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Re: 零fighter山鷹隊 ( No.27 )
日時: 2015/09/10 21:11
名前: ワタル (ID: jd737JEz)

【大暴れ!ファイヤーマービン!】


モスマンは遥か上空。

しかし

上手くは飛べない様だ。


ガンドラゴンは背中に飛び乗った後、
モスマンの"キリモミ飛行"や"回転ループ飛行"で執拗に"振り落とす作戦"に見事に耐えていた。

そして今

両手に持った1本の"銀のダガー"の一撃を振り落とす!!

これが決め手となり、高度を下げ始めるモスマン。

地上で待ち構えるマービン!

マービン『おや!?あの怪物!へばったか!?』
※へばった。とは、弱った。の意味である。

マービンは潰れたジープのドアを開け、無線機をとる。

マービン『こちら ファイヤーバード! サンダー応答せよ!オーバー!』

弱って低空飛行するモスマンに勝利を確信したのか、力強く呼びかけるマービン。

しばらくして、応答が返ってくる。

《こちらサンダー !リーディング!(感明良し)オーバー!》ジジッ

マービン『負傷者多数! 救護求む !ドミニクはいるか!?オーバー』

《…ミニクは未だ帰還せず!現在消息不明であります!》ジジッ
と、アニメ声のジャン。

《あ オーバー!》ジジッ
ジャンはまだまだ無線の扱いは不慣れのようだ。
無線の相手が苦手なマービンと云うせいもあるが…。

ドミニク不在に舌打ちをするマービン。
あいつはいつも肝心な時に使えんと、呟く。

マービン『今 トップソンが"チーム・レディース"を 運び帰還した!至急手当ての準備を頼む!オーバー』

《ラジャー》ジジッ
(チームレディース?)初めて耳にする呼び名を疑問に想うが、おおよそ察しがつくので、あえて聞かないジャンであった。
聞けば話が長くなる事も知っていた。
マービンは人に物事を説明する時に、
名前を先に言えばわかる事でも、まずその者(物)の容姿(形状)から教えないと気が済まない。
手振り身振りを交え、会話に時間のかかる性格である。

マービン『話はまだ終わってないぞ!オーバー!』

《ラジャー (汗)オーバー》ジジッ

マービン『ドミニクに大型車両で迎えに来るように言ってくれ!現場は激しい攻防戦の跡が見受けられるが 間もなく"私が"鎮圧する!OUT』
※OUTとは無線の終了の事である。

《ラ ラジャー?OUT》ジジッ

マービンは無線機を定位置に下げ、A・Jの脈を確認すると…しばらくして…。

落胆の表情で自分の唇を噛みしめうつむいた…。

気の毒そうに眉を細め一言…。

涙ながらに震える声で呟いた…。

マービン『A・J…グスッ(泣)やふやかにへむれ(安らかに眠れ)…お前の敵(かたき)は私が伐つ!!』
語り口、悲しげに台詞の最後は力強く発するマービン!
火炎放射器を構え、大袈裟に振り返りモスマンを睨む!!

マービン『野郎!俺の庭で好き放題やりやがって!!』
シュボボゥーッ
シュボッ

シュボボゥーッ

低空飛行のモスマンが近づく!

マービン『そこぉぅ!!』

シュボボボボボボボボボボゥーーーーーーーッ!!

身をかがめ回避運動を取りつつ攻撃!モスマンの片方の翼を焦がす!

マービン『やったか!?今のはスターとリンクスの分だ!!…思い知れ!……おっと!!(焦)』
尾翼の跳ね返りを反転して交わすマービン!

旋回し、またもマービンに襲いかかるモスマン!

そこへ

背中に乗ったガンドラゴンが"銀のダガー"をふりかざし一撃!二撃!
今度は左右に1本づつ持って振り落とす!!

モスマンは苦しみ、毒針を誰もいない方へ放つ!
ガンドラゴンの連撃により、モスマンのマービンを狙う攻撃を狂わせた!


