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- Re: 零fighter山鷹隊【参照4000突破!超絶!感謝感激雨嵐!】 ( No.110 )
- 日時: 2018/03/23 19:26
- 名前: ワタル (ID: q6B8cvef)
- 参照: http:
【最期の戦い】
ここは、魔城。
ロギアンヌ大陸の最北端である。
決戦は、今まさに、終焉を迎えていた。
大陸の大半は暗黒雲に覆われ、経済は破綻し、激しい貧富の差を生んだ。
貧しいかろうが、富豪であろうが、心に闇を持つ者は、
悪魔に魅入られ、狂気となり、暴徒と化す。
されど、
正義の使司は各地に点在し、希望を捨てはしない。
絶望の中でさえ、懸命に生き抜くのだ。
光と闇の戦いは続く……。
こうして、
最終決戦は、悪魔の女王ゴーストマンモスと、
正規軍最高司令官、女将校ヴァルキリー双方の死をもって幕を閉じたか……。
まるで、
氷の彫刻の様な人型の像の前で、うなだれているのは、
二挺拳銃使い〈ファイヤーボール〉の異名を持つ、
女トレジャーハンター、シラヌイ・ユーイである。
今は、
氷漬けにされた忍者マスター・ヨシュアの率いる、
国連最高機密ダラスの超極秘特殊部隊〈零fighter山鷹隊〉の生き残りでもある。
ユーイは、涙枯れるまで泣いた……。
ユーイ「……。」
ユーイは冷たいタイル張りの床の上で、
無言のまま、
膝まずき、特殊なグローブを装着した両手を、
ゆっくりと、
念を込める様にして、左右に水平に伸ばす。
すると、
ビビビッと、電磁波のノイズと、眩ゆいスパークと共に、
無限弾超電磁ハンドガン〈ニトロカノン〉が二挺。
左右それぞれの手に吸い付いた!!
ユーイ「一瞬だけ見えた……、私が襲われる瞬間、敵の顔が。」
振り向かず、ボソリと呟きユーイは、走り出した!
一度火がつけば周りが見えない、ファイヤーボール。
隣で咳き込み、復活の歓喜に沸く男の事など知った事ではない。
1人その場に残されたのは、
氷漬けから解放されたばかりの、モンスターハンター・ガンドラゴン。
ガンドラゴンの左手にはめた、リングの宝石はエメラルドグリーンに輝いていた。
ガンドラゴン「こ、これは!?」
そう、
そのリングは魔法の指輪、魔物が近づけば漆黒の黒に、
魔が強大であればあるほど色濃く深い色に変わる。
悪しき心の人間と出逢えば灰色に、
そして、
エルフなどのサモナーやソーサラーの攻撃に対しては赤く煌めき、全ての魔法攻撃を無効化にする。
そして、エメラルドグリーンに変わる時、それはゴーストマンモスの死を意味するものであった!
さらに、その指輪には禁断の魔法が込められている。
そのエメラルドグリーンの輝きが灯りつずけるのは一年間。
その間、死者を蘇らせる事ができる。
何度でもだ。
だが、
その禁断の魔法を使用すれば、心は闇に支配され、
そのまま屍人使い、すなわちネクロマンサーとなる。
それは、一度使用する事で、脳は侵されるという。
中毒性があり、何度も死者を蘇らせる行為を、
繰り返さずにはいられないらしい……。
ガンドラゴン「まさか!?誰がゴーストマンモスを、討ち取ったというのだ!?……メアリー!?メアリーは何処だ!?これで生き返る!これで生き返る!メアリー!メアリー!」
ガンドラゴンは、過去にメアリーという血の繋がりのない歳の離れた妹がいた。
美しい少女メアリーは、
魔界の四天王の1人、両性具有の美の化身、パペットマスター・ギルに魅入られ、生きたまま蝋人形にされた挙句、呪いの魔術で、球体関節人形へと姿を変えられたのだ。
ガンドラゴンは、知っていた。
魔城には二対の塔がある。
その最上部はエリートクラスの魔物のみが所有する。
一方は無論、ゴーストマンモス。
そして、
もう、一方は、王座をも脅かす実力を備えた、先程紹介した両性具有の美の化身、パペットマスター・ギルの間だ!
今いるヨシュアの彫刻のあるこの部屋は、まさに二対の塔のうちの一つ、ゴーストマンモスの間だ!
では、
向かいにそびえる塔がギルの間だとするならば、ミフネ達は最上部の何処を目指しているのか!?
