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- Re: A quirk of fate〜運命の悪戯、君に届けたい〜 ( No.4 )
- 日時: 2015/04/26 13:11
- 名前: 音宮 ◆93nWkRSozk (ID: laaGvqHD)
The second day
あー、二日目だよー。
遭難というものみたいな感じになって二日目になったよぉ。
おなか減ったし、眠いし、疲れたし。
きっつ……。
日差しも昨日に比べてなんだか強くなってきたな。
蒸し暑いな……。
ぱたぱたと上着を軽く持ち、仰ぐと、汗のにおいが上がってくる。
「誰かこないかな」
はやくこの状況を脱出したい、クーラーの効いた場所、あったかいご飯に早く会いたい。
ぎゅうううとおなかが何度目かの叫び声をあげた。
その時、クスッとわらった誰か。
「おなか、すいているんですか」
それが彼との出会いだった。森林のなかで彼と私はであった。
暑い夏の日、私は、金髪、碧眼の美青年に会ったんだ。
それはもう、天使かと思うくらいに美しく、綺麗な透き通る声で。
無駄のない筋肉の付き方をしていて上着のあいたところから白い肌と綺麗な鎖骨が見えていて、セクシーな雰囲気を醸し出している。
「て、天使…」
私が彼にあって、初めてうちはなった言葉。
誰もがそう思う、彼の容姿。
「はい……?」
彼はキョトンと私を見て、クスッと笑う。
「ああ、おなかすいて頭がおかしくなっているんですね。
さ、はやく俺の家に行きましょう」
手を引かれて連れていかれる。
小さなころによく聞かされた、他人に、変な人に、知らない人についていっては駄目だよというものはもう、私の中で消えていた。
そんなの、知らねーよ。私は天使様についていって、あたたかいご飯と涼しい場所を与えてもらうんだ。
「……」
な、なんだ……ここは……。
この世にこんな場所が存在したなんて。
私が連れていかれた場所は、豪邸を軽く超えた大豪邸だった。
まさに城というべきところで頑丈な門扉、白を基調とした大きな壁。
そこで働く人もヨーロッパの兵隊みたいな恰好をしている。
「皇子、お帰りなさいませ」
し、執事だ……。黒い服をまとった老人。生きている間に本物の執事を拝めるとは。
「ああ。俺のことはいいから、この子に何か食べ物を」
彼は、適当に老人に命令すると、どこかへ行ってしまう。
「あ、あの……」
声を掛けようとしたが、もう彼の姿はそこになく、老人と私しかいなかった。
「あの、どちら様で?」
老人は私に近づき、聞く。
服装から私は不審者だと思われているかもしれない。
だってボロボロな服と真っ黒な顔だと思うから。
「えと、更科麗です。あの人に拾われました」
この言葉から私の異世界生活が始まった……のかもしれない——