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- ぼくのかんがえたさいきょうの、ちゅーにびょー(ぼく中二病) ( No.3 )
- 日時: 2015/03/11 14:37
- 名前: ヒトデナシS ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
【2】
「なんだ梨。まだ不服か?」
「不服も何も可笑しいでしょ!? ねぇ焔!? 何とか言ってよ!!」
「ねぇ、ポニテかいちょー。いつ出陣するのさ?」
「ほむらああああああああああああああ!!!!」
この親友は本当にダメだ。はやくなんとかしないと……。
「てかさ、さだはるもくんの? 殺すよ? 死ねよ? バカでしょ?」
「おぬしを真っ先に殺してやる。後さだはるではない。さだみちだ。」
「ハバネロ弾、発射〜」
焔はどこからともなく取り出したパチンコで一粒の玉を飛ばす。
その弾は貞道の口の中に吸い込まれていった。瞬間、
「ピギャアアアアアアアアアア!!!!」
貞道は椅子から転げ落ち、のた打ち回った。さっきとのギャップが凄い。
「本当エイリアンみたいな声出すよね。ドラ○エのスライムの声の声優とかやってみたらいいんじゃね?」
焔は悪魔の笑みで無邪気に笑って貞道の苦しんでいる様子を眺めていた。悪魔だ。
「…………あ……あのう……」
その光景を見ていたもう一人の幼馴染、『鈴木 絵美 (すずき えみ)』が恐る恐る手をあげた。
腰まで伸びた茶髪の両脇の白リボンが特徴的な少女である。
ちなみに焔とは違い、絵美は常識人である。恥ずかしがり屋な点は相変わらずであるが。
「どうした絵美? 質問があるのなら聞こう」
「えっと……ど……どどどどど……」
「なんかピ絵美ちゃん、今にもジョ○ョのスタンド出しそうな勢いだよ?」
焔はクスクス笑いながら言う。ちなみにピ絵美ちゃんとは絵美の事である。
当の本人は顔が真っ赤だが、助け船を出したのは龍同先輩だった。
「茶化すな焔。絵美、質問があるならはっきりと口に出してみるといい。」
「あ……ありがとう……ございます。あ……あの……質問なんですが……
具体的には何を……するつもりなんですか……?」
一言一言をようやく言い終えた絵美は安心からかホッと息を吐いた。よく頑張った。
龍同先輩はその質問をしっかりと受け止め、しっかりと絵美を見つめ————
「————殺し合いだよ」
「ひッ……!!!!!!」
ドスの利いた声で告げた。完璧にヤクザである。悲鳴を上げたのはもちろん絵美。
涙目になって怯えた絵美は小走りで僕の後ろ側に隠れてぶるぶると震えてしまった。
「ふ……ふえぇ……梨くぅん…………」
うるうると瞳を揺らして助けを求める幼馴染をほっておくわけにはいかない。
(本当は僕も反対のため、正直絵美が『こっち側』の感性を持ってくれていて助かった。)
「……龍同先輩。本当にこんな計画を実行するつもりですか?」
「梨、先に言っておく。貴様がどう言おうと、私の決定は変わる事はない。もう、後戻りは出来ないのだからな」
まるで滅茶苦茶良いシーンのクライマックスの様な雰囲気だが、飲まれてはいけない。
これは『定期試験撲滅戦争』とかいう訳の分からない計画なのだ。
そう、ここで僕が折れれば決行されてしまう……。それだけは防ぐんだッ!!
「あなたがどのようなお気持ちでこの作戦を決定しようとしたのかは、僕には分かりません。」
「ただ単純にテストがめんどくさいと思っただけだ。」
「でも、あなたにも良心と言うモノがあるはずです。」
「残念だが、両親はどちらもすでに他界していてな。」
「人を傷つけ、戦争をする事に何の意味があるというのですか?」
「そこに戦いがあるからさ、と有名な登山家は言ったらしいな。」
「争いは……争いしか生まないんですッ!!!」
「戦ってる感出す方が、小説として書くときには高揚感が出るだろう?」
「なんの話をしてるんだああああああああああ!!!!!!!」
ついに僕は吠えた。もう最後とかメタ発言でしかないような気がする。
「まぁ落ち着こうではないか、梨。君がツッコミキャラだという事はもう理解したさ」
「だから何の話ですか!?」
「ふっ、王がいれば戦いなど成立しない。なぜなら、我は王貞道だからだ」
「いや意味わかんないけどっ!? てか貞道、口は大丈夫なの!?」
「ところで梨ってさぁ、なんで梨なの? 俺リンゴの方が好きなんだけど」
「好みで人の名前を変えようとしないでっ!?」
「……ふぇえ…………ふえぇ……」
「ふえぇ……ふえぇ……」
「ふむ、ついに梨まで『ふえぇ……病』にかかってしまったか。では全員賛成という事で話を進めよう」
龍同先輩が話を進めようとするが、もういい。諦める。
その後、僕はもう絵美と一緒に「ふえぇ……」と言っておくことにした。まる。