コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 零fighter山鷹隊 ( No.22 )
- 日時: 2015/08/07 17:41
- 名前: ワタル (ID: wIAOO7NO)
【廃屋エリアは激戦区】
事件は前触れなしに起こりうる…。
覆面の男は掴みかかるトップソンの勢いを逆手にとり投げ飛ばす!
派手に平垣にぶつかりグロッキーだ!
※グロッキーとは、ダウンして戦闘不能の意味。
ジャンは息を呑み、怯んで後ずさる。
仲間内でも喧嘩の強い方である長身のトップソン。
その彼が簡単に倒されては、容易に近づく事すらままならない。
そこへ走りこんでいくA・J!
A・J『おい!こっちを見ろ!』
覆面男が見えにくそうに身体ごと振り向くと、
A・Jは飛び上がり両脚で"カニばさみ"の様に首を捉え、そのまま身体を横に捻り転ばせる!
覆面男は前転する様に円を描くように倒され仰向けになる。
ジャン『つ、強い!!』
驚き興奮するジャン。
すかさず馬乗りになり、マウントポジションをとるA・J!
ジャンはスピーディーなその動きに、ただただ驚きとどまっている。
A・Jは正体を暴こうと覆面に手をかけた。
その時、覆面男と目が合った。
A・Jはこの男に見憶えがあった。すぐには思い出せないが見た事のある顔だ。
A・Jの抑える"力"が一瞬緩んだ。その僅かな隙をついて跳ね除ける覆面男。
立ち上がり、棒立ちのジャンを突き飛ばすと覆面男は墓地の奥へと逃走した。
片膝をついたまま呆然とするA・J。
A・J『ドミニク……』
ジャン『イッテテ…え!?なんだって!?』
突き飛ばされた拍子に尻餅をついたジャンは、砂ぼこりを払いながら尋ねた。
A・J『いや…なんでもない…』
(そんなはずはない…)
心の中で呟く。
とその時!
墓地の向こうの廃屋エリアから、ドラムロールのような連続する銃声が微かに聞こえてくる!!
A・J『銃声だ!』
ジャン『あの音は リンクスだ!P90をフルオートで発砲する音だ!!』
A・J『あの2人…手こずってるようだな…だが…遠いな!何か乗り物はないか?』
ジャン『それなら 僕の家にダートバイクがあるよ!この先の赤い煉瓦造りの家だからすぐわかるよ!』
A・J『よし それで行こう! バイクのキーは?それと武器もいる』
ジャン『バイクのキーは付けっ放しだよ !たまにゾーンが借りてゆくからね!勝手に(笑)武器は確か…猟銃と狩猟用のクロスボウがあるはずだよ!』
A・J『それならばクロスボウを借りるとしよう…鳥を狩るには十分だ』
A・Jはカトレアの家の診察室の入り口付近に、愛用のショットガンを置き忘れていた…。
取りに戻っても良いのだが、動きの速いハーピーには、取り回しが悪く不向きだと判断した。
A・Jのショットガンは大型で鈍足な"デカブツ"相手に効果を発揮する。
A・Jはトップソンの手当てを頼む、と言い残し走る。
ソレに頷き、ジャンは家には口煩い(くちうるさい)姉貴がいるから注意するようにと付け加えた。
しばらく走ると、
すぐに赤い煉瓦造りの家に辿り着く。
家の中からピアノの音色が聴こえる。
そして
観音開きの大きな扉の付いた農舎の中に、紅く色の褪せた古びたキック式のダートバイクを見つける。
キーは付けられていた。
周りを見渡すと、木製で造られた棚に塗料の入った瓶や農機具と一緒に、クロスボウと専用の矢が十数本入った矢筒を見つける。
そしてクロスボウをぶら下げる専用のベルトもあった。
猟銃は見当たらない。
それらを装備して
バイクのエンジンをかけるが、かからない。
2度3度試みるが、かかりそうでかからない。
すると、
ピアノの音がとまり、声がする。
姉『誰?ジャンなの?』
まずい ここで出会すのは面倒な事になりそうだ。
姉『ねぇー?ジャァーン?帰ったのー?』
まずい 声が近づいてきた。
A・Jはバイクを押しがけする事にした。
幸いジャンの家の前には、ちょうどいい傾斜の長い下り坂があった。
キーをオン状態にしたまま、ギアを3速に入れクラッチを握り、バイクと並走しながら押しがけを試みる。
下り坂に差し掛かりバイクに飛び乗り跨る。そして坂を下り、スピードにのってきた所で、クラッチを離した!
