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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 神秘と魔法の森 ( No.2 )
- 日時: 2015/03/14 11:14
- 名前: キコリ ◆yy6Pd8RHXs (ID: nWEjYf1F)
確かこれは、10年以上も前の記憶。
僕が保育園に通っていたときだっけか。
「ハイッ、ハイッ、ハイッ……」
一定のリズムで回る大縄を、みんな仲良く飛んでいる。
その様子はとても楽しそうで、僕もみんなの輪に入りたかった。
でも、僕はなわとびができない。リズム感も無い。
だから大縄なんて、出来る出来ない以前に怖かった。
みんなが楽しそうになわとびをしている中、僕はただ、そんなみんなの様子を見ているだけ。
でも、たった独りで、というわけではなかったっみたいで。
僕が野良猫を膝の上に置いて、みんなが遊んでいるところを眺めていると。
「にゃー」
「あはは、かわいー」
決まって隣には、いつの間にか溌剌とした女の子が座っている。
その子は"柊春香"といって、どうも見てる限りでは、僕と仲の良い野良猫で遊ぶのが好きらしい。
来る日も来る日も、遊びの時間が終わるまで、ずっと猫の喉を撫でてじゃれあう日々を送る春香。
天候が悪い日だけはみんなと混じって遊んでいるけど、天気が晴れで外で遊ぶときだけ、僕の隣にいた。
「ねー」
「なーに?」
ふと気になることがあって、僕は彼女に問いかけたことがあった。
春香は昔から運動が得意で、身体を動かすことが何より好きな子だった。だから、猫とじゃれあってるよりは、なわとびでもして遊んだ方が彼女にとって楽しいんじゃないか——って、ずっと思ってたわけだけど。
「みんなと遊ばないの?」
「んーっとね、あたし、猫ちゃんがいい」
「そっか」
結果は、猫の方がいいんだと。
確かに彼女は今でも猫好きだ。携帯の画像フォルダとか、大半が猫の画像で埋め尽くされてるらしい。
「にゃーにゃー」
「にゃんにゃんっ」
『……何か、似てる』
——でも、嘘だった。
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