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Re: 零fighter山鷹隊 ( No.20 )
日時: 2015/07/26 21:44
名前: ワタル (ID: VbQtwKsC)

【ベイハム討伐】


朝もやの中、装備を整えるジョシュとバリー。

使用武器は二人共、麻酔銃だ。

バリー『こいつは大型の猪でも1発で眠らせる事ができる 麻酔銃だ!相手が人間なら昏睡状態だ !下手すりゃ死ぬな…』

ジョシュ『へーすごいなー』

銃を受け取り構えるジョシュ。

バリー『くれぐれも我々に当てるなよ』

不安げに銃の取り扱いを指導するバリー。

そこへ"バリバリバリ"と空気を割るように乾いた排気音。

バリー『おいでなすった じゃじゃ馬娘が』

振り向くジョシュ。

オリーブドラブのビンテージハーレーに跨ったリンクスだ。
後ろにS・Sが乗っている。
何故かバズーカを持っている。

ドルン!

キキーー!

土ほこりをあげてとまった。
煙たがるバリー。
むせるジョシュ。

リンクス『お待たせ!』
S・S『ハーイ バリー相変わらず早起きね』
すらっとした長い脚が伸びる。

バリー『ああ おはよう 』

ジョシュ『ゴホッ ゴホッ』

S・Sとリンクスは本部から少し離れたログハウスにプライベートエリアがある。

作戦会議がてら軽く打ち合わせをする。
どうやらバズーカの弾は捕獲用のネット弾の様だ。

そしてジョシュが大型バイクの免許を持っており、乗りたがって仕方がないのでジョシュがバイクに乗り先導する事にした。

リンクスは少々不満があったが、チームリーダーであるS・Sの指示に従う。

バズーカを後部座席に積む。四人乗りのジープだ。

リンクスは愛用銃のP90を使用。

ジョシュはバイクに跨るとハイテンションだ!

リンクス『ちょっと!壊したら蜂の巣だからね!』

晒しを巻いた爆乳娘がP90を構えて、睨みを効かし指を差す。

ジョシュ『へーい』

空返事のジョシュ。

バリー『まあまあ 穏やかに行こうじゃないか』

ゆっくりとエンジンキーを回す。

リンクスはバリーの運転するジープの助手席に乗り込んだ。

バリーはアイコンタクトと身振り手振りでジョシュに出発を促した。

細身のタバコに火を付け見送るS・S。
バリーがこちらに振り向き手をあげる。

S・S『皆 !気をつけて!!無事で帰るのよ!』

それに応える様に手を伸ばしP90を高くかざすリンクス。

S・Sはジープが見えなくなるまで見送った。


林道を軽快に走り抜けるジョシュ。

やがて目印の大岩付近までたどり着いた。

バリーとの距離は空いてしまったが、大筋のルートは説明済みだ。

スピードを落とし減速するジョシュ。

ミラー越しにバリーのジープを確認すると、ジョシュは格好付けてトラクションをかけ、ややドリフト気味にカーブしていく。

※トラクション(駆動力)とは、この場合アクセルを吹かす事を意味する。
※ドリフトとは、後輪を滑らし方向を変える走り方である。

砂ぼこりが舞う。


バリー『ほう あの坊主 なかなかの腕じゃないか』
ジョシュの走りに感心するバリー。

リンクス『ふん たいした事ないわ』
リンクスは負けず嫌いだった。

バリー『あの大岩が目印と言ってたな』

しかし道らしきものは木々にはばまれていた。

リンクス『驚いた!こんな所に道があるなんて』
バリー『ああ!まったくだ』

大岩手前で停止するバリー。

それは、小型の車一台がやっと通れる程の狭い道であった。

バリー『枝が邪魔でこれ以上は進めんぞ』

躊躇するバリーを尻目にリンクスは何かを取り出した。

リンクス『スウォードッ!!ブゥーウ メラン!!』
振りかぶり、いったん溜めて(力)鉄のブーメランを投げるリンクス。

バリー『へ!?』

シュポポポポンッ!

フォン

フォン

フォン

ガキン!

