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Re: レン・アイ追いかけっこ→ ( No.10 )
日時: 2015/04/30 06:47
名前: 伊吹吹雪 ◆u2YjtUz8MU (ID: 7NcgQhKb)

明日の土曜日から練習、ということで、この日、1年生は100mのタイムと1000mのタイム、そして走り幅跳びの記録を取った。

「疲れたー」

どれもそこそこ良かったが、愛はもうヘトヘトだった。
休憩時間なので、芝生にどかっと座り込む。

「100m、俺より速かったな。」
後ろから、感情の起伏がない声。

後ろを見ると、眼鏡をかけた冷徹少年・渡辺が立っていた。

「…何よ。」
「褒めにきた。」
「そういうあんたは山川より遅いじゃない。」
「俺は走り幅跳び専門だ。」
確かに、渡辺の走り幅跳びの記録はすごかった。
「ただ、脚に無駄な動きが多い。」
「?」
「短距離だとそれでいいが、長距離だとだめだ。」

「ふうん。ていうか、何で、走り幅跳びのあんたがそんなこと言うの。」
愛は否定的な態度をとる。
「あと、なんであたしにいろいろ言ってくれるの。」

一番の疑問。
初めての相手になぜこんなことを言うのか。

渡辺は肩をすくめるだけで、何も言わなかった。

そのまま、渡辺は愛の隣に座る。
「土曜日、南山運動公園に5:00に来い。」
「え?」
「いいから、来い。」

そう突然言うと、渡辺は立ち上がって、どこかへ消えてしまった。