コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: A quirk of fate〜運命の悪戯、君に届けたい〜 ( No.5 )
- 日時: 2015/05/03 12:15
- 名前: 音宮 ◆93nWkRSozk (ID: laaGvqHD)
The third day
「ぁ……」
起きてみるとそこは、よくアニメとかで、出てくる宮殿のお部屋で。
……私は夢を見ているのだろうか。それともついに、頭までおかしくなったか。え?
「麗さん、入っていいですか」
誰かが入ってくる。うわぁ、王子様……。
うっとりしそうなくらいの殺人級の容姿をした彼が現れた。
「よく眠れましたか?」
彼は私に聞く。はぁ……、もう限界かも。
私は、この人……、彼の容姿で殺されてしまうのかもしれない。
「……も、もおおおちろん」
き、緊張しすぎてというか、息もできないような圧迫感におされて私は、ちゃんと答えられなかった。
「それは良かったです」
クスッと笑って紅茶を入れてくれる。
なんだなんだ……、神様なのかぁ、この人。
すべてがカッコいい……、美しすぎるぜ、おい。
「あ、ありがとうございまう」
ふわふわと彼の魅力にうっとりしながらお礼を述べる。
「いえいえ」
そういうと、自分も紅茶を飲み始めている。
「あ、あの……、き、昨日は、助けていただきありがとうございます。
えっとぉ……」
あ、彼の名前を知らないということに気付く。
彼はどこかに行ってしまったので、聞きそびれていたんだっけ。
なんという、不覚……ッ。
恩人だというのに、名前を知らず、その恩にただ身を寄せていただけとは……ッ。
「あ、申し遅れました。ブリリアント=カルバーク=ショウです」
彼は発音良く、自分を紹介した。
「は……?」
あまりの速さに聞き取れなかったです、すいません。
目が点になった私は、ゆっくりと首をかしげる。
「略してショウでいいですよ」
にっこと笑うショウ様。笑顔がステキすぎて眩しいでございます。
……え。略してなんて滅相もありません。
恩人をそのような形で呼ぶなど、ありえませんわぁ。
「え、でも……、ちゃんと呼んだ方がいいと思います」
うんうんと自分の言葉に頷く
「これは、俺の通称名なので別にいいんですよ。それに長い名を呼ばれても、気持ち悪いだけです」
はぁ……。
気持ち悪いって自分の名前だろーが。とツッコミを入れたいが、ショウ様なので、やめておく。
「じゃあ、ショウ様で……」
「うん、よろしくね、麗さん」
握手を求めてきた。
「はい、よろしくお願いします、ショウ様」
あははっと天国にいるような気分で握手を交わす。
私にもとうとう、春が来たみたい……ですわ、おほほほっ。
「そういえば、君、暮らすところ、ないでしょう?」
ショウ様が切り出す。
「はい……。なんでお知りに?」
「君の事、調べたから。異世界から来たんでしょ、麗さん」
なるほど。権力者という力で調べられるのか。
「ここで暮らせばいいよ」
天使様否、ショウ様がおっしゃいます。
そういうショウ様は笑っていて、私は、それに負け、住むことを決めました。
どうやら私は、ショウ様の笑顔否、ショウ様に弱いようです——
いきなりの展開なんだよ、バーカバーカと思われるのは、やめてください。
私が、傷つきますわ、おほほ。
こうして私はショウ様こと、ブリリアント=カルバーク=ショウ様の城に居候することになりました——