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Re: 零fighter山鷹隊 ( No.25 )
日時: 2015/09/10 20:28
名前: ワタル (ID: jd737JEz)

【モスマン猛攻!…ゾーン散る!?】


____一方、廃屋エリアでは身を潜め、隠れる事しか術の無いA・J達…。
激しいスコール…。
そして、家屋の破壊される音と地響きが恐怖となり彼らを襲う…。


S・S『リンクス 大丈夫?気をしっかり持って…』

リンクス『………ハァ…ハァッ…ぅぅん…』


負傷したリンクスを、負ぶってバイクを操縦し家屋に避難したA・J。

裏口から別の家屋、さらにまた次から次へと、移動しながらS・Sと合流していた。


一時的にモスマンの眼をくらます事ができたが、見つけられるのも時間の問題だった。


S・S『このままでは 全滅する…それに早くリンクスの肩の傷を止血しなくては…』

A・J『何か包帯の様な縛るものがあれば…』

そういいながら、あたりを見渡す2人。

めぼしい物は見当たらない。

その間にも、モスマンの体当たりによって破壊される家屋の爆裂音が遠くから徐々に迫り聞こえてくる…。

S・S『何か 縛るもの…』

A・J『何か 縛るものは……』

2人同時に目が合い、視線はリンクスの爆乳を窮屈そうに締め付ける、胸に巻かれた"サラシ"にたどり着く。

S・S『これよ!リンクスごめなさい!外すわよ!』

少し、ほどけかかっているリンクスの胸の"サラシ"に手をかけ、一瞬留まりA・Jの方を見るS・S。

S・S『お願い…向こう向いてて…』

A・J『あ、ああ… 』

そう言うと、A・Jは、バイクにまたがりエンジンをかける。

ブロオォオンン!!

今度はすぐかかった。

クロスボウを腰のベルトから抜き、構えるとモスマンのいる表へと出向く!
バイクのミラー越しに"バルン"と所狭しと弾けるリンクスの生乳が暴れながら解放されるのが見えた…。
まるで西瓜か特大のメロンが飛び出す様に。
思わず振り返るA・J。

A・J『すご!』

※リンクスのバストは自称Eカップだが、実際はKカップである。

アクセル全開で飛び出すA・J!

そこにはまるで竜巻の様に家屋を破壊しまくるモスマンの姿!
廃屋エリアは荒れ果てていた。

A・J『こっちはもっとすごい事になってやがる!!』


勢いよく飛び出すA・Jに、引きつけられたモスマンが背後より襲い来る!

モスマンはA・Jを挑発するように低空飛行で近ずく、そのでかい翼を羽撃かせれば、バイクなど簡単に弾き飛ばせる筈であろうに…。
あえて、風に乗り羽撃きもせず、静かに迫り来る。

アクセル全開のA・J。
にも関わらず、簡単に追いつくモスマン。
A・J『舐めやがる!喰らえ!』


バシュッ

クロスボウ発射!見事モスマンの胴体に命中!

しかし、有効なダメージは与えていない。

A・J『くそっ!急所は何処だ!』
陽炎のように揺らぐ大きな目に、並走するA・Jの姿が映った。
まるで昆虫の様なその眼!

A・J『そこか!』

両手を離し、器用に矢を装填すると次はその赤く燃える眼に至近距離から矢を放つ!

ゴキョイィイン!

A・J『まさか!』

無情にも矢は弾かれた!
…セラミック合金で造られた矢でもない限り、貫く事は難しい。


大きく開いた口でA・Jを喰らおうとするモスマン!
その口から、ヨダレが滴ると、衣服を溶かす!
まるでバッテリー液の強化版だ!
※バッテリー液は衣類に着くと溶かします。取り扱い注意!

(まずい!)
心の中で叫ぶ、A・J。
焦りながらもクロスボウを、モスマンの口に勢いよく投げ入れた!

モスマンはソレを飲み込むと少し驚いたのか口を閉じ、上昇する。

次の瞬間!

ドン!
という音と共に、モスマンの口めがけ何かが砲撃された!!


有刺鉄線で編み込まれた、ワイヤーネット弾だ!

視界を塞がれ、もがきながらモスマンは上昇していく。

暗雲の中に姿を消すモスマン。同時に雨も上がった。
が…不気味な雲は上空を覆ったままだ。


A・Jは被弾に驚き運転操作を誤りスリップして転倒する。

ズシャァァァァァ!

雨にぬかるんだ地面を滑り、砲撃主の乗るジープ手前で止まる。

A・J『くそっ…痛(ッツ)』

左肘を擦り怪我をする。右手でソレを抑えるA・Jに銃口が向けられる。


ゾーン『おい!貴様!見ない顔だな!そのバイクどうした!それとここで何をしている!…それにあの怪物は一体!なんなんだ!』

苦痛に顔を歪め見上げるA・J。

そこには、
バズーカ砲を左手に勇ましく肩に担ぎ、
右手にはソードオフ・ショットガンを構えて、
ビンテージゴーグルをかけた少年の姿…。

レンジャー部隊の切り札!!

ゾーン!登場!!!

