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Re: 零fighter山鷹隊 ( No.32 )
日時: 2015/10/03 18:30
名前: ワタル (ID: uFFylp.1)

【ナイトウォリアーズ】


バリー『マービンが!?…ウルフマンに殺られた!?』

M16自動小銃をタスキ掛けに装備したバリーが、動揺しながら答える。

ジープのライトをハイビームにして走る。

前方に鉄柵に囲まれた墓場の入り口が見えてきた。

誰かいる!

アフガンだ!

合流した。

エンジンをかけたまま、降りるバリー。

ライトに照らされたアフガンは言う。

アフガン『ちょうどいい時に来たゼィ バリー!この鉄柵の鍵はないか?ウルフマンは飛び越えてあの小屋に隠れたゼィ!』

鉄柵の高さは4M弱、先端はトガっている格子状だ。

流石のアフガンも乗り越えるのを断念していた。

しかしアフガンは、夜目が効くらしく遠くに見える管理小屋が見えるらしい。

バリー達には到底ぼやけて見えない。しかし管理小屋がある事は知っている為、雰囲気で距離感は掴める。

バリー『まっていろ!今開ける!』

そう言うと、ベルトに付けていたジャラジャラと鍵の沢山ついた物を取り出す。

しかし

なかなか適した鍵が見当たらない。

バリー『クソ!どれだ!?トップソンどれか解るか!?』

トップソン『あ ああ 多分………これか?これ?じゃないかな?』

まごつく2人の横で怪力のラン・ボウは鉄柵に手を掛けると剛力でへし曲げ開いた!!
ガキン!!
※まごつく。とは、モタモタする。の意味である。

アフガン『ヒューゥ… 兄(あん)ちゃんやるねェ〜…行くゼィ!』

バリー『嘘だろ?なんてパワーだ…』

戸惑うバリーを他所に先に進むアフガン。

ソレに続くラン・ボウは銃を持たず丸腰だ。

バリー『おい 丸腰で来たのか!?』小声でラン・ボウに詰め寄るバリー。

ラン・ボウ『オラは 銃の使い方わからねぇだだ…オラにはコレがあるだだ』

そう言うと、ラン・ボウは小振りで投げ斧用のトマホークを懐から取り出して見せた。

毛皮のベストの内側に隠すように装備していた。

ガチャ
トップソン『やっと開いた…アレ?みんな待ってくれよー!』

わざわざ鍵の開いた扉から進入するソバカス顔のトップソンであった。

ジープのライトの及ばぬところまで来ると、バリー達の動きが鈍る。

アフガンだけは、変わらぬ動きだ。

バリー『ここでは夜目の効くアフガンに頼るしかないな…』

アフガンは管理小屋の裏手から攻めるようだ!

大きく迂回し始める。

バリー『トップソン アフガンが裏手に回る 我々はサイドから取り囲むとしよう!』

トップソン『オッケー!バリー!』

そう言うとバリーはトップソンとは反対側の茂みに走った!
ラン・ボウも途中までバリーに続くと小屋に近い大木に身を潜めた。

トップソンは一人で心細くなり、持っていたショットガンを握りしめ何度も弾を込め忘れていないか確認した。

バリーは勝手に阿吽の呼吸で動くものだと思い込みアフガンの出方を待った。

トップソンもまた、バリーから何らかの合図があるに違いないと思い込み、身を潜めながらバリーから見える位置で待機した。

アフガンはと言うと、AK47の新しいマガジンをリロードして様子を伺っていた。

裏口に銃口を構えるアフガン。

アフガン『さあ ででこい!蜂の巣にしてやるゼィ』

※蜂の巣にしてやる…何処かで聞いたような台詞である。狩猟民族の口癖だろうか…?


アフガンもまた、バリーの出方を待っていた。


包囲網は迅速に、ただし配置に着いてからは焦りは禁物。

タイミングが大事だ。

犠牲を最小限に抑えるも失敗に終わるのも、チームワークにかかっていた。


すると

戦略などには、無頓着のラン・ボウが何を思ったかズカズカと小屋に近づいていく!

大胆不敵に!!

バリー『とまれ!ラン・ボウ!アフガンの出方を待て!』

ラン・ボウ『オラが仕留めてみせるだだ! 白兵戦なら無敗だだ!』

手斧を手玉に取ると2度3度素振りをしてみせる。
ビュンビュンと
空(くう)を切り裂き
いいコンビネーションだ。
狭い小屋での接近戦ならラン・ボウに勝機があるはずだ。
スピードはウルフマンの方が遥かに上だが、おそらくパワーはラン・ボウの方が勝るであろう。
1度捕まえてしまえば、ご覧の通りの剛力でねじ伏せてしまう事に違いない…。

2M近いラン・ボウの後ろ姿は暗闇で見ると、まるでこちらの方がモンスターに見える。
ウルフマンのサイズは170センチ程だ。
見た目で言えば、ラン・ボウの方が化け物だ!

