コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 零fighter山鷹隊 ( No.16 )
- 日時: 2015/06/14 18:21
- 名前: ワタル (ID: 0otapX/G)
【爆裂娘リンクスvs零fighterジョシュ!?】
東に続く道は、行き止まりの終着点。
デス・プリズンがある。
一通り、雑務を終え帰路に向かう、女森林警備隊2名。
そこへ不審なサニトラがやってきた!
S・S『さて スコットの状況が気になるから戻るよ!リンクス』
ジープに乗り込み、エンジンをかけるS・Sには見えていないようだ。
リンクス『ちょっと 待って なんか来た』
リンクスの指差す方に、怪しげな人物。
S・S『何?』
リンクス『あれは…!?零fighter!!』
双眼鏡にハッキリと鷹の紋章!
黒塗りのヘルメットに、後頭部には零の文字!零fighter山鷹隊である!
リンクス『たった一人で現れるとは!ウチも舐められたものね!』
※リンクスは自分の事を"ウチ"というらしい。
リンクスはバズーカ砲をぶっぱなす!!
ドゴォン!
宣戦布告である!
助手席でシートベルトしたまま横向きで、撃った為。
ジープの片輪が少し浮き上がる!
S・Sのパーマのかかったロングヘアが風圧をまともに受ける。
S・Sは耳がキーンと鳴り、顔はスス(炭)まみれだ。
リンクスは用意周到だ。
ちゃっかりヘッドホン(ヘッドギア)を装備している。
※因みにバズーカは、故:看守長アギレラの物である…。
砲弾はサニトラのタイヤに直撃!
ジョシュは何が何だか解らず、飛び出して逃げ去る!武器を忘れて丸腰だ!
リンクス『逃がすかって!』
リンクスの通常使用武器は、P90だ。人間工学に基づいて作られた極めて取り回しの良い短機関銃だ。
しかしリンクスは、
P90を今回使用せず、得意の鎖鎌と狩り用のブーメランを手に取り後を追った!
S・Sはバズーカの衝撃で軽くピヨってる。
目の辺りで星がチカチカしていた。
森に逃げようと走るジョシュ。
追うリンクス。
ジョシュ『一体なんなんだよ!?』
幼い頃から狩りが得意のリンクスは身体能力が、ズバ抜けていた。
小柄な身体に似合わず脚が猛烈に速い!
すぐに追いつくリンクス!
ジョシュはリンクスの射程距離に入った!
リンクス『ロックオン!ダブル!ブーメラン!!』
掛け声と共に、2本のサイズの異なるブーメランをジョシュめがけ放つ!
ジョシュは走りながら足元に飛んできた小さなブーメランをジャンプして避けた!
ジョシュ『よっと 』
うまくかわす。小さなブーメランは回転が速い。
大きなブーメランはゆっくり回転しながら、ジョシュの頭を狙って飛んできた。
ジョシュはクビを傾げてコレもかわした!
ジョシュ『へへん!』得意顔だ!
と思ったのも束の間。
足元めがけ飛んだ小さなブーメランは、垂直に縦方向にコンパクトな弧を描き、下から空間をえぐるようにジョシュのボディにヒットした!
ジョシュ『ぶべっ!ら!』
不意を突かれ悶絶
そして大きなブーメランもまた、大きな弧を描いたかと思うと、
突然スピードを上げて戻ってくる!
まるで意思をもっているかのように!ターゲットをとらえる!
脳天直下!直撃!!
ジョシュ『あべし!』
まるで"北◯の拳"のようなリアクションである。
ボディのダメージは大きいが、頭への衝撃は意外にも少ない。
ヘルメットの性能の良さを物語る。
ジョシュ『く、くそ~ 悪魔め 負けてたまるか…ハァハァ……ブー◯ー教を崇拝する…く…(痛い)……悪魔…教団め…ベイハムさんの言う通り…東は…悪魔の巣窟だ…ハァハァ…』
※注:ジョシュのいつもの妄想である。
リンクス『何をブツブツいってんの!?大人しくお縄を頂戴しな!』
リンクスは鎖鎌の分銅を振り回す!
ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン!
ジョシュ『へ ………そんな時代遅れの武器で………笑わせる!』
ジョシュはすかさず、腰のホルスターに手を伸ばしスコーピオンを撃ちまくる!
