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Re: 零fighter山鷹隊 ( No.38 )
日時: 2015/11/09 15:00
名前: ワタル (ID: vlOajkQO)

【迫りくる刺客!】

そこは…

さしずめ…ミュージアム…。
この空間だけは異質で、周りをベールに包まれていて、
きらびやかに間接照明が施されていた。

そこに、几帳面に陳列される美しい球体関節人形達…。


しかし、

どれもみな…哀しげな表情を浮かべている…。

この部屋には敵はいない様だ…。
殺気も微塵に感じられない。

ふと、
何処からともなく、聴こえてくる…宮廷楽団の調べ…。

ミフネ『…この曲は?聴き覚えがあるな…』

リオ『…んーと…これって…"G線上のアリア"…?じゃない?』

※J・Sバッハ:G線上のアリア 管弦楽組曲 第3番 ニ長調。

ミフネ『…ほう…それにしても この感じ…ここが敵地だとは思えんな…』

小さく、独り言を呟くミフネ。

リオ『隊長ぉ この子の服 可愛いw』

ミフネ『ん?…ああ…良い趣味してる…』

リオ『てか 隊長ぉ 今のうちに"SOS"送った方がいいかなぁ?』

ミフネ『ああ…頼む この先に強敵が潜んでいる気がしてならないからな…』

リオ『スマホ壊れちゃったから コレ渡されたのwいいでしょw』

そういうと、ニヤニヤしながら腕にはめた通信機を見せるリオ。

ミフネは『何だ?腕時計か?』と興味薄だ。
リオは『ちがうもん!』と膨れっ面だ。
オコだ。
激おこプンプン丸だ。

ポチッ

リオのSOS通信により24時間以内に緊急ヘリの助けが来る。

裏を返せばそれまでにジライヤを助け出さねばならない!

ミフネ『さて あそこに見える重そうな扉以外進む道はなさそうだ…行くぞ』

リオ『かしこまりw』

先を行くミフネに、おいて行かれまいと小走りで進むリオ。

ギィイイイ

分厚い扉を開けると、そこは…
先程までとは、うって変わって湿気の漂う不気味なレンガ造りの回廊…。

薄暗く…
ここだけ何故か、チープな裸電球が連なる…。

ミフネ『…地獄の入り口ってとこか…』
リオ『…こわ…隊長ぉ お先にどうぞ…w』

ミフネとリオは、警戒しながら回廊に歩み入る…。


_G線上のアリア…その音色は二階の食堂から流されていた…。

そこには、

優雅に食事を愉しむ一人の姿。
いや…二人とも言うべきか…。


縦に長いテーブルの端と端に向かい合わせに、座るギル。
対面に座るのはメアリー。
と言っても座らされているだけの人形ではあるが…。

パペットマスター・ギル『メアリーさん スープはお気に召しませんか?冷めてしまいますよ オホホホ』

ひときわ美しい、球体関節人形メアリー。

その頬に一雫の涙が溢れ、床に落ちる…。


ポチャン

リオ『ひゃん!』

ミフネ『どうした!?』

リオ『あはw 水滴w』

ミフネ『おどかせやがってw…しかしこの手の場合 上を見上げるとクリーチャーてきなヤツがいて襲いかかってくるパターンだよな?』

冗談を交えながら進むミフネ。

リオは頭上が気になって上を見ながら歩く。

回廊の先にまたも分厚い扉がある。
その手前に道を遮る様に木箱が置かれていた。
ミフネはソレを避けながら扉を開け部屋に入る。

リオは足元に木箱があるのがわからずぶつかる。

ドカッ

リオ『きゃっ』

ミフネが部屋に入るとドアノブが勝手に動き、扉が閉まる!

ガチャン!


そこは薄暗く…
何かの実験室か!?
はたまた霊安室か!?

無数のテーブルには、人の様な者が寝かされシーツが掛けられている…。

ミフネ『なんだ!ここは!?』

すると
その寝ていた者達が、次々とゆっくり動き始めた!
その動き!
まるでゾンビ!

朽ちた人形を張り合わせて造られた。パペットゾンビだ!

今までの小さい小鬼型の戦闘凡用タイプと違い大きい!ヒューマンサイズだ!

ミフネは扉を背にして戦闘態勢に入る!

瞬時に敵の数を把握するミフネ!

その数!8体!!


回廊に残されたリオは、ドアノブを廻す!

ガチャ
ガチャ

開かない!鍵がかけられている!

リオ『隊長ぉ!開かない!大丈夫なの!?』

扉の向こうからミフネの声が聞こえる。

(コッチはヤバイ状況だ!まるでホラー映画だ!)

リオ『隊長ぉ!』

ダン!ダン!ダン!

分厚い扉を叩くリオ。

リオ『他に通路はないの!?』

回廊を戻るリオ。

しかし、入って来たミュージアムに続く扉の方も開かない!
鍵が掛けられていた!