その頃、
螺旋状の階段を登り詰めたミフネと、デストロ。
デストロ「アニキ!見るからにここの扉が最期だ!2人だけで勝てる気がしねーが、行くかい!?」
強敵を前にいつもは強気のデストロの腰が引けている。
ジャマダハルを構える利き腕も少しばかり頼りない。
そして、
目の前に列車が通るトンネル位の高さの、馬鹿でかい観音開きの扉が立ちはだかった!
その馬鹿でかい扉は、不気味で怪しい装飾が施された木製の扉だ。
ミフネ「うるせー!勝つ事だけ考えろ!行くぞ!閻魔裁き!!」
ドガッシャーーーーーーーン!!!!
デストロ「ウッヒョー!何ちゅう破壊力!」
大きな扉は、凄まじい衝撃と轟音とともに木っ端微塵に跡形も無く消滅した!
モクモクと粉塵だけが辺り一面に広がる。
ミフネは煙を吸いまいと、腕で口を覆いながら、素早く移動する!
ミフネ「デストロ!散れ!おれはこっちから行く!おまえは向こうから挟み撃ちだ!」
デストロ「ちょっと待ってくれ!全然前が見えねー!それにこっちとか向こうとか言われても、全くわかんねーでしょうがよー!」
ミフネ(壁伝いに反時計回りだ!モタモタしてると狙われるぞ!!)
口を腕で覆いながらモゴモゴと叫ぶミフネ。
デストロ「えー!?なんだって!?モゴモゴ聞こえねーよ!……って、ブワッつ!なんかいる!?ぶつかった!……ゲーーーー!なんだこいつら!!」
ミフネ「どうしたデストロ!くそ!このモクモクで、全然!前が見えん!」
デストロ「って原因作ったのアンタでしょうーが!このモクモク!……こいつらなんなだ!やべーぞアニキ!囲まれた!」
ミフネ「向こうはなんかヤバそうだな……、デストロ心配は要らんぞ!仇は必ず俺がとる!それに安心しろ!そのスーツ!防御力最強じゃないか!!」
そう言いながら、ミフネは身を潜めている後ろの壁に、無数に飾られた見覚えのある美しい人形の数々にこの部屋の主を"まさか?"と思い浮かべた。
そう……。
そこは、パペットマスター・ギルの間である。
主であるギルはというと、先の戦いで、とうの昔に絶命してはいるのだが……。
しかし、
ミフネ達はまだ気づいてはいないが、
ギルのペットでもある番犬とでも言おうか?
〈ブラックドラゴン〉がこの間にいる。
それは、
今まさに眠りから目覚め、
粉塵の立ち込める中、
機嫌悪そうに、鼻息を荒げる……。
そして、気がかりな事が一つ。
では、ヴァルキリーはどこでゴーストマンモスと戦っていたのであろうか?
それは最上階でもなければ、屋上でもない。
そう、
唯一だれも探索してはいない盲点!!
魔城の奥深く!
地下だったのだ!!
だが、そこは……、
すでに水の中……。
悪魔の椅子から生えた〈つぼみ〉からは、
ボコボコと空気の泡が立つ。
その中では、
生命が息吹、
生まれたての姿で、鼓動を続ける……。
そして、
朽ちたゴーストマンモスは、盲目な謎の深海魚の餌となった……。
さて、
場面を戻そう。
塔を下るユーイの姿。
ユーイ「なんなのこれは!?」
ユーイの目の前に広がる水浸しの光景。
膝下まで水に浸かり、歩くたびに、さざ波が打つ。
そこへ、謎の球体が押し上げられてきた。
ユーイ「なんなの!?あれは!」
警戒するユーイの後ろから、聞き覚えのある声が女性の名前を呼ぶ。
それはユーイの名を呼ぶ声ではなく……メアリーと叫ぶ。
ガンドラゴン「メアリー!メアリー!」
謎の鉄球を警戒して、ニトロカノンを構えるユーイを、他所にその脇を走り行くガンドラゴン。
ユーイ「貴方ガンドラゴン!!気は確か!?その物体は何!?敵かもしれないわよ!」
ガンドラゴン「ええーい、こんな鉄の塊がどうした!もう全て終わったんだよぅ!!」
ガンドラゴンは、
謎の鉄球を狙いワイヤーガンを構える。
走り抜け様に至近距離から浴びせて見せた。
ゴインと鈍い音を立て、鉄球に弾かれると水に落ちるワイヤーガンの先端。
ガンドラゴン「ユーイ殿!もう決着はついたのだよ!私は私の使命を遂行するのみだ!アディゥーー!!(さらば)はっはっはー!……メアリー!メアリー!」
ガンドラゴンは、あっけに取られるユーイに、
振り向き、キザっぽく挨拶をすると華麗にマントを翻し、ワイヤーガンを収納すると対面の塔に向かって行く。
ユーイ「……、何?言ってんの?あの人。」
目をパチクリと瞬きを繰り返すユーイ。
銃を構えながら恐る恐る鉄球に近づいた。
耳を済ますと何やら騒々しい会話が、その鉄球の内部から、微かに聞こえる。
ユーイ「え?空耳?なんか聞こえる……。」
鉄球に耳を押し当てるユーイ。
ユーイ「んー、なんか騒いでる感じだけど……、」
どうやら、内部で事件が起きている様子だ。
断片てきに、時折、誰かの名前を叫ぶ声が聞こえる。
ユーイ「ジェイ?だれかの名前を呼ぶ女の声がするわね……、」
やがて耳を済ますユーイに、ハッキリと聞こえた!
