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- Re: Gimmick Game ~僕たちの歯車を狂わせたのは君~ ( No.61 )
- 日時: 2015/10/19 19:04
- 名前: 逢逶 (ID: MHTXF2/b)
episode8
title 急展開
あのパーティーから三日。
私は家でごろごろしている。
家賃はKISSTILLが払っていてくれたようだ。
あの日から想うのは大和のことばかり。
会った瞬間から、惹かれていたんだと思う。
それはKISSTILLメンバー全員もだけれど、大人な魅力にはまり始めている。
そして今日。
大和と会う約束をしている。
午前十時。
もう、来る頃だ。
ピーンポーン
ほら。
ドアを開けると、ばっちり変装した大和がいた。
家で会うっていうのはどうかと思う。
だって付き合ってるわけじゃないし。
でもこれだけの容姿を持っている人だ。
伊藤大和だとばれなかったとしても騒ぎにはなる。
だから家で会うことになったのだ。
「どうぞ」
大和が家にいる。
不思議な感じ。
コーヒーを淹れて、大和の前に出す。
「…ありがと」
柔らかく笑う大和。
この笑顔が好き。
「何しましょうか」
「ちょっと待って。その前にタメ口やめよ」
「え、でも…」
「いいの。大和って呼んでるのにタメ口っておかしくない?」
「うーん」
「いいからいいから」
「うん…」
うまく丸め込まれた気がするけど…。
大和は私をあの時のようにぎゅーっと抱きしめた。
私は何のためらいもなく背中に手を回す。
「好きだよ」
耳をくすぐる吐息がくすぐったくて、身をよじる。
「…早く俺のものになって」
「…」
「大好き」
更に力強く抱きしめられ、痛い気がしたけど嬉しかった。
「…キス、していい?」
「だめ」
「でも俺に抱きしめられ嬉しいしょ?」
私はこくっと頷いた。
柔軟剤のような優しい匂いがする大和。
「じゃあキスは?」
…だめ、じゃない。
「…いい?」
私は再び頷いた。
体が離れた。
顔が近づいて、鼻先が触れるくらいでぴたっと止まる大和。
私が不思議そうな顔で見ると、
真っ赤な顔で
「こんなに幸せでいいのかな」
と言った。
「私も…、幸せすぎて怖い」
私が俯きながらそう呟くと大和の掌が私の頬を包み、
キスをした。
優しく触れる唇。
私は大和を好きになっていることに気づいた。
「…付き合って」
唇が離れた時、大和が囁いた。
私は照れながら
「…うん」
と返事をした。