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Re: 零fighter山鷹隊 ( No.21 )
日時: 2015/08/07 17:43
名前: ワタル (ID: wIAOO7NO)

【大乱戦】

ジョシュとバリーが張り込みする中、一方村では…森から帰還するA・J達。

ナックルは歩き疲れ倒れこむ。
倒れた物音に振り返り、駆け寄るマービン。
最後尾を歩くA・Jも慌てて、手を差し伸べ異変に気づく、何か粉の様な物が手についた。

A・J『これは…鱗粉!?』

それは、まるで蛾が羽ばたく時に舞う鱗粉のようだった。

マービンはナックルを背負い歩く。
まもなくして、村に辿り着く。

しかし
村からは、悲鳴と怒号。
身の毛もよだつ、カン高い奇声!!
先頭を歩くマービンの眼に、その甲高い声の主が映る!

マービン『ハーピーだ!!』

マービンはまるで、デジャブ体験をした気分だった。
以前にも経験したかのような恐怖を覚えた。
そこには
メスのハーピーが2匹。

モスマンのハーレムからはぐれた、はぐれハーピーとも言うべきか?
少なくともここにいる者達には、教会の出来事など知る由も無い。

2匹のハーピーは、上空で村人を1人捉え、何やら弄んでいる…。

村のレンジャー部隊も応戦するが、ハーピーの動きが読めず当たらない。
悲鳴をあげていた村人達は家に閉じこもり、鍵をかける。
マービンはナックルを背負ったまま、ハンドガンを発砲した。

A・J『ムダだ!距離が有り過ぎる!』

マービン『そんな事はわかってる!クッソー!化物め!』

既に、マービンは冷静さを失なっていた。
と、その時、
渇いた空気を割るような排気音。

バリバリバリ!!

鉄の馬を駆る爆乳娘!リンクスだ!
その背後にシューティング・スター!!※以下S・S
ハーピーに捕まった、村人を撃つ。

パシュッ!

哀れハーピーに捕らわれた男は、上空でグッタリとなる。

A・J『何を!!正気か!?』
するとすかさず口を挟むリンクス。

リンクス『どのみち あの男は助からない! これ以上 苦しまなくて済むでしょ!?…辛い事だけど…』

男は空中で放り出され小屋にワンバウンドして、地面に落ちた。
A・Jは舌打ちをすると、落ちた男の方へ走る。

ハーピー共は、愉しみを奪われたせいで、怒り狂って奇声をあげる!

プギイィィィィィ!!

プシィヤァァァア!!

2匹のハーピーはキリモミ飛行で急降下、標的をS・S達に切り変える。

リンクス『来た来た来たー!いっくよー! 掴まって!スター!!』
※スターとは、シューティング・スターの呼び名である。

S・S『オッケー!リンクス!』

見事なハンドルさばきと、アクセルワークでバイクは小回りに急旋回、前輪を浮かして一度ウィリーすると爆走!村の奥へと走る!
2匹のハーピーがジグザグに飛行しながら追ってくる!!

マービンはナックルを地面に降ろすと、すかさず落ちた男の側へ駆け寄る
マービン『トップソォーン! ジャァーンン!担架だぁ!』
トップソンとジャンは息を切らせながら駆けつけた。
先程までハーピーと応戦し村を守っていた。


A・Jは墜落した男に駆け寄ったが、施す術はなかった。
ハーピーに弄ばれたのだろうか?靴下以外の衣類は何一つ身につけていない。
身体に無数の引っ掻き傷や、擦り傷、噛まれた跡もある。
足には途中で切れた麻縄が縛り付けてある。
背中には引きずり廻されたような跡…惨忍さを物語る。

マービン『こりゃー助からんな…おや?こいつは サムじゃねーか!?』

話によると女に対して見境のない酒屋の"ハン・サム"という名前の男らしい。
昼夜問わず、四六時中酒を煽るアル中だ。
夢の中で生きている様な、哀れだが陽気な男だった。