その名は……、
ユーイ「エージェイ!?」
聞こえてきたその名は、
エージェイ、
そう、我らがアタッカ・ジョー。
A・Jである!
鉄球の内部では、事件が起きていた。
中にいるのは男女合わせて4名。
そう、
俊速のスナイパー、孤高の女豹シューティング・スター。
ワイルドモンキー、気高き戦闘民族リンクス。
正義の象徴、レンジャー、ゾーン。
物語のスパイス、バイプレイヤー、ジョシュ。
※バイプレイヤーとは、名脇役の事である。
そこに、A・Jの姿は無い。
皆が囲み、叫ぶその先にあるのは、気絶したゾーンの首から下がる鏡のペンダント。
ちなみにジョシュも気絶したままである。
その鏡の中に、A・Jはいた。
凄まじい死闘を繰り返す。
対するは、
魔界の四天王の1人。
出会ったら最期。
その執着、付き纏い、まさに死神。
最凶戦士、鏡のジョニーだ!
突如、ゾーンの首飾りの鏡から顔を覗かせたのだ!
ジョニーの魔力〈果たし状〉を喰らったA・Jが、鏡の世界に引きづり込まれたのだ!
ただし、この魔力は、魔法の指輪を持つガンドラゴンには通用しない。
この鏡の中の世界から出るには、デュエル(決闘)に勝利しなくてはならない。
鏡を外部から割っても無駄。
別の鏡へと移動する。
ジョニーにとって、この世の鏡全てが、移動手段であるのだから。
ジョニー「気に入ったかい?この世界、ここではオレの思考が具現化する。おまえ達の世界で言う所のVRみたいなもんだ、だが、全てがリアルだけどな……、俺が屈めば……、」
※VRとは、勤勉な読者の皆様ならご存知の通り、バーチャルリアリティー(仮想現実)である。
言いながらジョニーが座る仕草をすると、ふかふかのソファーが現れて空中に倒れこむジョニーの体を包む。
ジョニー「あーん……、モグモグモグ」
さらに、
ジョニーが、
口を開けると、地面からツタが生え、葡萄の実がなりぶら下がる。
見上げて、パチンと指を鳴らすと、
葡萄は一粒溢れ、ジョニーの口元に運ばれる。
その種を口の中でモゴモゴと、動かしおもむろに取り出したかと思えば、すでに弾丸に変わっている。
それをリボルバー銃に次々と込めると、闇雲に打ちまくる。
ジョニー「隠れてないで出て来いよ、A・J!デュエル(決闘)しようぜ!」
バン!
バン!バン!
ジョニー「カーッハッハ!」
高笑いをするジョニー。
銃のトリガーを引く気配を感じ、とっさに身をを交わす!
閃光がジョニーの頬をかすめた!
A・Jの放った弾丸は、狙いこそ正確であったが、それを上回るジョニーの身体能力!
