コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: ユウナちゃんのお道具袋 ( No.7 )
日時: 2015/03/22 18:55
名前: 独楽林檎 ◆tr.t4dJfuU (ID: vLlTyC08)

 業間、僕たちは特別教室前廊下で探検していた。

「この小学校の鍵って持ち上げて回すだけで開くんだよねー……」

 髪を止めていたヘアピンでカチャッと鍵を開けて、理科室に入る。

「さて、ここで一つ実験でもするか!……と言いたいところだけど、時間が無いから昼休みにね!」

 うん。

 一通り見回して、今度は図工室。

「ここの鍵とか、人差し指で開くんだよ」

 言葉の通り、人差し指を回転させて鍵開け。

 すごい……。

「単なる得意技だよ。ほら、カイくんだってインクでなんでも書けるでしょう?それ、私たちにはできないし」

 なるほど、人間にとっては鍵開けできるのが当たり前なんだね!

「うーん……そうかな」

 微妙な反応。少し疑問に思ったけど、まあいいか。

「図工室か教室で使うことが多いと思うよ、カイくんは。自画像とか、6年の最初で書くらしいし」

 黒いボールペンを使って?

「うん、もちろん!」

 部屋を出る。

 次に来たのが……視聴覚室?

「そう。通称:パソコン室。いつもはあまり使わないんだけど、私は毎日ここで小説を書いてるよ」

 毎日、っていうことは……

「毎日鍵開けしてる。ホントは駄目なんだけどね」

 へへっ、と肩をすくめるユウナちゃん。

 ちょっと天才に見えてきた。

「次、ここに来るのは明日の業間にしようかな。その時には小説を見せるね」

 うん!

 パソコン室を出て、理科室と図工室とパソコン室の鍵を閉める。

「次は全教室だね!まず、1階から回っていこうか♪」

 そう言って、ユウナちゃんは歩き始めた。

 ……長ーい道のりを。