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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 雨の社【オリキャラ募集】 ( No.18 )
- 日時: 2015/03/21 15:30
- 名前: はにわ (ID: MrkfzUec)
- 参照: 事情があり別機種からの投稿です。一旦送信します!
「いや、よく降る雨だなぁ」
部屋の中で青鈍色の着物に着替えながらぼんやりと、呟く。
この間の豪雨とは打って変わって、
穏やかでのんびりとした雨であった。
−−しかし、暇だ。
この間は色々と騒がしかったからな。
余計、退屈にも思える。
と、どこからか小雨を跳ね除ける音。
「……ま、今から退屈しなくてよさそうだ」
俺は何か面白いものを見つけたような笑みを浮かべた。
どうやら、別れや出会いの場所である縁側まで、歩いていく。
◆
『それ』はまたもや少女であった。
服からして幼い学生のようだ。だが、夜明けの空のように澄んだ光を、その瞳に宿していた。
「さぁ、お嬢さん、こんな辺鄙なところまでようこそ」
俺は縁側に立って、わざとらしいくらいに丁寧なお辞儀をし、左手で奉納箱のほうを示した。
背筋をぴん、と伸ばして立っている少女、まさか迷子なわけはないだろう。
少女は桜色の唇を開いた。
「合格祈願です……どこでお参りしようかなって思ってたら」
−−雨に、降られちゃって。
少女はへへ、と笑い、
少し恥ずかしそうに自身の髪の毛を指でくるくると弄っていた。
その髪の毛も、勿忘草と桃の花を花束にしたように華やかで、
太陽の下で見る事ができたらさぞ美しいのだろうと思った。
そして俺はへぇ、と感心した。
この時代にもそんな勉強熱心な子がいるのか。
……うん、
……ま、とりあえず座りな、話しなら俺が聞いてやろう。
少女は、はい、と答え縁側に腰を下ろした。
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