コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 零fighter山鷹隊【参照3000超え大感謝!】 ( No.101 )
- 日時: 2017/06/21 15:32
- 名前: ワタル (ID: V2fBShP3)
【戦慄の母艦】
敵、味方残り僅か……。
魔界にスコールが降り注いだ……。
少しばかり、時は遡る。
激しいスコールの降る数十分前……。
とてつもなく長く感じる、恐怖の"46分間"の出来事だった……。
A・J「……プロットマンの容態も気になるしな……とにかく一度、母艦に戻ろう。」
スターとリンクスを乗せた、A・Jの操るパワードロボは、ライドモードで危なげなく母艦に戻る。
開け放たれたままの、大型マシン昇降用のスロープ状のゲートから、船内に帰還した。
すると、船内には看護師ウクレレが只一人。
聞けば原因不明で、突然死した医師ギタレレを、スネーク隊長が埋葬しに行き違いで表に向かったと言う。
視察を兼ねるので、帰りは遅くなるとの事だった。
プロットマンと、安静状態であったランブルフィッシュの姿は、何処にも見当たらない。
ドッグロボも行方不明だ。
ウクレレは、帰還した3人に「ゴクロウサマデシタ……。」と告げた。
不気味な程に無機質な言動と態度だ。
まるで死人の様な顔色のまま、熱い珈琲を3人に淹れ差し出す。
そして、「ワタシハキブンガスグレナイノデヤスミマス」と言い残し、スリープルームへ消えて行った。
A.Jは、立ち去るウクレレの後ろ姿を、目で追いながら、
珈琲を差し出された際に、彼女の"手の甲の火傷痕"を眼にし、
不審に思う。
胸騒ぎにも似た違和感も感じ、呼び止めようとするが、
(疲れているのだろう、後にしよう。)と、心の中に、留めておいた。
そして、
船内に煙の様なモヤがかかっているような気がしていた。
(疲れているのか?)自問自答して、瞼に指を当て両手で顔を覆う様に、テーブルに肘をつき、俯く様に下を向き、しばし考え事をしていた……。
スターは、ウクレレに「ありがとう!」と一言、お礼を言うと一口飲む。
それから、
「んーー、美味しい!」と感想を述べながら、カップを持ったままキッチンに向かった。
冷蔵庫からワインを取り出し、冷凍庫から挽肉。
棚からミートソース缶を取り出すのが見えた。
A・J「……パスタかな?楽しみだ……ズズーー」
猫舌のA・Jは冷ましながら、椅子に腰掛け珈琲を飲む。
リンクスは、出された珈琲に目もくれず、シャワー室に向かう。
色白で汗をめったにかかないスターに対して、新陳代謝が良過ぎて、多汗症のリンクスは自分の汗の量と体臭を気にしていた。
しかし、性格はガサツな為、衣類は歩きながら脱ぎ捨てていく。
リンクスは、スターとA・Jだけには、裸を見られても平気な様子だ。
A・Jに関して言えば、過去に一度"あられもない姿"を披露している。
※"あられもない姿"の詳細が気になる方は、第1章 モスマン編 part 2を参照下さい。
しかし、A・Jは何かが引っかかっていた。
船内には、妙なお香が焚かれていたからだ。
うっすらとかかったモヤの正体はこれだ。
それに、微かに血の臭いがする!
この、お香はその臭いを誤魔化す為か!?
そして、
あの臆病者のスネークがわざわざ死体を埋葬する為に外に出向いて行くだろうか!?
次の瞬間、ピリッと舌に痺れを感じたA・J。
身体の力が抜け床に、ゆっくり倒れこみ這いつくばる。
意識が朦朧とする中、スターの方を向き呼びかけようとするが、
既に、スターはガスコンロを不完全燃焼にしたまま、床に崩れ落ちていた。
A・J(なんで、IHじゃなくてガスコンロ何だ!?)
そう、ガスコンロや冷蔵庫、及び食材は、魔界に向かう前にデストロが闇市で購入していた物だ。ティラミスもしかり。
無法者のデストロが素直に任務だけを遂行する訳がない。
寄り道はお手の物だ!
それに、船内の食糧は携帯食のみだ。
グルメなデストロは、味気ない携帯食よりも手料理を好む。
話しを戻そう。
作者が、くだらない説明をしている間にも、A・Jは黙々と匍匐前進で確実に進み、吹き出すガスコンロを止めた。
途中、スターの安否を確かめる余裕を見せながら……。
カチッ
A・J「ふーーぅ なんとか"ガス爆発"は、回避できた……、まずい!リンクスが危ない!」
"フンフン"と鼻歌を唄いながらシャワーを浴びるリンクスに、不気味な影が迫る!………つづく
次回【戦慄の母艦……その2】どうぞお楽しみにw