マービン『こいつは気の毒だ スターの元カレだ!と言っても3年も前の話しだがな…しかしクセェなぁ 尿まみれじゃねぇか…』

(あんたもだろ?)心の中で呟くA・Jであった。

A・J『彼女は サムとわかって撃ったのだろうか?』

マービン『さあな…深く詮索しないこったな…… 誰しも踏み入れて欲しくない心の領域ってもんがあるだろう?』

A・J『わかってますよ …そのくらい…』

マービン『おいおい 怒るなよ (汗)ところで ドミニクはどこへ行った?』

ジャン『えーと…自分は仮眠をとっていたので…』

トップソン『あ! そういえば! 化物の第一発見者のくせに 一目散に逃げ出しましたよ!』

マービン『また逃げたか (笑)』

あいつは子供の頃から逃げ足だけは早いと、罵った。
そして、ゲッソリしたナックルにジャンとトップソンは心配した。

一行は、ハーピーの始末は森林警備隊"最強コンビ"のスターとリンクスに委ねる事にした。
そして
村の医者である、女医のカトレアの家に向かった。

カトレアの家を尋ねると、急いで手当てを施す。
カトレアは風呂上がりのせいか、白衣をまとわず短パンにノースリーブ姿、髪も濡れていた。

診察してはみたが、いまいち原因がわからずにいた。
ベッドに寝かされるナックル。

マービンはズボンがずぶ濡れだった。
そう彼は失禁した後、教会の湧き水でズボンを洗っていたのだ。
カトレアはそれを指摘して、自分の家のシャワーを使うよう促した。
意外な提案に、少しばかりドギマギし興奮するマービンであった。

カトレアの容姿は、流線的でスタイルが良い。
長い髪を束ねた顔立ちも色気の中に品がある。
カトレアの年齢は24歳。
大人びた雰囲気の為、実年齢より5~6歳上に見られる。
しかし肌は、白く透き通り魅力的な女性だ。

トップソンとジャンはカトレアの家の裏手にある、墓地にハン・サムを埋葬しにゆく…。

話によると、
ハン・サムはカトレアの事も何度か口説いた事もあるそうだ。
無論、
カトレアには見向きもされず、相手にもされていない。

ハン・サムは口先だけで中身の共わない男だった。
さらに働かず、ひ弱で、怠け者でもあった。
ただ、どことなく母性をくすぐる性質があった。
また、人に媚びる事に長けていた。
だが、困ったことに、極度の虚言癖があった。
ちょうど村の人間に誰からも相手にされず、むしろやっかい者であった為、
この惨事にあっても今は、特に悲しむ者もいない…。

シャワー室に入ると、マービンは石鹸の匂いが微かに残り使用感のある粗めの浴室タオルを、恍惚の表情で頬ずりしては嗅ぐ、を繰り返す…。
※注意:このシーンから見た人には、まるで変質者扱いだ(笑)

A・Jはカトレアと2人きり、眠るナックルの隣で、蒸し暑い部屋でとくに会話もなく時が経つ。無言の気まずい空気に耐え兼ねていた。

A・J『あの…カトレアさん ちょっと外で煙草吸ってきます…』

カトレア『あら お構いせずに ごめんなさい…でも…喫煙は良くありませんよ…えーと…あなたは…お名前は?』

水の入った桶にタオルを湿らせて、額に滴る汗を手の甲で拭きながら受け答えるカトレア。身体は汗ばんでいる。綺麗な脇の下が露わになり、大きく開いたノースリーブの脇から白い下着が一瞬見えた。

A・J『え?あ…あの A・Jです!そう呼ばれてます!』

カトレアは自分の露わになった脇の下に視線を感じて、
慌てて隠す様に腕を下ろし、立ち上がると白衣をまとう。
カトレアと目が合うと、気まずそうに目を横にそらしてから、上を向くA・J。

A・J『失礼します!』

A・Jは、顔を赤らめ足早に部屋をでた。
その様子に、カトレアは首を傾げクスッと笑う。

カトレア『ふふふ 面白い人…昔のアイツみたい…』

A・Jが部屋を出た後、嬉しそうに小声で呟く。
カトレアはA・Jの事を出会った頃の、ゾーンに似てると思い微笑ましく感じた。


___外へ出て、背伸びをするA・J。
日陰に入ると心地よい風が吹く。
しゃがみこみ、それから煙草に火を付ける。

シュボッ

火の付いた煙草を深く吸うと、ソレに合わせタバコの葉を包む紙も多く燃える。
ゆっくりと吸い、ゆっくりとふかした。
煙が空に登っていく…。
死にゆく者を弔うように…。目を瞑るA・J。

A・J『ふーッ………』

腕を伸ばし煙草の灰を、フィルター部分を指で弾いて落とす。
と、その煙草の先に怪しい人影が見えた。

よく見ると覗きだ!覆面をしている!
カトレアの家の脱衣場を覗いている!!

そのマヌケは、シャワーを浴びているのがマービン41歳。と言う事に気づいてないらしい。

A・J『貴様!そこでいったい何をしている!!』

覆面の男は、A・Jに気づき一目散に墓地の方へと逃げた!

追うA・J!!

逃げた男は仕事を終えたジャンとトップソンに、ぶつかり揉み合いになる。
捕まえろ!と叫ぶA・Jに2人は即座に反応した!
その男は、柔道が使えるらしく意外に強い!投げ飛ばされるトップソン!

そこにA・Jも加わり大乱戦だ!!……………つづく。


次回 【廃屋エリアは激戦区】どうぞお楽しみにw