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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: Gimmick Game ~僕たちの歯車を狂わせたのは君~ ( No.41 )
- 日時: 2015/05/23 22:26
- 名前: 逢逶 (ID: J/brDdUE)
episode5
title 話したい
蒼side
飛び降りたと聞いた時は、震えが止まらなかった。
蓮ちゃんは心が強い子だ。
そして…、表には出さないけど優しくて純粋な子だ。
俺はそんな蓮ちゃんが初めて会った時から大好きで。
どこか闇を抱えた瞳も全て俺を惹きつけて。
だから余計に震えた。
頭に包帯を巻かれた蓮ちゃん。
目を覚まさない。
泣いた。
泣いてどうにかなるわけじゃないけど泣いた。
俺の弱さ。
一日目。
KISSTILLの冠番組の収録があったけど誰も集中できなくて中止になった。
こんなことは初めてでスタッフも困惑しているだろう。
二日目。
糸村と喧嘩した。
蓮ちゃんを責めるようなことを言ったらしい。
メンバーに制止されたけどそれすらも腹が立つ。
三日目。
もう、目を覚まして?
蓮ちゃんの声を聞かせて?
今日の撮影も中止になった。
雑誌の表紙になるはずの写真なのに笑えないんだ。
四日目。
お見舞いに行った。
静かに息をする蓮ちゃんを見ているだけ。
話がしたい。
五日目。
お見舞いに行った。
誰も話さない。
蓮ちゃんと話したい。
六日目。
お見舞いに行った。
写真が週刊誌に載った。
〝KISSTILL病院通い?!自殺未遂のマネ〟
KISSTILLのことは悪く書かれていなかった。
むしろ、良く書かれていた。
でも蓮ちゃんのことは悪く書かれてた。
悔しい。目覚めて否定して。
話したい。
七日目。
お見舞いに行った。
蓮ちゃん。
話したい。
それからはずっと無気力な毎日を送った。
一ヶ月が経って、希望も失いかけていた頃…蓮ちゃんは目覚めた。
泣いた。
泣いた。
そして、目覚めた蓮ちゃんは過去を話した。
泣いた。
蓮ちゃんは辛い思いをしてきた。
俺は知らず内に蓮ちゃんを傷つけていたんだろう。
ごめん。
これからは幸せを沢山あげる。
だから病気と闘おう。
治すまでずっとそばにいるよ。
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