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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: レン・アイ追いかけっこ→ ( No.2 )
- 日時: 2015/04/20 20:20
- 名前: 伊吹吹雪 ◆u2YjtUz8MU (ID: 7NcgQhKb)
2.虹色デイズ
「蓮くんって、すっごいカッコいいよね。」
フワフワの服を身につけ、女の子らしく、栗色に染めた髪を揺らして、友達はそう言った。
外は雨がしとしと降っていた。
今、愛は、大学の友達といっしょに、カフェに居る。
コーヒーを飲みながら、話をしていたら、大学の友達がいきなり、愛の彼氏・蓮の話をしだした。
うらやましい、ステキな彼氏だね、と。
「愛ってさぁ、今までバンバン付き合って、バンバン別れてそうなのに、蓮くんとは別れないよねー」
人が?となるようなことを、空気が読めないこの友人は時々言う。
でも、愛は笑顔で答えた。
「ううん、実はね、私、蓮が初めての彼氏なの。」
「えー!!」
友達は驚いている。
「うそでしょ、愛。」
嘘ではない。
愛は、とても美人、の部類に入る人間だ。
その見た目ゆえ、たくさん告白されたくさん付き合っているように見えるが、全然違う。
蓮が初めての彼氏だという(もちろん、小学生から中学生も含めて)。
「いけない、もうバイトの時間だ。じゃあね、愛。」
友達が、慌てた様子で席を立つ。
ジャラジャラ、とそんなに遠くもない場所で、お店特有のドアを開ける音がした。
愛は、友達が帰った後も、しばらく席に座っていた。
友達には言わなかったが、
蓮は、愛にとって初めての彼氏というだけでなく、初めて好きになった人なのだ。
思えば、本当に長かったなぁ。
愛は、今までを思い出す。
今までの20年間は、キラキラしていて、いろいろなことがあって、まるで虹色みたいな日々だった。
ふと、愛は外に目をやった。
雨が上がり、ビルとビルの狭間に、虹が架かっていた。
☆
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