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Re: 零fighter山鷹隊 ( No.40 )
日時: 2015/11/11 23:08
名前: ワタル (ID: vlOajkQO)

【最後の刺客!強敵!鬼鎧絡繰武者Z!】

リオの目に映る鎧武者!

兜の飾りにアルファベットの"Z"の文字!

リオ『隊長ぉ!!』

手甲の矛先を鎧武者に向ける!

リオ『忍法!蜘蛛…い…と…!ん!?』

足元に違和感を感じ、下を向くリオ…。

そこには!
黒焦げになったマミコムX!!リオの片脚にしがみつく!!

リオ『げっ!?何コイツ!?しつこ!』

と!

その時!

鍔迫り合いに決着が着いた!

ガキィィーン!


フォン!

フォン!

ザクッ!


一本の刀が弾き飛ばされリオの目の前の床に刺さる!

リオ『隊長ぉ!!』

焦りミフネの方を見るリオ!

リオが見たものは…
両手で天高く斬り上げ、掲げられた"紅刃の竹虎"!

そう…
弾き飛ばされた刀はミフネの拵えではなく…。

鎧武者の刀であった!

敵はミフネの2倍のサイズのデカブツ。
とはいえ、三下(さんした)相手に負ける命(たま)ではない!

ミフネは返す刀で、鎧武者の利き腕を切り落とし退避!

しかし鎧武者は痛みを感じない様だ。
何事もなかったように、床をバタン!と踏むと絡繰の床が反転して槍が飛び出す!
左手でソレを掴むとミフネを連続した激しい突きで攻撃!

ミフネは素早い"刀さばき"でかわす!

リオ『隊長ぉ…強い!』
感心したのも束の間…

不意に足元を見る…マミコムXの存在を忘れていたw

すると!

マミコムXの焦げた瞳が、何やらカウントを始めているではないか!!

既にカウントは2秒前!

リオ『何カウントしてんの!?コイツ………!!』

…1

…0


ボォン!!

一瞬の出来事であった!!

木っ端微塵…。
細々と紫色の忍者服が散る…。

まるで桜吹雪…。


爆発に動きが止まる鎧武者!すかさず槍を斬り叩くミフネ!
そのまま、しゃがみ込み鎧武者の足首を斬りつける!

流れるように刀を納刀して、半分に折れた槍を拾うと渾身の体当たりで土手っ腹に突きを入れる!

貫通!!

鎧武者はくるぶしの関節部分が故障したため、踏ん張りが効かない!

そのまま壁に押し付け串刺しにした!!

ミフネ『リオ!』

ミフネは散らばった忍者服を見つめる…。

ストッ

着地。

下を向いたミフネの視界に誰かが近づいてきた…。

リオ『…忍法 空蝉(うつせみ)の術』

そこには"鎖かたびら"姿のリオ。
全身タイツならぬ全身"鎖かたびら"だ!

※空蝉の術…空蝉(うつせみ)とは、蝉(セミ)の脱け殻を指す。転じてすなわち脱皮の如く難を逃れる忍術である。

うつむくミフネを覗き込むリオ。

リオ『…あれ?隊長ぉ?泣いてないの?』

ミフネ『…泣かねぇよw…お前の気配は感じていた…』

言いながら歩き、部屋の壁を触るミフネ…。

ミフネ『この壁の向こうが…書斎か?』

ミフネは妖刀から発せられる殺気を感じとっていた…。

恐らくリオの小太刀は天井に刺さったまま鞘に納めておらず、そのままの状態なのであろう…。

しかしこの部屋の四隅は壁…扉など無い。

奥に点検口の様な天窓が有り、猿梯子があるだけだ…。

※猿梯子(さるばしご)とは、いわゆる屋外の壁などに取り付けられているハシゴの事である。

すると…

鎧武者が再び動き出す!!

ミフネ『まずい!奴が動き出したぞ!』

リオ『今度は任せて!』

リオはまた、手甲の矛先をターゲットに向ける!

リオ『忍法!蜘蛛糸殺陣!(くもいとさつじん)』

シュバ!!

ザン!!

一瞬煌めく!次の瞬間!

鎧武者は縦じまの如く切り刻まれる!

(もしかしたら1番強いのはリオじゃねぇか?)心の中で呟くミフネであった…。


パペットマスター・ギルの最後の刺客!
鬼鎧絡繰武者Z(おによろいカラクリむしゃゼット)撃破!


ミフネとリオは猿梯子を登り天張りを開ける。

バタン!

