通の言語すら喋れない状態らしい。(翻訳もあってるかどうか定かではない。)
……そして僕は一通り振り回された後、龍同先輩の前でがっしりと固められる。要するに盾にされてる。
————ええっ!? 今の振り回しに意味あった!?!? 人使い荒らすぎるわああぁ!!!!
そんな姿は傍目に、焔はふと、こう呟いた…………。
「梨は思った。→(第一話で先輩キャラの盾として扱われる主人公がどこの世界にいるというのか。)と」
「何勝手にナレーションしてるのさ!?!? 焔も助けてよ!?」
「バイバイ、ナーシー」
「E○みたいに言ってんじゃねえええええええええええええええ!!!!!!!!」
「何さっきからリア充してんだ爆発して絶命して死ねええええええええ!!!!!!」
「リア充してるように見えんのかこれがぁあああああああ!??!?!?!」
そしてそのまま放たれた田中先生のデスビームを、
「括目せよ、龍同家、秘伝の奥義—————!!!!」
僕は全身で受け止める……—————!!!!
【黒田 梨は、すでに『無い』人間だった。】
【一度目の人としての人生も、唯一許された個性である中二病でさえも。
別にチートキャラでもない。ハーレムキャラでもない。かっけえと言われるキャラでもない。
カッコつけるわけでもなく、ただ、ひたすらに『生きる』事を望んだ。】
【否、彼にもその可能性があったのかもしれない。彼自身は憧れた。
最強とか言われちゃって、カッコいいとか言われちゃって。難聴耳とか言われるような人に。
でも、叶えてしまった。それ以上望むまいと願ってしまった。
代償は今までの、そして未来の自分の全て。得られるモノは、その願いは、】
【「生きられるなら、僕は何も無くなったっていい。
まだ、僕は、悔いのない人生を送っていないのだから。」】
「————————奥義、ふなっし○ぃぃぃぃーーーーーーーーーー!!!!!!!!」
龍同先輩のなぜか超甲高い「ヒャッハ—」という声と、田中先生のデスビームの衝撃音が重なる……!!
ジジジジとレーザー音が僕の身体の芯に響く。自分の身体を改造されてるみたいだ。
だが、絶命したりしない。なぜなら僕は————
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉおおおぉぉぉお!!!!!!!!!」
————僕は、もう、『無い』身体なのだから……!!!!
僕は気合でビームを弾く。爆発音と爆風と共に、レーザーはチリチリと散っていく。
それに驚いたのは他でもない、田中先生だった。なんというか、一言で言うなら、顔芸。
「ばッ……ばかなぁ!!?? 私の『デスビーム』は致死率100%だぞおおおお!?」
その反応待ってましたと言わんばかりに龍同先輩は嬉しそうに笑う。
ちなみに僕は「ぜぇ……はぁ……」言っている。本当は本気の死を覚悟した。いやマジで。
「————アンチスキル。『現実』。あらゆる中二病を否定し、あらゆる中二病の効果も無効化する。
どんな能力系漫画や小説にも必ずと言って良いほどいる、ありきたりなチートキャラ……」
「はッ……はぁあああああ!!?? ふざけんな!? そんなの最強で反則じゃねぇか!!」
「……って思うだろう?」
「……って思うじゃん?」
「……って思うふえぇ?」
「……って思うよね、普通は……。」
「……なんでこいつら、寄ってたかってこの仲間チートキャラを平気でdisってんだ……??」
上から龍同先輩、焔、絵美、僕、田中先生のセリフである。……ちょっと傷つくなぁ。