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迷った末引っ込めようとした俺の右腕は瞬きの間に夕香に捕えられてしまう。


【アルティメット・お久です。はてさて、窮地に追い込まれた主人公の命運や如何に(笑)。】

ギロリと睨まれ、言い返す気が無くなってしまった。

【どうも超スーパーアルティメットお久です】

まずいな、空気的にも物理的にも逃げ場がない。


【アルティメット・エクストリーム・ウルトラハイパーＤＸお久です。……そうでもないか。】

「ほぉらっ！！」


【お久です。そして一カ月越しの夕香の台詞です。】

言いながら俺と優希にグラスを押し付ける夕香。

【スーパーハイパーギガお久です。３ヶ月も放置しててごめんなさい……】

【皆様、皆々様、伝説的にお久です。】


他の客からの痛々しい視線を背に受けながら、俺はなるべく音をたてないようにしてグラスを押し返す。

「えぇーっ！！ ったくつまんない男ねぇ。夕香は？」

「いや、仕事中だし。あたしも、いいや……」