コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: Rain ( No.5 )
日時: 2015/04/15 22:02
名前: 逢逶 (ID: 6nOSsJSp)
参照: http://0ja.jp/song/A2011022302.html

episode4
title ever

元気にしてるかな…
…とっくの昔に別れた彼女のことをずっと忘れられないなんて、自分に呆れてる。
でも、この気持ちは永遠に続いて行くんだ。
最初で最後の恋。
次になんて踏み出せないよ。

ねぇ、あず…

君は今どこにいるの?

高校一年生春。
俺とあずは出会った。
同じクラス。人気者のあずはいつも輪の中心にいた。
俺は群れるのが嫌いだからそんな様子を不思議に見てた。

ある日授業をサボって図書室で寝ていた。

がらっ、と扉が開く音に目を覚ました。
入って来たのはあずだった。

「…あ、頼都」

話したこともないのに下の名前で呼ばれ、馴れ馴れしい感じがしてイラついた。

「…なに」

俺はふてぶてしくそう答えたけど、あずは綺麗な顔で笑って言ったんだ。

「私と一緒に抜け出さない?」

「はぁ?」

…抵抗も虚しく、強引に腕を引かれ連れ出された。

カラオケ、ゲーセン、買い物…色々付き合わされたが何気に楽しかった。

「…じゃあね、頼都。また付き合ってね」

その笑顔に、俺はすぐやられた。
その後も沢山二人で抜け出した。


「…ねぇ、頼都?」

「んー?」

「私のこと好きでしょ?」

「好きじゃなきゃこうやって遊んでねーよ」

「そういう意味じゃなくて」

「好きだよ?女として」

生まれて初めての告白。
あずは、照れくさそうに笑って

私も、と言った。

付き合い始めた。
幸せに順調な二年を過ごした。

高校三年生夏。
俺の家でゲームをしている時、あずは言った。

「…私ね、留学するんだ」

突然の報告に、俺は頭が真っ白になった。

「…な、に言ってる?」

「海外留学…するの」

学年トップの成績を誇るあず。
特に不思議なことではなかった。

だけど…急すぎた。

「…だからね、別れよ」

「…嫌だよ」

「離れていたら頼都も、私も別の人に目が行っちゃう。近くにいる人に目が行っちゃうじゃん」

「そんなことない」

別れるなんて嫌だ…
こんなに好きなのに…、
でも…あずが泣いて、別れよう、なんて言うから俺はあずを抱きしめて言った。

「元気でな、」

「…うん」

最後のキスをした。

俺は見送りにも行かなかった。
泣いてしまいそうだったから。

あれから七年。
あずのことをまだ想ってる俺。

空を見上げる。

君は今どこにいるの?
ねぇ、お願いだから僕の前の現れて?


「頼都ー!」


え?!俺は振り向いた。
この声は…、

「あず…」


そこには、ずっと想い続けたあずがいた。
手を振りながら俺の元へかけて来る。

俺は動けずにいた。


あずは俺に抱きついて耳元で、久しぶり、と言った。

俺はあずの背中に手を回し、あずがここにいる幸せを噛み締めた。

「…久しぶり」

俺も答えた。
長い良い匂いのする髪が顔に当たってこそばゆい。

体を離す。
あずは涙ぐんでいて、なんだか嬉しかった。

「…あず。会えて嬉しい」

「私も」

その瞬間、俺のたまっていた涙がこぼれた。

「頼都泣いたしー」

「うっせ、あずも泣いてるじゃん」

「泣いてませーん」

「頑固は変わんねーな」

「頼都は変わったね?」

「えー?」

「かっこ良くなった」

「そう?笑 あずは可愛くなった」

顔を真っ赤にしてあずは俯いた。
可愛い。

「あずは俺のことどう思ってる?」

「頼都から答えてよ。私のことどう思ってる?」

「好きだよ、女としてね」

「…私も頼都のこと男として大好き。もう、離れない…遅くなってごめんね」

俺はあずを抱きしめて言った。

「おかえり」

あずは小さく呟いた。



「ただいま」

永遠にあずを愛する。

遅くなったけど、二人の愛は変わらない。

だから…、



二人で永遠の未来を描く。



ever…