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Re: 星屑チョコレート【短編集】 ( No.56 )
日時: 2015/05/22 14:58
名前: 蒼 ◆udrqXHSxjI (ID: A9wxTbZM)



【 ニセモノ有罪 】


 誰も気付かなかった。それが凄く嬉しくて、楽しくて、あたしは「次」を求める。何で気付かないのだろうか、不思議に思ったけど、答えは直ぐに出た。あたしが上手いからだ。相手の心を自分に向ける、こんなに夢中で化けられるものは、他にない。すっかり嵌まっちゃって、元に戻る方法は見つからないかも。


「ふふふっ」


 自然と笑みが零れちゃうのは、あたしの所為じゃないでしょう。恨むのなら精々恨んでいれば良い。1つ言わせてもらうと、見破れなかった貴方が悪いのよ。だって、酔って溺れたのは、あたしじゃない。世界の狭さに押し潰され、責任と屈辱で笑われていたら? 間抜けた顔で見られたって、どうしようも出来ないわ。全ては貴方にある、解っていても、認めたくないのね。残念な人。


「決めた」

 
 それでも「次」が来るのだから、仕方がないじゃない。熟した果実を食べて、何がいけないの? 最高に美味な果実を探す為、今宵も狩りに出かけよう。暗色に染まる満月が、あたしを照らしてくれる。廻る日々に感謝しながら扉を閉めて、真っ黒になるまでは愛してあげる。さあ、貴方をあたしに。





 割れた仮面の下に、影を潜めた「あたし」が出迎えてあげるでしょうね。暗躍だけでは寂しいもの。今夜限りの玩具を遊び終えた「あたし」は、涙を浮かべて忘れず告げる。


 2人だけの秘密、と。





 テストという地獄から解放され、急に背伸びした件。
 大人っぽい話が苦手です。本当に書けません、助けてください。人によって解釈は自由ですが、作者的には『快楽を求めるあたし、夜から逃げたいあたしを持つ、2重人格者』。書く時に使った設定なので、他の設定でも全然大丈夫です!