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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: きみはきゅうり ( No.1 )
- 日時: 2015/03/16 19:26
- 名前: 逢逶 (ID: RnkmdEze)
第零話
大人になれた気がした。
高校生という肩書きは確実に私の心拍数を上げ、周囲の期待をも上げていた。
だけど…入学して間もなく私のトキメキは一瞬にして消え失せた。
大人になるように急かす教師や親たち。
気付けば怒りを通り越し、常に不貞腐れていた。
頑張る同級生を見下していたし、そのせいか私は問題児扱いを受けていた。
ちゃんと出席して授業を受けてテストの順位も良かったのに、成績表は最悪だった。
理不尽だと思った。
だから、授業を受けることをやめた。
学校に行くことをやめた。
そんなこんなで季節は巡り、三年生になった。
久しぶりの学校。
一年生はまだちょっとだけ青臭くて。
私とは違う目をしていた。
「波流先輩!」
突然私の名前を読んだのは、青臭い一年生だった。
「なに?てか誰?」
「1Bの大野遼って言います!」
大野は、元気良くハキハキと答えた。
背が高くて、見上げる形になってしまうのが腹立たしい。
「あそ。で、なに?」
「俺と一緒に住んで下さい!」
「はぁ??!!」
真剣な表情で有り得ないことを言う大野。
私は大きく首を横に振って拒んだ。
が、
ニヤリと不敵に口角の上がった口元が嫌でも視界に入る。
瞬間、全身の毛が逆立った。
悪い予感、と言うのは結構当たるもので…
「もう、荷物運んじゃいましたけど」
強制的に…
謎の同居生活が始まった。
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