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Re: 初恋?何それおいしいの? ( No.26 )
日時: 2015/06/13 15:15
名前: まかろん (ID: syFyy808)

4.15


   部活動の見学期間が今日で終了しました。
   私はやっぱり美術部に入ろうと思います。
   他の部活も見てみたけど、やっぱり美術部が一番活気があるかな。
   顧問の暁先生はとても優しいし、なにより私のことをよく知ってくれてる。
   でもなにやら仮入部でテストがあるみたい。
     私大丈夫かな・・・。
   うぅ 明日!がんばれ!私!!



        パタン




「ねぇ、ちょっと相談があるんだけど、いい?」

「あ?何だいきなり、別にいいけど。」

午後一時を回ったころ、一人でゆっくりまったり本を読んでいたら、急に山口が話しかけてきた。
なんだか随分と深刻そうな顔をしている。

「場所、変えるか?」

小さく頷いた。


「おぉ、やっぱりここなら人いねえな。ここでいいか?」
「うん。どこ?ここ。」
「一様中庭ってことになってる場所。実際は校長の私有地化してる、らしい。」
「?どうゆうこと?」
「ほら ここ、妙に花やら変な植物やらが一杯あるだろ。 これ全部校長の趣味らしい。」
「ああ確かに見たこと無い植物たくさん生えてるね。」
「まぁ、バレー部の先輩情報だがな。」
俺たちは適当なベンチに腰掛けた。
「へぇ、霧島バレー部に入るんだ?」
「おう。今日やっと打たせてもらえる。」
「そっか、今日から仮入部だもんね。」
「ああ って、俺の話はいいんだよ。 相談、あるんだろ?」
「うん・・・。」
少し顔色が良くなったと思ったら、また暗くなった。
 どうしよう、こんな相談乗った事ねえ。 答えられなかったら本当にどうしよう。

「あのね、ある特定の人物に近づいたり話したりすると、急に心臓がバクバクしだすんだけど、
 これって何だと思う?」

「・・・。一般論から言うと『恋』だと思われます。」

なんだ好きな奴の話か。めんどくsいやいや。
でも、なんか拍子抜けだな。 ちょっと違うことを期待していなくもなかった。

「いや!それは絶対に無い!」

急に大声を出した。上がプールになっているから、いくらか反響する。

「なんでそんなに言いきれるんだよ。」



「だって相手女の子だよ!!」



「・・・。」

一瞬思考が停止した。

え?どういうこと? 女子が好きってことか?
あ、あれか?ニュースで前見た、LGBTってやつか?
本当にそんな奴がいるのか。

ん?でも真っ向から否定したぞ、こいつ。

なんかこっちの返答を期待してる。ど、どういえばいいんだ・・・。
うーん、とりあえず、

「気のせいじゃないか?」

「っいや!ここ三日間その子に会うたび発生しているのだ。流石に異常事態だと思うのだが、」

異常・・?ああ確かに異常だが、
もしかしてこいつ、自覚してないのか?

「私はおかしくなってしまったのか? 中学生になると頭がおかしくなるのか??
 どう思う霧島!!」

「いや、おかしくはねえと思うが、」

急に元気になった。 いやパニックしているだけか。正直響いてうるさい。

「が?!」

「い、いやとりあえず落ち着け。な?」

「あ、ああ。すまん。」

「つかなんで俺にそういう相談してきたんだ?」
そもそもの疑問だった。普通こういった話題、恋バナ?とかいうやつは女子同士で話すものではなかったか。

「・・・。」

?なんだ反応がない。地雷でもふんだか?

「お、」

「お?」

「お前がちょうど暇そうだったから。」

すげー小さく言った。多分今考えて作ったなこいつ。
ああ、そういえば友達いないんだっけ。

え。

「お前まだ友達の一人や二人、つくれてないのか?」

あ、完璧地雷を踏んでしまった。
山口の顔がどんどん赤くなるのを見て、体を強張らせた。

「べ、別にいいじゃん!友達がいなくたって! だからこうしてあなたはこの私と話せているのよ!感謝しなさい!!」

いきなり立ち上がって俺を見下した。
良かった。今日は殴られなかった。
 
でも、

なんでこう女王サマ気質になったんだ。
未だにこいつのキャラがよくわからない。
急に元気になったりしょぼくれたり、かと思えば女王サマになったり。

これが世に言うツンデレってやつか?
ん?こいつの場合デレって何だ?
デレって・・・。

俺は女王サマを見上げてみる。
両手を腰に当てふんぞり返っている女王サマに
「はぁ。」
と小さくため息をついた。

「ちょっと!今ため息ついたでしょ!」

「ちっばれたか。」

「舌うちもした!ひどい!」

やべ、つい口にしてしまった。

「てゆうかあんただって人のこと言えないでしょ。さっきだって一人で本読んでたし。」
「俺は好んで一人でいるんだよ。」
「なっ、わ、私だって好んで、」
「一人でいないだろ?」

やっと女王サマが黙ってくれた。

「なるほど?やっと友達になれると思った子に恋をしてしまったと。」
「こ、恋なんてしてないし!」
「俺は別に恥じることではないと思うよ? 価値観なんて人それぞれだし。」

ベンチから立ち上がって背伸びをする。
俺より少し背の小さい女王サマは立ち上がった俺を見上げる。
少し気が良くなってしまったのかもしれない。

「応援するよ。」

自分でもわかる。良い笑顔をしてしまったと。

呆れ顔をした女王サマに

「うるせえ!!」

また強烈なパンチを食らった。