A・J『………質問が多いな…とにかく…(痛)…助かった…ありがとう…』


A・Jが冷静に状況を簡潔に説明すると、ゾーンは飲み込みが早く即座に行動に移る。


手当てを施されたリンクスと、負傷したS・SとA・Jをジープに乗せ廃屋エリアから脱出を試みるゾーン。
リンクスはミリタリージャケットのボタンを全て留められていた。
上から2番目のボタンは窮屈そうに今にも弾けそうだ。
その中は、ほぼ全裸といっても過言ではない…。
更にジャケットの丈が膝上20㎝くらいの為に、かなり際どい格好である。
ジャケットはところどころ破けていて、健康的で弾力のありそうな、程よく筋肉質な褐色の肌が見え隠れする。

緊急事態であるが故に、
二台のバイクはひとまず放置だ。

そして、リンクスが重傷であるが為に、急ぎながらも慎重に運転するゾーン。
と…そこにジャンからの無線が入る。

内容はこうだ。

要約すると3点。

一つ目は、火炎放射器を装備したマービンとトップソンのチーム
"ファイヤーバード"が応援の為、戦地(廃屋エリア)に向かった事。

二つ目は、ナックルの首の後ろに僅か5ミリくらいの毒針が刺さっていた事。
カトレアの父いわく、それは"毒蛾"などが持つ毒針毛(どくしんもう)ではなかろうか?という話だ。

3つ目はベイハム討伐中のバリーとジョシュが、ベイハムの家に地下トンネルを見つけ、そのまま調査を進めるらしい。因みに未だベイハムの姿は確認できていない。

との事であった…。

A・J『ジョシュの奴 大丈夫なのか…?』無線のやり取りを終えると呟くA・J

と、その時、後方から迫るモスマンの姿がバックミラーに移る!

ゾーン『まずい!奴だ!』

ゾーンはジープを走らせながら、A・Jと運転を代わる。

その間に失速するジープ。

モスマンに追いつかれた!

助手席に移動したゾーンは、窓から身を乗り出すと、
並行して飛ぶモスマンにソードオフ・ショットガンの銃口を向ける!

ドッゴォォン!

モスマンの堅い片目を見事、至近距離から撃ち抜いた!

ドロドロと溶岩の様な液体が破れたモスマンの眼から溢れ落ち地面を焦がす!
飛び散る液体が熱気と熱風をまといジープの幌に付着して焦がす!

唸り声をあげながら失速するモスマン!

ゾーン『やったぞ!』

窓から身を出したまま、次の一撃を見舞う為、弾を込める。

A・J『よし!』

A・Jとゾーンはアイコンタクトで勝機を確信した!

再び旋回し正面から迫るモスマン!

ゾーン『A・J!奴は体当たりしか能が無い!次で決める!弱点は恐らく!あの…燃える様な眼だ!!』


A・J『オッケー!ゾーン!だが!油断するな!』

ハンドルを両手にシッカリと持ち、肩に力が入るA・J。

進路を確保し、ゾーンが狙いやすいように軌道を取る。

再び窓から身を乗り出すと、銃口を向け構えるゾーン!

迫るモスマン!

タイミングは揃った!

A・J『いまだ!撃てゾーン!』

しかし、ゾーンが引き金を引くことはなかった。
信じられない事にモスマンの身体からまるでマシンガンのように、無数の針が飛ばされる!!

フロントガラスにバチバチと、アラレのように降り注ぐ!!
視界が遮られる程に!!
まさにブラックアウトだ!!
※ブラックアウトとは、突然目の前が真っ暗になり、何も見えない現象である。

S・S『嘘でしょ!!ゾーン!!!!!』

後部座席でリンクスの身体を包む様に抱きしめていたS・Sが、
悲鳴にも似た叫び声あげる!

A・Jは、悲鳴の意味がすぐに理解できた。
1人身を乗り出していたゾーンが、銃を握りしめたままグッタリしている。
上半身無数の毒針で埋めつくされたゾーン!

視界が悪く、ハンドル操作を誤り、ぬかるみにタイヤを取られ蛇行するジープは岩にぶつかり止まる。

そして煙をあげる。

フロントガラスに頭を打ち、額から血を流し気絶するA・J。
S・Sとリンクスも身体を打ち付け、気を失っている。

岩にぶつかった衝撃で、地面に放り出されるゾーン!
気高き執念か!?
ゾーンの右手にはソードオフ・ショットガンが、強く!頑なに!握りしめられたままでいた…。

不気味に笑う片目のモスマン…。

優雅に飛び回ると、勝ち誇る態度でジープが衝突した岩の上で羽根を休める…。

そしてまた…首を不気味に反時計回りにクルクルと廻す…。
この不気味な行為はモスマンの"癖"なのであろうか?…。


皮肉にもこのタイミングで無線が入る…。

《フラッシュ応答せよ!こちらファイヤーバード!もうすぐ到着する!オーバー》

無線は、マービンの声だった。

《こちらファイヤーバード!フラッシュ応答せよ!オーバー!?》

無論、応答など無い…。

《フラッシュ!!応答せよ!!オーバー!?》

渇いた無線の音だけが、荒野と化した廃屋エリアに虚しく…こだまする……………つづく。


次回 【進撃せよ!!ガンドラゴン見参!!】どうぞお楽しみにw