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Re: 星屑チョコレート【短編集】 ( No.54 )
日時: 2015/05/11 17:47
名前: 蒼 ◆udrqXHSxjI (ID: A9wxTbZM)


【 だって、君しかいないから。 】


 運命は、何処で左右されるか解らない。たとえば、今日これから事故に巻き込まれて、私は死んじゃうかも知れないし、明日災害に見舞われるのかも。痛くて哭いて、元に戻らなくなったら、嫌だな。痣とか跡とかが残って、誰かに笑われる人生はさ。かといって、部屋から出て来なければ良い訳でもない。難しいね。もし君に訊いたら何て言うかなぁ。

 深い眠りに就いた君を見て、溜息が漏れる。馬鹿らしいって罵るよね。君だもの。無意識で額に触れていた私は、その冷たさに驚いた。ああ、体温の平均低かったから。それにしても、体調崩さないのかな、こんなので。まるで死んじゃったみたいと思う私、酷い奴だよ。頬を撫で、唇に触る。柔らかくて、凄く愛おしい。君が消えたら私、きっと後ろ姿だけを見つめて追いかけるね。どんなに恐ろしい場所へ行ったって、見失わないと約束する。要らないと睨まれても、気にしない。凄いでしょ、褒めて良いんだよ。褒めないだろうけど。

 私、離れないよ。君が挫けそうになった時は、隣に立って支えてあげる。だから、そんな辛そうな瞳で見ないで。悲しかったら、思い切り泣かせてあげられる居場所を作る。嬉しかったら、一緒に共感出来る愛情を育むの。お願い、私を置いて行かないで。

 
 今日も明日も明後日も、君と笑い合える。
 それが、私にとって何よりも大切で。君には私が、どんな風に映し出されているのだろう。


「おはよう、咲間(さくま)くん。また来ちゃった」


 誰よりも愛し続けるね。
 もう、君を独りにしないから、共に溺れよう。





 戻らない時を悔やむ少女。
 タイトルを先に決めたので、どんな内容にするか非常に悩みました。明るい話は止めたいなー、とだけ思っていたので。最初は別れ話、失恋が浮かんでいましたが、持っていた漫画のとあるシーンを読んで変えました。上手く伝わっていると良いな……。