と、その時!

邪魔くさく置かれていた木箱に、異変が起こる!


バリバリ!
ブィィイイイイン!!

木箱の天板を突き破りチェーンソーが飛び出す!

リオ『なに!?なんなの!?』

ブイイイン!
ブリィリィン!
ブリィリィリン!

木箱の天板を四角にくり抜くと、現れる不気味な人形の姿!

甲高い笑い声!

『キャハハハハハ!』

リオ『何者!?』

『アナタ…アタシより可愛いわね?少し切り刻んで醜くしてあげようかしら…』

リオ『はぁ?馬鹿じゃないの!?そんな事させないし!てか!名を名乗れ!』

『キャハハハハ!!!…冥土の土産に教えてやろうか?アタシはギル様のお気に入りパペットの1人……"解体人形マミコムX"よ!』

得意げに見下す様な喋り方だ!

パペットマスター・ギルの第1の刺客!

"解体人形マミコムX"登場!!

リオに襲いかかる!

ブィィィイイン!

ギャギャギャ!

ギュイン!

チェーンソーを振り回し、壁を斬りつける!

火花を散らし襲い来る!

攻撃をかわすリオ!

執拗に襲い来るマミコム!

マミコム『キャハハハ!フン!フン!フン!』

パリン!
パリン!
パリン!

裸電球が立て続けに割られた!

マミコム『キャハハハ!!! アナタ暗闇はお好き!?フン!』

ブイイイイイン!
パリン!

避けるリオ!
最後の電球も割られ回廊は真っ暗だ!

リオ『わたし!暗いの大っ嫌い!』

ボン!!

リオが何かを投げつけると少量の火薬と共に弾ける!
辺り一面に光が輝く!

リオ『…忍法! 光苔!』

マミコム『ぐぎぎぎぃー!前が見えない!前が見えない!』

狂ったようにチェーンソーを振り回す!

ガリガリガリ!
ガシュ!
ギュジジジジ……

チェーンソーのブレード(刃)部分がレンガの目地に挟まりロックする!
マミコムXは飛散した光苔が顔にかかり、視界を塞がれ前が見えない!

リオ『こんな狭いところで そんなん振り回したら!…危ないでしょ!!』

リオは垂れ下がる裸電球のケーブルに飛び付きぶら下がる!

リオ『ハッ!』
パシ!

さらに!

振り子のように反動をつけると…回転!

グイン!!

視界を塞がれ、受け身の取れない無防備のマミコムXの胴体めがけ、勢いよく両脚蹴りを見舞う!!

リオ『でぇーいッ!!成敗ッ!!』

ドドドス!!
クリティカルヒット!!!

マミコムX『グヘェ!!』

マミコムXは、宙を舞い放物線を描き、木箱にホールインワン!

リオ『ナイスショットw』

ケーブルにぶら下がり勝利を確信するリオ。

着地して"解体人形マミコムX"の様子を伺う…。


__その頃ミフネは…

既にパペットゾンビを半数駆逐していた!
残るは4体!

迫り来る攻撃の手を切り落とすと、突く!

さらに突進!
後方のゾンビ諸共!二体を突く!!壁に追いやる!

ソレを足蹴に刀を抜くと連続して首をはねる!

崩れ落ちるゾンビ!

残るは二体!

ミフネ『よし!…一気に行くぞ!』

一度抜いていた刀を鞘に納刀すると、かがみ込み抜刀の構え!
気を溜める!
すると!ミフネの身体周辺にに青白い気迫が漂う!


そこへ…ヨロヨロと迫り来るゾンビ!

間合いに入るまで待つ!
ミフネはまだ動かない!

二体のゾンビはヨタヨタとミフネに近づき攻撃態勢に移る!
急に素早い動きのゾンビ!
ミフネの間合いに入った!

今だ!!!

ミフネ『奥義!羅生門!!』

キュピィィィン!

シュバ!シュバババババババ!

ザンッ!

ザンッ!

ザンッ!

ザンッ!

一瞬"カマイタチ"の様に風が吹いたかと思うと、刃が飛び交う!
そして、獲物を斬り刻む!
ミフネの身体は宙に舞い、テーブルの上に回転しながら着座する!
回転が止まると同時に納刀される"紅刃の竹虎"。

チン!

ドサ!

ドサ!

ミフネ『…やったか?』

すると、

奥の方にもう一人の敵の姿がある事に気づく!

その姿!

まるで司令官!

恐るべし!一切の気配を消していた!

と、同時に倒したはずのパペットゾンビ達が蘇り動き始めた!

さらに!

背後からはチェーンソーの音が鳴り響く!

ブィィィイイイイン!

そして!

バリバリ!
ブリィン!ブリュイン!

分厚い扉をチェーンソーが突き破り!その刃を覗かせる!……つづく


次回 【第2の刺客!パペットゾンビ司令官β!登場!】どうぞお楽しみにw