はずだった…。
ジョシュ『はへ!?ない?…忘れた!?』汗
ジョシュはそのままリンクスの手にかかり、御用となる。
S・Sも合流する。
いつも失敗を悔み屁理屈を言うジョシュ。
この時もスコーピオンがあれば、勝っていたと抜かすジョシュに、
負けず嫌いのリンクスは、
『あんたが銃を所持していたら、ウチかてとっくに、その息の根止めていた!』
と一喝する。
しょげ込み呟く。
ジョシュ『トホホ…』
ヘルメットを剥ぎ取られ、尋問を受けるジョシュ。
S・Sはすぐに零fighterの一員でないことに気付く。
なぜなら、S・Sはこの森林警備隊に配属される前に、
別のチームに属していて、零fighterとも戦った経験もあるからだ。
その時のチームの生き残りはS・Sただ一人だった。
S・Sは森育ちのリンクスと違い語学力もあり、教養もある。
ただ戦闘能力は、圧倒的にリンクスの方が上である。
キレたら敵わない事も知っている。
ただし、
狙撃の腕に感しては最強の呼び声の高いS・Sであった。
仮に
戦闘態勢の零fighterの一員と対峙していたら、
S・Sもリンクスもただでは済まないであろう。
中でも1番殺傷能力の低いとされる、"カムイ・リオ"でさえ、
ここにいるリンクスとほぼ同じ位の身体能力を持っている。
いや、
敏捷度で言えば、カムイの方が遥かに上である。
事実、
今ここでリンクスとカムイがやり合っていたら?
双方無事ではいられない。
その事をS・Sは知っていた……。
S・S達は『言いたいことなら ゆっくりと署で聴く…』と、
ジョシュを手錠に掛け連行する。
トホホ顔のジョシュ。
夕焼け空。
辺りは日が暮れはじめていた。
___余談だが、
デス・プリズンと森林警備隊の懇親会の席で、
看守長アギレラとリンクスが酔っ払って喧嘩をしたさいに、
リンクスがキレて、アギレラをボコボコにした事件がある。
※注:キレたら怖いリンクスなのです。
それ以来、交流はなく。
久々の再会はアギレラの屍である。
森林警備隊と看守員達は、お互い目的や思想が異なる為、
同じ組織にいながらも、互いの理解や歩み寄りなどもなかった。
また…
最高指導者のデリンジャー将軍も3つの顔をもつ。
1つ目は平和の主張。環境保全などを訴える…表の顔。
2つ目は真相は定かでは無いが、黒い噂のある…裏の顔。
そして…
誰も知らない…知る事もない…3つ目の顔…。
S・Sは長い間、疑問に思う節があった。
何故?
デリンジャー将軍は零fighterを捕らえようとするのか?
もしくは、零fighterが将軍の首を狙っているのか?
そして、夜にしか姿を現さない謎の側近スカルフェイス。
過去の零fighterとの戦いにも腑に落ちない点が幾つかある。
将軍の言う人斬りミフネにS・Sは斬られた時は、峰打ちであり気を失った程度ですんだ。
仲間の受けた銃弾なんかも、急所をハズしてあった。
決定的な致死原因となる傷は獣のような深い爪痕だった。
仲間の誰もが皆、
その爪の様なもので心臓をえぐり出されトドメを刺されていた。
零fighter=怪物と教え込まれてきた。
しかし…
今回の零fighterのプリズン襲撃及び、ミフネ脱走事件の殺しの仕方が、
怪物的というよりは人間的というか…明らかに別ものだった…。
様々な想いが交錯する…。
逃げないように手錠を掛けられ、後部座席に梱包して運ばれるジョシュ。
リンクスはP90を抱きながら助手席でスヤスヤと眠る。
サングラスをかけたS・Sはハンドルを片手に、
本部へ帰還するべくジープを、やや急ぎ気味に走らせる。
スコットから無線が入らない事と、
プリズン封鎖に思いのほか時間がかかった事に少し苛立ち、
それと同時に胸騒ぎを感じていた。
モヤモヤした想いで頭を掻くように髪をかきあげる。
風になびくブロンドの長い髪が夕焼け色に染まる…………つづく
次回 零fighter山鷹隊 【失われた村の姉妹】どうぞお楽しみに