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Re: Gimmick Game ~僕たちの歯車を狂わせたのは君~ ( No.46 )
日時: 2015/07/31 21:54
名前: 逢逶 (ID: lQjP23yG)

episode10
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治療が始まった。

「君は、男の人が信じられない?」

「はい」

「それはどうして?」

「昔…、辛いことがあったから」

私の瞳にはすでに涙が浮かんでいて。

「それはどんなこと?」

「無理やり…、彼氏と高校生に…」

耐え切れず、雫が頬を伝った。

「彼氏はどんな人だった?」

「優しいと思ってた。でも今考えると全て私を操るための作戦だったってわかる。最低な人間」

「うん、そうだよ。最低な人間だ」

「…」

「君は命を授かったね。その時の気持ちは?」

「…いらない、そう思いたかったけど愛しかった」

「君は優しいね。その命はどうなった?」

「死んじゃった。私がご飯を食べなかったから」

「そうだね、でも命を無いものにしたくてしたことかな?」

「ううん、食べれなかった」

「誰がそうしたの?」

「…わかんない」

「本当に?君の時間が狂ってしまったのはいつから?」

「あの時…、襲われた時から」

「それは本当に怖い?」

「怖い」

「男の人は本当に怖い?」

「怖い」

「本当に?全員が君を道具のように扱うかな?」

「…わからない、けど怖い」


…男の人が怖いのは変わらない。

だけど…、永江先生とKISSTILLだけは違う気がしているんだ。

恋だってした…。



柔らかい空気が私を包む。


「今日はここまで。お疲れ様。最後に…私は君の味方だ。よく覚えておくように。いいね?」

「はい」


人に優しさに触れた、初めての治療。