トップソン『凄い自信だ…オレもあんな風に恵まれた身体と剛力なら同じ行動をとるかもしれない…誰だって活躍したいさ…』

トップソンはショットガンを窓ガラスに向けて構える。

ウルフマンの姿は見えてはいないが、トップソンに出来ることはそれくらいの事でしかない。

バリーは茂みに隠れつつ、援護射撃の為ドアをブチ破ろうとラン・ボウの後方に周ろうとした。

しかし、

そのバリーの行動を待たずして、ラン・ボウは小屋に向かい急に全速力で走り出した!!

ラン・ボウ『ぐぉぉぉぉぉぉ!』

走るラン・ボウ!

バリー『あの怪力馬鹿!おい!ラン・ボウ!早まるな!』

ラン・ボウ!怒りのタックル!

木製のドアを体当たりで破る!

ラン・ボウが飛び込んだ!!

次の瞬間!

小屋が大爆破!!!!

ドッゴーーーーン!!

伏せるバリー!

粉塵の中、裏口からウルフマンが逃げ出す!

アフガンは見逃さなかった!

爆発はラン・ボウが突入した方角に強く飛散した!

ババババババババ

AK47の銃撃を浴びせるアフガン!

ウルフマンの血痕が飛び散る!

アフガン『しぶてぇ野郎だゼィ!』

夜目の効くアフガンはウルフマンを見失わない様に追った!

バリー『くっ!耳がジンジンする!』

頭を揺さぶり耳を抑えるバリー。

トップソン『ぎぃやぁぁぁぁぁぁぁ!!』

爆発で腰を抜かしたトップソンの手元に黒焦げになったラン・ボウの生首が、飛んで来た。

くすぶり炎上する管理小屋。

バリー『なんてこった!!!』

バリーは腰を抜かしたトップソンを抱えあげると、ショットガンを拾いジープに戻る。

トップソン『ラン・ボウが殺られた!ラン・ボウが殺られた!』

バリー『しっかりしろ!トップソン!』

取り乱すトップソンを揺さぶるバリー。

バリー『クソッ!アフガンがいない!夜目が効くアフガンだけが頼りだというのに!』

トップソン『次はアフガンだ… マービンもラン・ボウも殺られた!みんな助からない!へへへへ!』w


バリー『黙れトップソン!』

パシン!

立て続けに仲間が殺される様を目撃したトップソンは、軽い錯乱状態に陥っていた。

バリーの平手打ちで正気を取り戻した。


エンジンがかかったままのジープに乗り込みウルフマンを探す。

バリー『おそらくコッチの方角だ!まだそんなに遠くへは行ってないはずだ!』


その頃

ジョシュとハシームは、夜戦仕様の装備に身を包み、暗闇の中をまるで昼間のように走り抜けていた!

ジョシュ『ははは こいつは凄いや!昼間よりよく見える!』

ヘルメットに搭載されたナイトビジョン(スコープ)から見える視界は良好だ!

ハシーム『たしかに最高ですね〜ジョシュさ〜ん しかしこのタクティカルスーツ サイズがキツくないですか〜?身体にフィットして〜まるでガ◯ツコスみたいに〜』

ジョシュ『そういやパツくね?これなんて肝心の胸の辺りくり抜かれて解放してあるし…まあこのショルダーアーマー的な物が胸の保護の役目かな?』

無理も無い。
何故ならその装備は、シューティング・スターとリンクスの私物であるのだから…。

つまりサイズはレディース。
装備出来たというのも小柄のジョシュと、きゃしゃなハシームならではである。

故に装備する際、お互い手助けし合ってどうにか着用した。
ナイトウォーリアーの装備を発見したのはハシームである。

ジョシュ『いっけね!』

急に立ち止まるジョシュ。

ハシーム『ど〜しました〜?』

ジョシュはアンリミテッドリボルバーを手に取り、弾が無いと嘆いた。
取りに戻るには、聞き分けのないマービンが還してくれる訳がない。
むしろマービンの事だからせっかくの銃を取り上げて自分が使うに決まっていると、いじける。

ハシーム『もしかしてだけど〜ぅ…これのことですか〜?』

ジョシュ『それだ!ハシーム!銀の弾丸!』

受け取り弾を込めシリンダーを回し、構えるジョシュ。

ジョシュ達は、バリー率いる討伐隊がすでにウルフマンの惨劇に苦しめられていることなど知らない。

その時、爆発は起こった。

墓場の方角に黒煙が上がる!ナイトビジョンにハッキリと見えた!………つづく

次回 【罠師 ドミニク】どうぞお楽しみにw