刃物の付いた諸刃のブーメランを投げ、枝を斬り落とし、鉄のガントレットでソレを受け止めるリンクス。

バリー『おい!リンクス!危ないじゃないか!やるならやると一言いったらどうなんだ!?』

寿命が縮まると吠えるバリー。

リンクス『だから かけ声かけたでしょ?ソードブーメラン!って』笑

バリー『あのな〜』

何を言っても無駄だと思い頭を抱えるバリー33歳独身。

リンクスは23歳。

ジェネレーションギャップに悩むバリーであった。

そこへ先行していたジョシュが戻って来て一言。

ジョシュ『お前たちぃ〜 何をモタモタしている!ホシを逃してもいいのか!?』
※ホシとはこの場合、ターゲット、すなわちベイハムの事である。

ジョシュは得意顔だ。
一瞬キョトン顏のバリーとリンクス。

リンクス『お前が言うな!偉そうに!蜂の巣にしてやろうか!?』

P90を構えるリンクス。

バリー『まあまあ 落ち着け 落ち着け 銃を降ろせリンクス…あの野郎はオレがやる!』

ドン!

ジョシュのすぐ脇の大木に命中。

ビビるジョシュ。

バリー『感違いするなよ坊主!お前の役割は道案内だ!急にリーダー風吹かすなよ!』

強面のバリーがドスの効いた声でジョシュを一喝!

すぐに大人しくなるジョシュであった。

そして何故だかバイクを降ろされジープに乗せられるジョシュ。
オリーブドラブのビンテージハーレーにはリンクスが跨った。

と、その瞬間

S・Sから無線が入る。

内容はこうだ。

村からひっきりなしにSOSのモールス信号が送られてくるらしい。
そしてコチラからの無線は妨害電波により、村へは届かないという。

バリー『どうする?リンクス?原因はまだわからんが ベイハムのアジトはすぐそばだ』

リンクス『SOSってトコが気になるわね…よし!ウチは戻ってS・Sと原因を突き止めてくるわ!あとヨロシク』

そういうと無線で本部に戻る事を告げる。
そしてその場を立ち去った。

人狼相手なら危険な任務だが、昼間のベイハム相手ならバリーがいれば勝てるとリンクスは確信した。
それに、
あくまで容疑がかけられているだけでベイハムが人狼とは限らない。
そうも思っていた。
そもそもリンクスはジョシュの話を全てまでは信じていなかった。
骨折り損の可能性も無いとも言えないと感じていた。

バリー『ここまで来たんだ 我々だけでも行くぞ!』

ジョシュ『はい 十分2人で勝てますよ あんなのただのオッサンだし』
オッサンとはベイハムの事である。
いないところでは無敵官軍のジョシュであった。

ジョシュ『バズーカ使ってみたかったんだよな〜』

独り言を話しながら後部座席を覗くジョシュ。
しかし、そこにあったハズのはバズーカは忽然と消えていた。

バリー『そうだそうだ バズーカならさっきリンクスが背中に背負っていったぞ』笑

ジョシュ『あれま』

驚き顔のジョシュ。

そうこうしていると目的地に到着した。

ジョシュ『よし ここだな』
バリー『ここか!?坊主 準備はいいか?一気に行くぞ!強行突破だ!』

猟銃を構え走り出す。

物陰に隠れながら建物に近づく。

小屋の手前に井戸がある。

ジョシュはそこまで行き身を潜める。

その間に別の方向から詰め寄るバリー。
そのまま、
玄関の前に辿り付き聞き耳をたてる。

が…
何も聴こえない。

頬に汗が滴る。
しばらくして、
バリーはジョシュに首を傾げ"来い"と合図を送る。

井戸にいたジョシュも窓ガラスから見えないように、かがみながら近づく。

2人揃ったところで、一気に突入!!

ドアを蹴破る!

バン!

何かに反応して発砲するジョシュ。

壁にかけられた熊の毛皮だった。

バリー『警告なしにいきなり撃つな…』

ジョシュに目を配りながら、会話を続ける。

バリー『我々は森林警備隊だ!いるなら出て来い!』

ジョシュは実戦慣れしていない為、焦り興奮していた。

しかし

そこにはベイハムの姿はなかった。

ジョシュはある事を思い出した。

そして釣り竿を探す。

ない。

いやある。

ジョシュの釣り竿は置いてあるが、ベイハムの釣り道具がない。

ジョシュ『川だ!川に釣りに行ったに違いない!』

バリーはジョシュの話を聞き、川へは行かず近くで身を隠し帰宅を待つことにした。
言わば張込みだ。

ジープを小屋から離れた場所に隠した。

そして茂みに身を潜めた。

バリーとジョシュは、監視しながら小屋で見つけたパンをかじり、瓶に入ったミルクを飲む。

これから静かな持久戦が始まる……………………つづく。



次回 【大乱戦】どうぞお楽しみにw