コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: Rain ( No.7 )
- 日時: 2015/07/20 21:21
- 名前: 逢逶 (ID: GlabL33E)
- 参照: http://0ja.jp/song/A2006070512.html
episode6
title CARNIVAL NIGHT part2
知ってる?楽しい夜にも終わりがあるんだよ。
煌めく街。
輝く夜。
待ち侘びてたこの夜を。
たった一人。
初恋のあの人は初彼でもあって、今日は中学の同窓会。
久しぶりにあの人に会える。
忘れられないとかそんなんじゃない。
ただ会って話したかっただけ。
私と別れた後の彼の人生が賑やかであることを祈っているだけ。
未練なんて、私から別れを告げたのにあるはずないじゃん。
会場は少し大きめの居酒屋。
二階を貸し切ってるらしい。
誰が企画したんだろう、と思ったらあの人だったみたい。
もわん、とした暖かい空間。
ぞろぞろと懐かしい顔が集まって来て、久しぶりー、と声をかけ合う。
「えー!桜久しぶりー!」
「えっ?!沙英?!超久しぶりじゃん!」
桜は昔よく一緒にいたメンバーの一人。
中学の卒業依頼、なんだか連絡するのも気が引けて疎遠になっちゃったんだよね…。
元委員長の奈帆子の乾杯の音頭で正式に同窓会が始まり、次々に美味しそうな料理が運ばれてくる。
私はそれを口に運ぶ。
美味しい。
「…ねぇねぇ、沙英?やっぱりサトくんのこと気になっちゃう?」
酔っ払った桜はわざとらしく厨房に目をやる。
うん。
ちらちら厨房から見えるあの顔。変わってないね。
優しい雰囲気はそのままで、でも男らしさがプラスされてる。
別れた理由は単純でお互いどう向き合ったら良いかわからなくて結局私からさよならを告げた。
私はビールをぐびぐび飲む。
酒に強い私。
ダウンして行くみんな。
残っているのは酒を飲めないメンバーと私。
会話も対して盛り上がらなくて。
「…沙英」
頭上から聞こえてくる声。
低くなったね、でもわかるよ。
顔をあげるとやっぱり成長したあなたの顔。
「久しぶり」
にっこり笑ったその顔。
あぁ、時間は流れたんだな。
「久しぶり。元気だった?」
「うん。そっちは?」
「まぁ、元気かな?」
「良かった」
「…沙英結婚するんだって?」
はぁ?
「誰から聞いたの?」
「桜」
「ごめん、それデマ。彼氏すらいないもん」
「えぇ?!笑」
「笑うなよー。サトは?彼女いるの?」
「いないよ笑 沙英…どう?俺」
「うーん?笑 良いんじゃない?」
「テキトーだろ笑」
「ばれたか笑」
良かった。普通に話せる。
その後は昔の話で盛り上がって、あっという間に時間になってしまった。
「そろそろ帰るね。じゃあね」
寝ているみんなを起こしてから店前でタクシーを拾った。
「沙英!」
乗り込もうとした時、後ろから声がした。
振り返るとサトがいて。
「何?笑」
「俺、別れてからもずっとお前が好きだった。すげぇ好き。忘れようとしたけど会って気持ち抑えられなくなった」
突然の告白に涙が止まらなくなった。
「ばか!私も大好きだっつーの!」
私たちは二人抱き合った。
楽しい夜には必ず終わりがくる。
だけど会いたいと思えば何度だって夜は訪れる。
この夜に続きがあることを私は確信した。
part2でもpart3でも楽しい夜を私たちはこれからも満喫するだろう。
あなたの居酒屋と中学時代の淡い初恋と共に。