コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 零fighter山鷹隊 ( No.36 )
- 日時: 2015/10/18 23:12
- 名前: ワタル (ID: 6PL6dW6J)
【恐るべし!球体関節人形の呪い】
_____叫ぶガンドラゴン。
金塊を求め旅立つA・Jとジョシュ…。
地平線の彼方へ消え行く、リンクスとスター。
かくして、
新たなる冒険の旅のはじまりである…。
第1章 アタッカー・ジョー 完。
時は少しばかりさかのぼり…
物語は…
第2章へと突入して行く…。
____ここは、デス・プリズン。
鎮火しつつある朝もやの中、屋上には五人の人影…。
零fighter山鷹隊(さんおうたい)である。
ヨシュア『早速だが 次のミッションに移るとしよう…』
ニンジャマスター・ヨシュアの指示で方々へと飛ぶ一行。
砂漠の傭兵王"バーサーク"を連れ出す為、
デス・プリズンのロゴの入ったオフロードバイクを駆るシラヌイ・ユーイ。
これから始まる戦いに必要不可欠な人材である。
単身"砂漠の都"を目指す。
ミフネとリオ、そしてジライヤは、逃げたデリンジャー将軍を追って馬車を出す。
ヨシュアは情報収集の為、ハンググライダーを修復して、零fighterの秘密基地に帰還する。
その基地は…
断崖絶壁に建てられた"スカイロッジ"である…。
そう
グライダーでしか入る事が出来ない。
一方、
馬車に乗ったミフネ達はというと…。
2匹の馬を巧みに操り荷馬車を操作するジライヤ。
馬は見事な毛並みの黒馬と白馬。
因みに馬車はリオが森に墜落した際に見つけたようだ。
ちゃっかり失敬してきたのである。
今頃、持ち主はさぞかし落胆していることであろう。
恐らく闇の旅商人であろうか?
珍しい品物ばかりが積まれ、山程の金貨もある。ただしいつの時代のものかは謎ではあるが…。
荷馬車の中で、何やら重厚な造りの旅行鞄を見つけた忍者姿の女の子ことカムイ・リオ。
好奇心旺盛の18歳の少女は勝手に中を開けていた。
そこには60センチ程の少女の人形が一体。
不気味だが、よく出来た人形を見つけたリオは、
ウトウト眠りこけるミフネをからかい遊び始めた。
精巧な造りの球体関節人形という代物であった。
リオ『隊長ぉw恨めしやぁぁぁ』
リオはミフネを驚かそうと、寝ているミフネの顔に押し付けた。
プクク
と、含み笑いをこらえるリオ。
すると
気配を感じ
パチっと目覚めるミフネ。
さほど驚かないミフネは冷静であった。
ミフネ『……………ん? …イタズラするな…』
と、リアクションが薄い。
それどころか
ミフネは刀を半身抜いて、リオの首を捉えていた!!
チンッ!
納刀するミフネ。
ミフネ『……ふざけてないで 身体を休めろ…夜戦にそなえろ…』
何事もなかった様にスヤスヤと眠りにつくミフネ。
リオ『……てか 怖! てかテンション低!てかつまんない!』
(ムカつく)
心の声のハズが思わず発せられた。
ゲシゲシ!
リオはキレた!
ジダンダ踏みながらの金的蹴りが炸裂しまくる!
ミフネの"ミフネ"が踏まれまくった!!!
ミフネ『いってぇぇぇ!』
リオ『イェヤァ!アイム!チャンピオン!イェヤァ!』
※注 これはリオの妄想の世界です。
とは言えず…。
リオ『ぁあー もう!…つまんない…』
リオは座り込み、おもむろに人形の長い髪を、手グシでとかしながら束ねると、首の後ろに名前が刻まれているのに気付いた。
リオ『何コレ?…この子(人形)の名前かなぁ?…メアリー…?』
と、その時!
(助けて)
幽かに女性の声が聞こえた!
リオ『何!?今の!?』
辺りは昼間だが森は木々が鬱蒼とし、薄暗い。
それに荷馬車は幌付きだ。
人目を避ける為、ジライヤはあえて整備のされていない獣道をひたすら進む。
よもやすれ違いも困難な崖の下り道を進んでいた。
荷馬車は揺れる。
ミフネは刀を抱きながら眠りこけている。
リオ『………オバケとか無理無理……見えても見えてないフリするし…』
すると
また先程の女性の声が…
(助けて ガンドラゴン …私を…)
『私を!置いてかないで!!』
今度はハッキリと聞こえた!
人形が喋った!!
リオ『キャーーーー!』
慌てて人形を真上に放り投げるリオ。
ドタバタ狭い荷馬車を走り回る。
そして
ミフネの腹に馬乗りになり揺さぶり起こすリオ。
リオ『隊長ぉ隊長ぉ隊長ぉ隊長ぉ!もう無理もう無理もう無理!』
激しく揺さぶられる荷馬車。
異変に気が付き振り返るジライヤ。
荷馬車の小窓からは仰向けになったミフネの上で激しく上下するリオの姿。
ジライヤは何を感違いしたか、顔を赤らめ小窓を閉じる。
※ジライヤは可笑しなお面を被っていますが…。
ソワソワしながら手綱を操るジライヤ。
呼吸が荒い…。
すると
突然!目の前に時空の歪みが発生し!
