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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: Gimmick Game ~僕たちの歯車を狂わせたのは君~ ( No.44 )
- 日時: 2015/07/06 21:46
- 名前: 逢逶 (ID: lQjP23yG)
episode8
title みんな
司side
みんなの気持ちは最初から気付いていた。
踏み込めない理由は芸能人と一般人の境界線と、小枝さんの持つ独特の空気感が最悪なことに噛み合ってしまったことだ。
「ねぇ、小枝さんのことなんだけどさ」
「ん?何?」
楽屋で切り出してみると、食い付くのは遼ちゃんで他三人は気にしてはいるんだけど聞かないようにしてる。
「あの三人、好きだよね。小枝さんのこと」
大きく頷く遼ちゃん。
ぴくりと体を揺らす三人。
わかりやすいなぁ。
この微妙な距離が歯がゆい。
「遼ちゃんは?」
「気になってはいるなぁ」
「そっかぁ」
「…司は?」
「俺はわっかんない。惹かれているとは思うんだけど、なんか気持ちの整理つかなくてさ」
だって小枝さんは普通の女の子じゃないんだよ。
凄く脆くて小さい小さい女の子なんだ。
もし、こんなこと絶対に考えたくないんだけど。…もしこのまま目を覚まさなかったら俺の時間はそこで止まっちゃうような気がして。
好きだと思ったら小枝さんを求めてしまう。
目を覚まさなかったら、ずっと宙に浮いたままで。
目を覚ましたとしても、小枝さんを傷つけてしまう。
小枝さんは目を覚ました。
そして衝撃の過去を知った。
救ってやりたいと思った。
みんな小枝さんが好き。
でも、俺だって好きだ。
やっと気付いた。
「俺のとこおいで」
そう言えたらどれだけ楽なんだろう。
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