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Re: 零fighter山鷹隊 ( No.24 )
日時: 2015/08/22 16:11
名前: ワタル (ID: A7M9EupD)

【モスマンの脅威】


ゾーンの行く手を阻むかのように、廃屋エリアに近ずくにつれ、突然激しいスコールに襲われる。

ゾーンは重火器を大量に積んだレンジャー部隊が所持する、唯一の幌付きのジープに乗っていた。

しかし今は幌は外されオープン状態だった。

ゾーンは首にかけているトレードマークのビンテージゴーグルをかけると雨の凌げる場所に停車して幌をかける作業にかかる。

廃屋エリアはすぐそこだというのに気持ちが焦る…。

と同時にバイクを盗んだと思われる人物の足取りを見失った気分になった。

よく考えてみれば、ダートバイクならば車道(林道)を通らずとも林の中の獣道をいくらでも走れる。

実際、林道は大きく迂回している為、ダートバイクで林の中を直進すれば、廃屋エリアまではすぐだった。
だが、相当の運転技術を必要とされるが…。

幌をかけるゾーンは、見晴らしのよい小高い丘の中腹にいた。
切り開かれた木々の間から、廃屋エリアの全貌が遠くに見える。
しかし目には見えていても、かなり林道が迂回している為、距離はまだまだ遠い。

ヤキヤキするゾーン。

幌を装着し車内に乗り込むその視界に、おもむろに映り込む大きな飛行する影の姿。
眼を凝らすゾーン。
険しい顔でそれを探す。
廃屋エリアに何か、とてつもなく巨大な何かがいる!!

ゾーン『なんだあれは!?』

ゾーンは伸縮する自前の望遠鏡を手に取ると、覗き込んだ。

すると、見たこともない大きなサイズの飛行する物体が、家屋を次々と、体当たりで破壊している!!

まるで、シラミ潰しに獲物を探すように!!

ゾーン『あの化け物は何をしているんだ!?』

状況が把握できない事と、目の前の怪物を前に混乱するゾーン。
次の瞬間心拍数は高鳴り始めた!

何故なら、
その悪魔の様な怪物が狙う獲物が、我等が同志、

森林警備隊である事が判明する。

そこにはオリーブドラブのビンテージバイクが倒れている。

あれはまさしく、リンクスの物だ!
なにを隠そうバイクの乗り方は、16歳の頃にリンクスから教わったゾーン。
今でもバイクの腕は彼女にはかなわない。


※因みにリンクスとゾーンは無免許です。(内緒)
S・S、マービン、バリー、トップソン、故スコットは大概の運転免許取得済です。
無免許運転は違法です。良い子は教習所で免許取得してから…。


ゾーン『なんてこった!!』

ゾーンはすぐさま無線で応援要請をする。


その頃、レンジャー基地では…。

夕飯の支度をかけ、テーブルを囲みポーカーをするトップソンとジャン。
そこにマービンも帰宅していた。丸いテーブルに腰掛ける。

突然の帰宅に無責任さを追求する2人に、まるで子供のように反論するマービン。精神年齢は彼らと一緒のようだ。
どちらかと言えばトップソンの方が大人だ。

マービンはソワソワしていた。何故なら先程カトレア宅でシャワーを借りた際にブリーフを盗まれていた。故にノーパンの為、落ち着きがない。
ボディービルで鍛えたガタイの良いマービン。
しかし喧嘩は見かけほど強くない…。
ブリーフもエメラルドグリーンのティーバックを履いていた為、風呂場覗きの覆面の男は女性物と感違いして盗んだのであろう…。
真相を知れば今頃地獄である…。

レンジャー基地のポーカーゲームは、マービンも加わり盛り上がる。

と、そこへ無線が入る!


《フラッシュ(敵地)よりサンダー(基地)へ レジオチェック(無線チェック)オーバー》ジジッ

無線は続く!

《メーデー メーデー》ジジッ

トップソン『この声は!ゾーンだ!』

立ち上がり椅子が倒れる。

マービン『よしきた!フルハウス!』

無線に1番近い席にいたジャンは、強いカードが揃って喜ぶマービンを無視して即座に応対した!

ジャン《こちらサンダー !リーディング(感明良し)オーバー》
声変わりしたての幼さの残る声で応答する、16歳のアニメ声のジャン。
※オーバーとは、どうぞ、と言う意味。

ゾーン《ああ ジャン 俺だ!ゾーンだ!廃屋エリアに怪物だ!至急応援頼む!リンクス達が応戦中と思われる!!リーサルウェポン!オーバー》

マービン『なんだって!?おい!ジャン無線を貸せ!!』

急にシリアス顔のマービン。ジャンから無線機を奪う。

マービン《サンダーよりフラッシュへ 細かい状況説明を求む!最後の言葉が聴き取れんぞ!リーサル?なんだ?オーバー》

トップソンは突然、閃いたように銃を手に取り走る!
それに気付きジャンもタクティカルベストとヘルメット手に取り後を追った!

マービン『おい!お前らどこへいく!?』

トップソン達を制するが聞かない。
向き直り、
すぐさま無線にしがみつく。

マービン《こちらサンダー !フラッシュ応答せよ!オーバー?》

応答がない。

マービン《ゾーン!応答せよ!オーバー!?》

通信が途絶えた。

マービン『くっそ!おい!お前らだけじゃ危険だ!!』


2人の後を追うマービン。

トップソンとジャンは武器庫にいた。

なにやら重そうに装備をしようとしている。
火炎放射器だ!

マービン『おいおい!ヒョロガリのお前らにそいつが使えこなせる訳がないだろう!?』

マービンは自分が火炎放射器を装備するとトップソンに運転を命じた!
あいにく残された車は、2人乗りのジープのみだ。
しかし固定式マシンガンが装備されている。

マービン『ジャンお前は基地に残れ!こちらの隊はファイヤーバードだ!無線を良好にして待機しろ!!』

先程までのおちゃらけたマービンの姿はそこには無い。

タンクと防護服、耐火ヘルメットを含め総重量30Kgはあるであろう火炎放射器を軽々と使いこなす。

火炎放射器を試運転するマービン。

シュボボゥーッ
シュボッ

シュボボゥーッ

こうなると頼もしい存在だ。

レンジャー部隊に恥じぬ勇姿。

完成!ファイヤーマービン!!

憧れと悔しさの感情が入り混じり、筋トレしなくてはと思うトップソンであった………つづく。


次回 【モスマン猛攻!…ゾーン散る!?】どうぞお楽しみに