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Re: 零fighter山鷹隊【参照3000超え大感謝!】 ( No.106 )
日時: 2017/06/29 23:21
名前: ワタル (ID: vlOajkQO)


【全てが変わる時。】


ゾーンは、メッセンジャーバッグを、投げ捨て、クリスタルを握りしめ走った!

頭上を見上げると、一箇所だけ氷の氷壁に包まれた部屋が見えた。

ゾーン「あそこだけ、何で氷ついているんだ?」

ゾーンは、胸騒ぎと共に、向かうべき目的地を確信した!

足元は、まるでアイスリンク、滑って転ばぬように、壁伝いに器用に走る!


内部に入ると、天井は高く何処までも吹き抜けが続く。

そして、
三方に、階段が見える。

中央は、地下へと続く階段。

残りは、左右に登り階段が見える。

どうやら敵の気配はない。

ゾーンは、目指す氷壁の部屋に向かうべく右手の階段を選んだ。


息を弾ませ、階段をひた走る。
城の内部には氷の床はない。
だが、冷たい雰囲気を醸し出している。

やがて目的の階に辿り着く。

そこに黒い塊が、横たわる。

慌てて、身を潜め銃を構えるが、どうやらソレは、何かの屍の様だ。

ゾーン「フーーッ 脅かせやがる……。」

まるで人型のネコ科の動物。
黒豹の様な風貌。
眼には細かい毒矢が刺さる。
すでに、その屍の目の周りはただれ、毒に侵されていた。
さらに、
腹部には、ボウリングの球程の大きな風穴が空いていた。

そして、
目の前には、開け放たれた扉がある。

覗いてみると、見事に緻密な氷の造形が立ち並ぶ。

三体の人型の、鬼気迫る氷の彫刻。

まるで本物の人間が、恐怖に慄いた末に、氷つかされたようにも見える……。

ゾーン「これは……、この形相……、これは彫刻なんかじゃない!紛れもなく人間だ! !」

驚き、

後ずさり……、つまづき転び、尻餅をつくゾーン。


ゾーン「こ、こ、こんな事って……、一体彼らは、どんな攻撃を受けたと言うんだ!……。」

ボーイッシュな、女性の手には、何かが握られていたような形跡がある……。

だが、今は、
その手には何もない。


ピシャーーン


ピシャーーン


すると、何かを弾く様な、微かな音がする。


ゾーン「……おや?なんの音だ?」


別の部屋からか?
しなり弾く様な音が聞こえてきた……。

ゾーンは、神妙な顔で、
クリスタルを懐にしまうと、素早く、リボルバー銃を二挺抜き、
音の正体を確かめるべく、慎重に進む……。

その音を頼りに、歩くと、
鍵のかかった無骨な扉の、部屋に辿りついた。

その扉に、耳を当て聞き耳を立てる……。

ピシャーーン!!

「ぐわぁ!」

「さあ!さっさと吐いて楽におなり!! コレの使い道はなんだ!?」

ピシャーーーン!!

「ぐはぉ!……知らない……、私は……何も、
知らさ(パシン!!※ビンタ)くふぅう……、知らされてなんか……、
いないのだ……ハァハァ……ハッ!(ピュフッ!)」

……。

どうやら、中で誰かが何者かに尋問を受けているらしい……。

ゾーンは、ソーッと中腰になると、鍵穴の隙間から中を覗いてみた。

確かに人の気配はあるのだが、
テーブルの上に大事そうに置かれた、大きな水晶が邪魔をして、肝心な部分を遮っている。

ゾーン(くそ!あの丸い置物のせいで、何も見えないじゃないか!?)

すると、その水晶に何かが浮かび上がる……。

ボヤッとした人影が映る……。

やがて色鮮やかに鮮明に映る……。

対峙して、睨み合う2人の女性……。

ゾーン(何だ?アレは!水晶玉か? 何か浮かび上がって来たぞ!こ、これは!?)


ゾーンが、眼にした姿は、女将校ヴァルキリー……。

そして、
対峙するのは、氷の女王ゴーストマンモス!!


水晶の中の映像で、双方が同時に攻撃を仕掛ける!!

ぶつかり合い火花を散らす!

次の瞬間!!

水晶にヒビが入り、木っ端微塵に砕け散った!


すると、見るも悍ましい醜態の豚の様な化け物と、目を覆いたくなるくらいに痛めつけられた男が眼に入る!
化け物の手には、もう一つのクリスタルが握られていた。

どうやら、クリスタルの使い道について尋問を受けているらしい!

と、その時、
懐にしまっていたクリスタルが、スルリと抜け落ちる感覚がした!

クリスタルを落とすまいと、
慌てて受け止めるゾーン。

ガタッ!

思わず物音を立ててしまった!

化け物は、物音がしたコチラに振り向いた!!

「そこに居るのは誰だ!!」

ゾーン(まずい!見つかった!)

……つづく。


次回 【命運を賭ける最期の瞬間】乞うご期待。