シュボボゥーッ
シュボボゥーッ
シュボボゥーッ

通過するタイミングを見計らいドテッ腹に小刻みに総攻撃のファイヤーマービン!
マービン『これはゾーンの分!A・Jの分!トップソンの分だ!!』
※注トップソンは元気ですw

炎がモスマンの身体を包む!
火の手が背中に乗ったガンドラゴンにも及ぶ!
ガンドラゴンは繋がったベルトを解除して、高く飛んだ!
そして
空中で近くの大木を見定めると、2挺のワイヤーガンを放ち瞬時に離脱する。


うめき声にも似た咆哮をあげるモスマン!

マービン『汚物は消毒だ!!』

トドメに追い討ちを喰らわすマービン!

シュボボゥーッシュ!ボボゥーッシュ!!ボ!!!ボゥーッ!!!

火炎放射器でビートを刻む余裕のあるマービン…得意顏だ!!

炎に覆われ"のたうち"ながらも旋回するモスマン。

マービン『ギャーーーーハハ 思い知れ!!』

汗だくで"ハイ"になるマービン。勝利を確信した。
防護服は高温になる為、長時間の着用は極めて危険である。

離れた大木の上から様子を伺うガンドラゴン。
異変に気付いた。

ガンドラゴン『まて………様子が変だぞ…何故 死なない!?』


モスマンを包む赤い炎は、やがてドス黒い炎へと変化する。
まるでソレを吸収して自ら別の炎を内から燃やし始めるかのように!
黒い"漆黒の炎の化身"に姿を変えた!!!


そして片目のモスマンは怒り狂い!迫り来る!!


マービン『おいおい 嘘だろ!?冗談は顔だけにしろよ!!』

火炎放射器を投げ出し逃げ出すマービン。
背中のタンクに繋がった銃を引きづりながら鈍足だ!

ガンドラゴン『マズイぞ…! "奴も"不死身なのか!?』

銃を繋いだワイヤー入りの硬いホースに足が絡まり転ぶマービン!
マービン『いっででー!っ!チクショー!!ここで終わりなのかー!』
死を覚悟して目を瞑るマービン…。

と、その時!
不意にソードオフ・ショットガンの銃身のシルエットが現れた!
銃口が向けられる!

次の瞬間!火を吹いた!!

モスマンの陽炎のように燃える昆虫の様な眼を、一瞬で粉砕する!!

ドッ!パーーーーーーン!!!


破壊力のある弾丸の一撃を見舞う!

マービン『ゾ…ゾーン!?』
恐る恐るぼんやりと片眼を開けるマービン。
いや…ゾーンはソードオフ・ショットガンを握りしめたまま、仰向けに倒れたままだ!


しかし、
そのグッタリとした身体から腕だけが高く抱え挙げられ、

その銃を握りしめた掌ごと、


両手で添える様に構え、

後ろに立つ、



もう一人のシルエット!!



その姿!!!



アタッカー・ジョー!!!!




A・J『俺は…死なない!…誰も……死なせはしない!』


両目を失ったモスマンは、断末魔の叫び声をあげながらドロドロと溶けながら墜落していく…。

倒れるマービンの上をボトボト肉片を落としながら通過し、A・Jとゾーンの方へとドロドロになりながら迫り来る…。

しかし

銃を構えたまま、不動の姿勢で微動だにしないA・J。

モスマンはA・Jとゾーンの方へと、2人を道づれにするべく突進する!

…が、

溶ける身体の制御がきかないモスマン。

数メーター手前でバランスを失い、軌道がそれ…かすめる様に彼らの後方へ流れ崩壊する。
やがて…跡形も無く蒸発していく…。

地獄の使い魔"モスマン"を撃退した!!!!




同時にA・Jも膝をつき崩れ落ちる。

立ち上がりフラフラと駆け寄るマービン。

マービン『い…生きていたのか!A・J!さっきは脈がなかったハズだぞ!?』

A・J『ゼェハァ……そ…その手で (痛)何が解るんですか?…ハァハァ…(痛)』
痛みをこらえながら指をさすA・J。

マービン『…え?あ!ああ!』

マービンは分厚い革手袋をしていた事をすっかり忘れていたw

____かくして多大な犠牲を払いながらも…魔界の四騎士の一匹…。地獄の使い魔"モスマン"を葬ったA・Jに興味と関心を抱くガンドラゴンであった……つづく


次回 【鏡のジョニー】どうぞお楽しみにw