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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 星屑チョコレート【短編集】 ( No.47 )
- 日時: 2015/05/05 15:32
- 名前: 蒼 ◆udrqXHSxjI (ID: A9wxTbZM)
【 ヘドロな愛を下さい。 】
※ヤンデレ注意報
「欲しい、欲しい、欲しい。貴方が欲しい」
表すのなら暗黒の闇。悪天候だというのに、カーテンを閉めず、少女は笑顔で椅子に座っていた。机に向かっているのは、勉強をしたい訳ではなく、別の理由がある。闇色の伸びた髪が、窓から入った風で、物足りなさそうに揺れる。つまらないな、と呟けば。ペン回しをしていた少女が、もう片方の手で引き出しを開けると、短く分けられているカッターナイフを取る。大して面白味を感じなかった様で、無表情のまま握り潰す。全ての破片を終えた時には、紅い液体が床に滴り落ちていた。肌が見えない指先で、机に置いてある大好きな『貴方』に触れ、自分の口元に近付けて、舐める。汚れた笑顔は歪み、声が酷く嗄れたので、素足のまま滑る様に歩いた。
「ああ」
欲と名乗る願望が、少女の心を満たして行く。歯止めが利かなくて、止まる事を知らない。暗黒ごと呑み込もうとする全てに、何の感情も湧かなかった。あったとするなら、生臭い哀が、自分を覆う事に対しての喜びくらいだ。
「——怖がらなくても大丈夫。沢山可愛がってあげるからね」
「——だって、貴方は僕。僕は貴方、だろう?」
*
久しぶりのヤンデレさん。
稲妻に似合うだろう少女を書きたかったので、思う存分燥がせてもらいました! 中性的な少年少女って、本当に大好き!! 「僕」って響きが……。カッターナイフで写真を破る行動は、ヤンデレに付き物だと思います。
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