そこは屋外であった。というよりは屋上。
通常の屋根はなく。陸屋根だ…。

※陸屋根(ロクヤネ)とは、ビルの屋上などに用いられる構造である。

ミフネ『なんだ?屋上か?』

霧の様な靄(モヤ)がかかり視界が悪い…。
続いてリオも上がってくる。

リオ『なにここ?』

数メートル先の視界も見えないくらい湯気が立ち込める…。

リオ『温泉?』

リオが何かを発見した。

後を追うミフネ。

リオの行く手に不気味な程に馬鹿デカイ、上半身だけの大きな観音像が現れた。
その腕に包まれるようにして、大浴場の様な物がある。

そこに、湯船に浸かる人影…。

ミフネ『なんだここ?風呂か?』

ミフネの目に裸体を露わに後ろ姿で立ち上がる女が見えた!
斜め背後からでもわかる程の大きな乳房。
腰はくびれ安産型の大きな尻…。

リオ『ちょ!隊長ぉ!見ちゃダメ!』

興味津々のミフネの目を、慌てたように飛びつき両手で塞ぐリオ。

その女は、こちらに気付き向き直ると黒いローブを羽織る…。

揺れる乳房と…股間にぶら下がる異常に太く長い黒い物体。
リオはその体を見て驚愕する…。

そして…
その者は大きな鎌を手に取る…。パペットマスター・ギルだ!
凍る様な視線ではあるが、顔は整い黄金比。紛れもなく美しい女性だ。


ミフネ『おい!りお!攻撃されたらどうする!?』
リオはヘナヘナと尻餅をつく。

放心状態だ。

ガタガタブルブル

小刻みに震えるリオ…。

リオ『…ゴーヤや……実り過ぎたゴーヤが生えちょる…』

ショックでヘラヘラし始めるリオ。
高熱を出したように息遣いが荒い…。

(一体リオの目に何が映ったと言うんだ!
何かの術をかけられたのか?
オレはリオに眼を塞がれて術を免れたのか?)
自問自答を繰り返すミフネ。

※注意、ミフネはギルの後ろ姿しか見ていませんw

すると
ギルは感心した様に話し始める。

ギル『私の可愛いパペット達を倒して此処まで辿り着けるとは…敵ながら褒めて差し上げましょう…オホホ』

ミフネ『ギル!いや…ギル嬢!ジライヤを返して貰うぞ!』

刀を抜くミフネ。

ギル『どうぞ ご自由に…貴方のお友達なら…あちらの階段を降りた正面の部屋の書斎におりますよ…無事に帰れるといいですね……ちょうどこの屋敷にも飽きてきたところです…それでは私はこの辺で…失礼遊ばせ…オホホホホ…』

そう言うと

ギルはパチンと姿を消す。

テレポーテーションだ!

ギルの姿が消えると共に、館にある美しい少女の球体関節人形も、全て忽然と消えさる…。
無論、メアリーも。

此処とは違う空間にテレポートされた。

只、ジライヤの入った鳥籠だけを残して…。

ミフネ『待て!…クソッ!消えた!テレポーテーションってやつか!?』

リオ『…ゴォーヤァーチャンプルゥ…ゴォゥ…イヤ』

ミフネ『おい!リオ!しっかりしろ!』

ボキボキ!

ミフネはリオの背後に周り骨接ぎをする。

リオ『れ?隊長ぉ』

正気に戻るリオ。

周りを覆っていた霧の様な靄は晴れ、大きな影が二人を包む。

リオ『たたたた隊長ぉ…後ろ…後ろ…』

あわわ

ミフネ『ん?今度はなんだ?大怪獣ゴ◯ラでも現れたか?…』

振り返り青ざめるミフネ。

ミフネ『…って…嘘だろ?なんだ!コイツは!?』

『ブゥオォオオオオオオオオー!』

ソレは…
馬鹿デカイ上半身だけの観音像!
魂が宿り動き始める…。

その姿!

三面六臂(サンメンロッピ)の阿修羅像!!

馬鹿デカイ!

ソノ巨体は始めて人間を目にするかの様に、興味深そうにミフネに顔を近づけてくる!

その距離!僅か一分五厘(イチブゴリン)

※因みに一分とはメモリの事で3ミリ程だ。五厘は一分の半分。

ミフネ『…リオ 向こうに見える階段を降りた先にギルの書斎がある!"九字切刀"はそこにある!早く行け!ここはひとまずオレに任せろ!』

リオ『か…かしこまり!隊長ぉ!死なないでよ!』

階段に向かい走るリオ!

ミフネ『…奥義!』

ジリジリと摺り足で大股に屈み込むと、抜刀の構え…。
朱い竜の鱗の鞘が天を向く…。
周囲の空気が止まり…"紅刃の竹虎"に気が集まる………つづく。


次回 【救出のヨシュア!刀剣四姉妹!見参!】どうぞお楽しみにw