コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 零fighter山鷹隊 ( No.28 )
- 日時: 2015/09/27 08:24
- 名前: ワタル (ID: Kb4sFgR0)
【鏡のジョニー】
勝利を讃え合うA・Jとマービン。
しばし呼吸を整えた。
エンジンの大破したジープ。
フロント部分は、激しく潰れていた。
そこに
壊れたサイドミラーが外れて落ちている…。
A・J達の姿が写り込んでいる…。
するとどうだ!?
まるで海面から覗き込む様な、揺らいだ視界で何かが見ている…。
そう!
何かがコチラ側の様子を伺っている!
鏡の中に"何か"いる!!
だが!
誰一人として…
その邪悪で…
冷たい視線に…
気づく者はいない…。
すると
カメラワークが切り替わる様に映像が変わる。
ルームミラーから見える風景。
まだ壊れていないもう片方の、既存のサイドミラーから見える風景。
その邪悪な"何か"は誰かを探していた!
まるで鏡の中を"自由に行き来"するように!!
《ジャリ》
小石を踏む音に、その何かが鏡の中で、サッと身を潜めた。
音の主はガンドラゴンだ。
ガンドラゴン『君達は勇敢な上に優れた戦闘力だ…その力…あやかりたいものだ…』
ガンドラゴンは、申し遅れたがと付け加え自己紹介すると、自分の使命と宿命を語り始める。
彼の話はこうだ。
ガンドラゴンの血筋は祖父のヴァンヘルシングに始まり、代々魔物と戦う宿命の星の下に生まれる。
そして魔界の四騎士なる異世界の悪魔に命を狙われている事。
四騎士とは…
不死身の骸骨剣士"スカルフェイス"
普段は人と変わらぬ姿。
ただし極端に頬が"こけ"ガリガリの身体。
人間と見分けるポイントでもある。
そして
その心臓は別の場所にあるという…。
ソレを突かない限り倒すことは出来ない。
例えバラバラに切り刻んだとしても再生する!!
灰になろうとも心臓を突かない限り蘇る。
さらに
3段階にも渡り自身の形態を自由に変える。
最終形態は翼も生え空も飛ぶ………。
悪魔の操り球体関節人形"パペットマスター・ギル"
詳細は謎に包まれている………。
地獄の使い魔"モスマン"
ハーレムを創り獲物を見つけると執拗に付き纏う。
永きに渡りガンドラゴンを苦しめてきた。
四騎士の中では一番下っ端である………。
鏡の"ジョニー"
四騎士の中では最強の呼び声とされる。
不死身も不死身。決して倒す事が出来ない。
鏡の中を自由に行き来する。
彼に狙われたら鏡には近づかない事だ。
生前は最強のガンマン。
ビリー・ザ・キッドの亡霊である。
彷徨う亡霊は魔界の女王"ゴーストマンモス"によって悪魔の化身となり支配された。
話終わるとガンドラゴンは、ジープのミラーを全て愛用のアンリミテッドリボルバーで撃ち抜いた。
勿論、地面に落ちた壊れたミラーも。
鏡のジョニーにしてみれば、傷付いたA・J達をその気になればいつでも仕留める事ができる。
しかしジョニーは、ビリー・ザ・キッドの浮かばれぬ魂がそうさせるのであろうか?
最高のコンディションの相手との一対一の決闘を好む。
その領域だけは、魔界の女王"ゴーストマンモス"も支配する事が出来ずにいた。
マービン『なんでもいいから 早くこの村から出ていってくれ 魔界の四騎士だかなんだか知らんが もう懲り懲りだ…』
ガンドラゴン『すまない…しかし…この森には魔界の者共がすでに入り込み…己の領土にしようと目論んでいる…』
マービン『なんだって!?なんてこった…くそっ』
A・J『鏡のジョニー…とても他人事ではない気がする…』
マービン『そんなことより ゾーンは助かるんだろうな!?』
倒れたままのゾーンを気遣うマービン。
ガンドラゴンはゾーンに歩み寄り落ちているハットを目深に被った。
容体を見ると大事には至らないと言う。
ポイズンリムーバーが効いてるらしい。
静かだが呼吸をしている。
マービンは無線を入れる。
今日は野宿する事と、ゾーンが一命をとりとめた事を告げた。
そして、明朝救出に来るように指示した。
救命道具とカトレアも同行するようにと頼んだ。
幸いにもジープには携帯食料と水が積んであった。
応急処置用の治療薬と包帯も常備されていた。
それと食べかけのクッキーがある。
ゾーンが持つには、似つかわしくない可愛らしい袋に入っていた。
マービンは『ゾーンの奴、モテやがって』とヤキモチを焼きながら、
クッキーを貪る。
ガンドラゴンは焚き木を集め暖をとる。
マービンは酒でもあればと贅沢を言う。
すると
あるよ!と言わんばかりにウィスキーを取り出すガンドラゴン。
1人ショットグラスに一杯分しかない量であるが、この状況下では十分すぎる。
みるみる機嫌の良くなるマービンであった。
無論ショットグラスなど無く、平べったい水筒の廻し飲みである。
酒を飲んでる感覚が過去の光景とリンクする。
A・Jは以前にもデス・タウンの酒場でガンドラゴンを目撃していた。
ギャング団と一悶着した回である。
車も乗らずにどうやって移動してきたのか?を尋ねた。
鏡のジョニーがいては運転など出来るハズもない…。
すると
ガンドラゴンは乾パンを食べながら答えた。
聞けば、馬車があったのだが馬ごと何者かに盗まれたらしい。
おそらく複数の人間の可能性があると言う。
何故なら馬車には黒馬と白馬の二頭の馬が繋がれていた。
黒馬の名前は"メルセデウス"
白馬の名前"レクシス"
穏やかで大人しい雌のレクシスに対し、
決して人にはなつかない雄の荒ぶるメルセデウス
ガンドラゴンにだけは従順である。
大勢で抑えつけたか?
あるいは黒馬メルセデウスを手なずけたか?
どちらにせよ馬車は盗まれた。
それは気の毒だとA・Jとマービン。
そんな中、夜も更けかけた頃、無線が入る。
内容はというと、
ベイハム討伐のチームが見つけた地下トンネルは奥行き10M程で行き止まりの洞穴…キノコを栽培している室(ムロ)であった。というオチ。
そしてベイハムを発見出来ないまま寝不足と疲労の為、ジョシュとバリーは帰還した…………つづく
次回 【満月の夜】どうぞお楽しみにw