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Re: レン・アイ追いかけっこ→ ( No.13 )
日時: 2015/05/07 06:56
名前: 伊吹吹雪 ◆u2YjtUz8MU (ID: t5nfvz02)

4.虹色デイズ2

「何読んでんの?」
愛が中学の頃の日記を家で読んでいると、誰かに後ろから話しかけられた。
振り返るとやはり愛だった。

「別に別に、何もー!」
慌てて愛は日記を閉じる。

「いいだろ、見たって。」
「彼氏なんだから。」

彼氏だから見せたくないんだってば!


大学生になり、同時に入った蓮(浪人したのだ)と『ひょんなこと』から付き合うことになった。
お互いの家の合鍵を交換して、自由に家に入れるようになっている。

「…いろいろ恥ずかしいことがあるから見せたくない。」
「大丈夫だって。」
「いやだ。」
「何で?」
これは確実にからかわれてるー!と愛は感じた。
「読んだらきっと、蓮も恥ずかしくなるよ。」

「平気だって。」
「俺なんだから。」

ぐぃぃーと顔が赤くなる。

蓮はパッと日記を取り上げる。
そしてページをパラパラめくる。
「『ストライクショット・王子の微笑みを蓮にされた途端、私は顔が赤くなった。』…何だこれ。」
蓮も顔が赤に染まる。
「もーだから見せたくなかったんだって。」
愛は蓮から日記を取る。

「一人で勝手に、好き好きって盛り上がってたんだから。」

クソ。
それはそっちだけだとでも思ってんのか。

怒りながら上目遣いをしてくる愛。
それがたまらなく可愛くて。

時々本当にかわいい仕草しやがって。

「俺は今……」

さっと愛を引き寄せて、キスをする。


『お前のこと本当に愛してるから。』



ああ。
あの頃はこんなふうになるなんて、思いもしなかった。
私たち2人とも。



月夜の中に2人の身体は沈んでいった。