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「おい、おいっ」

放課後。荷物をバッグに詰め込んでいる最中。ふいに呼びかけられた。
またあの男か。

「昼休みのアレはねぇんじゃねーか？　人がせっかく話しかけてやったというのに。」
「あーあぁ　その節はどうもありがとうございました。　おかげで人はアホだということに気づけました。」
まさに売り言葉に買い言葉。
「あ？誰がアホだって？」
「・・・どちらもです。」
本当に。人が多いところではあんな現象が起こるのだと、身をもって知った。
この男のアホさ加減も。
「あっそっか、君友達いないもんなゴシューショーサマデス。」
口に手を当てほくそ笑む。つまり人の神経を逆なでする顔で言われ、さすがに頭にきた。
「ああ？！お前だって昼休みぼっちの女子に話しかけるほどの暇人じゃねぇか！」
「残念ながら俺は暇人じゃねぇよ。　てかやっとぼっちって認めたな。ぷぷ」
霧島の顔を見た瞬間　私を保っていた糸がプチンと切れた。

「グホォォッ」

霧島の鳩尾にグーパンチをめり込ませましたっ！

床でもだえ苦しんでいる霧島を見下しながら、そそくさとバッグを持ち教室を出た。