ガツンと言う反動と共にアクセルを小刻みにフカシてからフルスロットル!
心地良い排気音の抜ける音と共にエンジンが唸りをあげる!
歓喜!
姉『ねぇー?いるなら返事くらいしなさぁーい?』
ガチャ
玄関を開けた姉の目に、バイクに乗る後ろ姿が遠ざかる。
姉『あ…ジャンじゃない…ゾーンかしら…?』
A・Jは廃屋エリアへと向かった!!
その頃
トップソンは手当て受け、上半身包帯巻きの姿に。
怪我の経緯を話すジャン。
カトレアの家の風呂場が謎の覆面男に覗き見され、取り押える為に乱闘になったと説明した。
しかし風呂に入っていたのが、41歳のオッサン(マービン)であった為、一同大爆笑。
A・Jがいない事を尋ねると、リンクス達の加勢に1人戦地に出向いた事が判明。
マービンは我々では足手まといになるか、犠牲者が増えるだけだと結論をだす。
マービンはナックルの容態が気掛かりだと言い、無理矢理付き添いを申し出る。
こうなったのも自分に責任があると言って聞き分けがない。
下心まるだしで、わざとらしい態度にも関わらずカトレアは呆れて根負けした。
トップソンとジャンは眠るナックルに『早く 元気になれよ…』と一声かけるとレンジャー基地に戻る。
入れ替わりに出先から帰宅するカトレアの父。
カトレアの父はカトレアから事情を聴き職務を交代すると、マービンと共に診察室に残る。
カトレアはホッとした様子で微笑みながらマービンに会釈すると、自室に行ってしまう。
マービンは苦笑いで見送る…。
そんな中、
廃屋エリアは怒り狂ったハーピーと、こちらも派手に乱舞するリンクス達とで、血で血を洗う女の闘いが繰り広げられていた!!
リンクス『オラ!オラ!オラ!オラァァァァ〜〜〜!!』
その銃撃はさながらドラムロール!
小脇にP90を抱えながら左右に揺さぶり、ホウキで掃く様に弾幕を張る!
50連装マガジンを使い切る前に、新しいマガジンを装填するリンクス。
リンクス『大人しく!!ハチの巣になりなァ〜〜〜!!』
怒りに身を任せ乱射しまくる!
まだ弾の残ったマガジンを潔く投げ棄てる。
廃屋のバルコニーの物陰に隠れレシーライフルを構え狙撃のタイミングを見計らうS・S。
息を潜めるがその呼吸は荒い。
利き腕を負傷した為、思うように狙いが定まらない!
ハーピーを廃屋エリアまで誘き出した所までは、良かったがよそ見をしていたリンクスがバイクの操作を誤り転倒。
リンクスは無傷だったが、放り出されたS・Sは少しばかり穏やかではない。
なのに、今、猛烈にキレまくっているリンクスの戦闘服は、ほとんどビリビリに破られていた!かろうじて胸に巻かれたサラシだけは奇跡的に無事だった。
爆乳は非公開のまま守られている。
転倒した際に一度2匹のハーピーに捕まり、上空へと連れて行かれ衣類を破られ、身ぐるみを剥がされそうになり、辱めを受けていた!
そうハン・サムのように!
さらに、面白がる2匹のハーピーに押さえつけられ、下半身を露わにされる寸前まで下着を剥ぎ取られそうになる。
この時ばかりは、気の強いリンクスも一雫の涙を流し泣いた。
だが、S・Sの銃弾がその慰みを封じる!下着に手を掛けたハーピーの手のひらを吹き飛ばす
あわや間一髪!
すぐさま鎖鎌の分銅をハーピーの首に巻きつけ、脱出ロープのように上手く使い離脱!
それからの怒りの猛反撃である!!!
泣いたリンクスはさらに強い!!!
不思議と下着はあれだけ暴れても糸1本でつながっている。
上着の丈が長い為、後ろ姿はミリタリーワンピースのようだ。
フロントからの姿は良い子には見せられない…。
やがて形勢は逆転し、
P90の猛烈な銃弾とS・Sの援護射撃の前に、
翼を怪我した2匹のハーピーは、
逃げ惑うばかりで反撃の余地も無い……………つづく
次回 【モスマンの恐怖】どうぞお楽しみにw