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- Re: Gimmick Game ~僕たちの歯車を狂わせたのは君~ ( No.2 )
- 日時: 2015/03/19 22:06
- 名前: 逢逶 (ID: FpNTyiBw)
episode1
title 仕事
「えぇ、小枝蓮です。よろしくお願いします」
軽く挨拶を済ませ、新しい環境に慣れようと深く深呼吸をした。
「緊張しないでよ。今日からよろしくね?」
別に緊張しているわけではないんだけど…そうも言えない雰囲気で。
ニコリと愛想笑いをした。
「小枝…蓮ちゃんだっけ?女の子にしては珍しい名前だよね」
「まぁ…そうですね。私の母が、蓮の花が大好きだったもので」
「ふーん。蓮ちゃんって呼んでもいい?」
「良いですよ」
「ありがと」
キラキラの笑顔…アイドルスマイルというやつだろうか。
でも、この人はそんなのいつものことなのだろう。
だって、テレビの向こう側にいつもいたから。
今日から私はアイドルのマネージャー。
今、大人気のアイドルグループKISSTILLのメンバー山田蒼のマネージャーになった。
仕事はきっちりこなさなければ…
私情は挟まない。
絶対に。
「どうしてマネージャーやろうと思ったの?」
「面接ですか?」
「はははっ!違う違う!聞いただけ笑」
「…そんな、理由とか無いです。…本当に申し訳ないんですけど、仕事が無かったので」
「…ふーん。なんか、そういうのってさ…、良いよね」
「…そうですかねー、ちゃんと目標持って仕事してる方が良いと思いますけどね」
「俺はさ、目標は設定しておきたいタイプなの。どの仕事も同じモチベーションでやりたいんだ。でもね、それって結構疲れるっていうか、ね?…蓮ちゃんも疲れると思うんだけど、なんだろ…心が疲れるんだよね」
「うーん。でも、私は目標持ってる人が羨ましいですけどね。いつも私フラフラしてるんで」
「そうなの?ふふ。蓮ちゃんって面白いね。話しやすい」
「いやいや、山田さんだからだと思いますけど」
なんて、
男なんて最初から信用する気はない。
アイドルでもなんでも…こいつは男だから。
KISSTILLが所属する事務所の会議室。
いつの間にか二人だけになっていたこの空間は、相手からすれば心地の良いものかもしれないけど…
私は、怒りと恐怖に震えていた。