とっさに、狙われたであろう弾道上に向き直り、リボルバーを連射し、応戦するジョニー。
だが、
すでにその弾道上には、A・Jの姿は無い。
ジョニー「チッ!なかなかやるな!」
A・J「お前もな!」
A・Jの放った弾丸のかすめた頬の傷から滴る黒い血。
地面に落ちた。
その射撃の反応のセンスに嫉妬したジョニーは怒りを覚える。
何故なら、ジョニーは、鏡の外で人や動物に憑依した戦いで怪我を負う事はあっても、
この鏡の世界のデュエルにおいては、怪我など無縁。
今日のこの日まで、かすり傷一つ作った事は、一度たりともないのだから。
例えば、
憑依した戦いである場合、
その者(母体)の能力が反映する為、身体能力が低い場合、ジョニーの感が冴えていても、
母体の反応が僅かに遅れるのだ。弱ければ死亡する。
だが、ジョニーは死なない。また別の者に憑依するか、鏡の世界に逃げる事が出来るのだから。
そして、現実世界で憑依された者は、〈気でも狂った〉として片付けられる。
そして、
ジョニーの放った流れ弾は、A・Jをとらえた。
微量だが、肩をえぐっていた。
A・J「くそ!負傷した! なんて奴だ!?まるでマトリックスだな!?……それに、もうすぐ4000文字だ、……ハアハア、このまま勝負は次週に持ち越しだな!鏡のジョニー!!」
ジョニー「今ので死ななかったのは、A・J!お前が初めてだ!敬意を評す……。何?もうすでに4000文字オーバーだと?カハハハ!安心しろ!しばらく作者が更新しない間に、一話毎に7000文字まで書ける事になったらしい!」
A・J「何ぃぃ!?どうりで話が進まないわけだ!作者でさえ、この展開もよそうだにしてなかったからな!」
と、いうやり取りがあったかどうかは、定かでは無いが、死闘は続く……。
そんな中、ミフネ達はと言うと……、
粉塵が晴れ、現れでた黒い鋼のウロコを持つ魔竜ブラック・ドラゴンの前に為すすべがない!
デストロは、パペット・モンスターの群れに襲われる!それらは、まるでチャッキーの様な顔だ!
サイズ感も!動きも!凶器も!超キモ!yoーチェケラッチョ!
剣豪ミフネも所詮、人、伝説の勇者でもない限りコイツを倒せる筈も無ければ、その弱点すら知る由もない……。
そう……、
この手の怪物は……、
天より選ばれし神の子が、世界のどこかに眠る〈伝説の槍〉を用いて、唯一柔らかい首のどこか?急所である一点を見つけ、狙い定め、留めを刺すものだ!!
しかも、その弱点を教えてくれるのも絶滅寸前か何かの種族であって、それは美しい容姿の妖精であり、物語の冒頭で一瞬現れ、その時はイタズラばっかりして、気にもとめられず、最後の方で重役という事に気づき、いつしか信頼関係を築き、旅のお供していなければならないに決まっている!!
そして、
無骨だが、情が熱い相棒が主人公をかばって途中で死んだり、キザな口だけ野郎(女でも可)がやっぱり最後に裏切ったり、ずっと少年だと思ってた薄汚い盗賊団の下っ端から仲間に加入したのが、クライマックスの最終戦で実はハスキーボイスの少女だった事が判明したり、さらに成長したら、めっちゃグラマラスな美人でした的な事を経て、ハッピーエンドを迎えるはずでした。(作文)
なので、ミフネはブラック・ドラゴンの強烈なシッポパンチを喰らい四角い窓から、転落するのです!
が、しかし!
どこからか天翔ける天馬ならぬ、女狐が空を駆け走り、そのモフモフの尻尾でミフネを包んで消え去ります!
ミフネは、そのまま何処かへと姿を眩ませました。
デストロ「アニキィー!キィー……、キィー……。」(自分でエコーをかけるデストロ)
やんややんやと、チャッキー軍団と奮闘するデストロ。
そこへ、疾風の如く現れた影の主役こと、ガンドラゴン!
身につけた指輪から発する不思議な光で、魔竜を手懐けると、傍らに美少女の人形を抱き抱え、魔竜を操り壁を破壊したかと思うと、颯爽と大空へ羽ばたく!
そこは、すでに、
魔界の空ではない!
暗黒雲は、まるで、もがく様に収縮していく。
ガンドラゴン「アディオス!!(さらば)」
一言だけ言い放ち、ガンドラゴンは、
眩いサンピラー(太陽柱)の降り注ぐ中、
旅立った。
そして、
黒い鉄球からようやく脱出したスター達と再開するユーイ。
水面を走る鮫の背びれが迫り来る!!
……つづく!!
次回 零fighter山鷹隊 最終回!! 【それぞれの結末、新たなる冒険の始まり】どうぞお楽しみに!