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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: お月様が見ている ( No.4 )
- 日時: 2015/03/30 21:15
- 名前: 音宮 ◆93nWkRSozk (ID: laaGvqHD)
第二話 出会い
早速、その本を読んでいると、彼が私のその姿を見て話しかけてきた。
「わー、懐かしー。その本、面白いよね?」
よし、作戦通り。このまま順調に会話を進めていけば、きっとこれからも仲良くできるはず。
「あ、そうなの?私、読み始めたばかりだから、まだわかんないや」
ふふっと感じよく笑って言う。
愛想よくしていれば、雰囲気も良くなって、会話も弾む。
「そっかー。じゃあさ、読み終わったら感想聞かせてよ」
よっしゃぁ、来たぁー!!
待ってましたとばかりに心でガッツポーズ。
「うん、絶対聞かせるねっ」
これで次の会話の機会を確保と共に、親近感も少しポイントアップ。
彼に振らなきゃ良かったって思わせるんだ。
ふふ、忙しくなるぞ。
必ずや、あの付き合っている奴を別れさせ、私があの座を……って私なんか黒い!?
嫌だなぁー、最近はこんな自分が嫌いになってくる。
ああ、もう……本当になんでこんな汚いこと、思ってしまうんだろう。
諦めたくてもあきらめられないほど、好きになってしまった。
それがいけないことなのか?
いや違うんだ。
逆にいいこと、とってもいいことなのだ。
この前、読んだ恋愛心理の本には人間の恋愛感情は、大体、三年から四年くらい続くとある。
だけど、私は九年も続きました。これは、その人がどれだけ好きなのか、その人をどれだけ見つめてきたかによって夢中になれる度合いが決まるそうです。
私は、彼を何年も見つめてきた。
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