何かが次々飛び出してきた!
驚き暴れる白馬と黒馬!
次の瞬間!
時空の歪みは小さな球体となり、ジライヤに向かって飛んできた!
突然の出来事であった!
バチン!
ソレがジライヤにぶつかると身体は60センチ程の人形に姿を変えられてしまう!
まさに
悪魔の所業か?
下り坂は緩いカーブになっていて目の前は崖だ!
そして
コントロールを失なった荷馬車は勢いよく崖めがけまっすぐ下る!!
黒馬は曲がろうと向きを変えた!
白馬もそれに従う!
しかし無情にも遠心力で白馬を繋いだまま荷馬車は崖へと片輪を滑らせ落ちる!
黒馬は物凄いパワーで落ちる荷馬車を引き上げようと堪えた!
崖には堕ちず耐えたのだ!
宙吊りになる荷馬車と白馬!
信じられない馬力で、必死にもがき!堕ちた荷馬車と白馬を引き上げようとする黒馬!だがやがて引きづり落ちる。
が!
次の瞬間!
重さに耐えられなくなった荷馬車と黒馬を繋ぐベルトが痩せ細り切れた!!
荷が軽くなり勢いよく崖を駆け上がる黒馬!
ミフネ達を乗せた荷馬車は白馬諸共、谷底へと堕ちていく…。
荷馬車は転がるように堕ちた。
横たわる白馬。
黒馬はしばらくその場を行ったり来たりして立ち去ろうとはしなかった。
白馬はピクリとも動かない…。
ミフネは?
リオは?
無事なのか?
ジライヤとおぼしき人形もまた、ピクリとも動かない。
そんな中
奇跡的にも無傷な二人。
リオ『………ここどこ?』
立ち上がり頭を振るリオ。
ミフネ『…地獄の三丁目?ではなさそうだ…足もある…』
あぐらをかいたままだ。
リオ『え…あんな高いところから落ちたの!?』
見上げると黒馬が顔を覗かせている。
ミフネ『ふーぅ たいした高さじゃなくてよかった…』
リオ『いやいや ちょっと20メーターくらいあるんだけど!』
ミフネ『…もしかしたら オレ達はとっくに死んでるのかもな…』
そう言いながら散らばった金貨を拾い集めるミフネ。
ミフネ『…ほれ リオ …渡し船が来たら渡せw』
ミフネはリオに金貨を三枚手渡した。
リオ『え?…ハイ…いやいや 三途の川じゃなくて…て!?自分は何枚金貨パクってんのよぉ!』
と、次の瞬間
ミフネの眼つきが変わる!
ミフネ『しッ!?…何かいる!?…』
口元に人差し指を添えて黙らせる。
リオ『え?』
ミフネ『まずい! 囲まれた!!』
その言葉と共に、リオも殺気を感じとった!
バンバン!
銃声が鳴る!
ミフネはリオの前に立ちはだかり銃撃を鞘で防ぐ!
鋭い眼つきだ!
ミフネの愛刀"紅刃の竹虎"(ベニバのタケトラ)の鞘に2発の銃弾がめり込む!
その"朱い鞘"はまるで竜の鱗。
ミスリル銀製である。
すかさず弾道上に走り込み、ミフネの背丈程生い茂る草ごと抜刀!!隠れた敵を斬りつける!!
シュピン!
ズバッ!
一度かがみ下段から抜刀し拳銃ごと腕を切り落とすと、刃先を返し頭部から袈裟に斬り落とす!
ビュッ!
チン!
血振り!
納刀!
ミフネ『手応えが無い…』
まるで小さな小動物を斬ったようだった。
バンバン!バンバン!バンバン!
銃声が鳴る!
リオが華麗なバク宙を連続で決め全て交わす!
ついで
不規則に飛び回り敵を撹乱させる!
その指先は楽器を奏でる様な不思議な動きをしながら、中央付近に無言のまま着座する。
すると!
茂みの中から4人の小人が飛び出しリオに襲いかかる!
いや、小人ではない!人形だ!!
牙の生えた不気味な人形はナイフを持っている!
一斉にリオに飛びかかる!生ける人形達!
下を向き伏せたままのリオ!
ミフネはリオを助けるべく走り込むが、違和感を覚え立ち止まる!
次の瞬間!
凶悪な人形達は空中でピタッと止まる。
4体共に宙に浮いたままだ。
リオ『…忍法…蜘蛛糸縛り』
可愛らしいリオの声色が恐ろしく低く変わる…。
戦闘モードの鬼神。
カムイ・リオ登場である。
立ち止まるミフネの頬に見えない糸が触れ…血がにじむ。
ミフネはゆっくりと後ずさる………つづく
次回 【恐怖の人形館】どうぞお楽しみに