コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 零fighter山鷹隊 ( No.44 )
- 日時: 2015/11/28 19:22
- 名前: ワタル (ID: vstNT7v3)
【魔界の渦】
光世が攻撃の最後の一手を、屈み体制で終えると、すかさずその背後から背中合わせに反転しながら回転斬りをする小夜!
斬り終わるや否か、下になっていた光世が小夜を踏み台代わりに飛び上がる!
小夜の肩当てには光世の足型が付いている…過去に幾度となく反復した証しだ!
高くジャンプした光世は再び阿修羅の肩甲骨に二刀を深々と突き刺し!押し込む!!
どうやら阿修羅の急所であろうか?
苦痛にもがき、嫌がる!
次の瞬間!
深く刺しすぎてしまった光世は刀が抜けず、僅かに隙が生じる。
阿修羅の腕に捕まり投げ飛ばされる!
ドフッ!!
光世『う!』
背中を打ち付け、一瞬呼吸が止まる!
痛烈!!
小夜『姉者!』
苺果『姉上ェ!!』
駆けつけようとするミフネ達の前に突如!館から踊る様に無数の湾曲した剣がゆっくりふわふわと、浮遊して飛んでくる!
やがて空中で整列したかと思うと、猛スピードで迫る!6本の刀!
湾曲したソレは、西洋刀"シャムシール"だ!別名三日月刀。
3本が苺果を襲い!
2本が小夜を襲い!
残る1本が光世を狙う!
回転しながら二刀の小太刀で応戦する小夜!
キンキン!
弾き飛ばした!
抜刀せずに"下げ緒"でキツく結ばれた鞘ごと叩く苺果!
ゴイン!
コキン!
カッキーン!
フルスイング!
※下げ緒。とは…鞘を帯に帯刀する際に用いる紐の事である。
そして!
残る1本!
倒れて受け身の取れない光世の首めがけ!
シャムシールの一撃が振り下ろされる!!危ない!!!
ミフネ『百歩神剣!』
シュババッ!!ポゥン!!!
間一髪!
光世『……ミフネはん?…おおきに……(ボソ)』
全身を強くうち、立ち上がれない様子の光世。かすれる声で呟く。
ミフネ『…マズイ………意識が朦朧(もうろう)とする……ん!?アイツは何だ!?』
バタッ
何かを発見したが、気絶するミフネ。
やがて散らばった6本の剣は阿修羅の手の元に吸い寄せられる。
苺飴を頬張り…小走りで人形の山の影に隠れる苺果。
小夜『はぁ…はぁ…こいつ…強すぎる…』
肩で息をする小夜。
両腕が鉛のように重くダラリと垂れ下がる…。
阿修羅は動く物に反応するらしい。
小夜の脇を通過して隠れる苺果を追いかける!!
脚がない為、移動は6本の手!
テケテケだ!
今度はシャムシールを地面に突き刺し、大地をほじくり返しながら迫り来る!!
さながら耕運機!まるで暴走トラクター!
背中には、光世の二刀が刺さったままだ!
小夜『くっ!…させるかぁ!!奥義!六六ッ!!…輪!?…』
小夜が動いた瞬間!
阿修羅は狙いを変えた!連撃の餌食となる!
ギャギャギュイイイン!!!!
鉄と鉄が擦れる様な激しく鈍い金属音!
火花散る!!
小夜『ぐはっ!』
小夜は…上空高く飛ばされ…最高到達点からゆっくりと天地逆さになると…
落下!!
小太刀二刀は回転しながら地面に突き刺さる!
歯こぼれしまくりの小夜の小太刀…これではいくら達人だとて斬れはしない。
小夜は頭から落ちていく…。
震える苺果…。
頭隠して尻隠さず
既に苺飴を頬張り過ぎてハムスター状態だ!
もう駄目だ!涙目苺果!
小夜の激突も免れない!
この高さ!
この速度!
きっとグチャってなる!
苺果以外の全員が…!?
戦闘不能!!
及び!
意識を失っている!!!!
万事休す!!!!!
………GAME OVER……。
___読者の皆さん!これまでご自愛頂き誠にありがとう御座いました!
一部地域にてコレより放送が打ち切りとなります!(ナレーション)
なんつってw
諦めかけた…その先に…幸運は訪れる!
ブオオオオオオン!
キキキキキキー!
バサッ!
隼の如く空中で小夜を受け止め着地!
ニンジャマスター・ヨシュア見参!!
超々長剣使い:切丸蔵袮々(きりまるくらねね)参上!
二人乗りのリバーストライク(3輪逆トライク)"ウォンイット"に乗り込んでの登場!
カラーリングは、マッドブラック。赤いラインを引いたヨシュア仕様だ!
ふてくされ気味に座り、肩に大太刀を構えるのは袮々、はみ出た化物級の長剣!
真打(しんうち)登場!
小夜(だれ…?…暖かい……)薄れる意識の褐色娘。今だけ素直だ。
ドッドッドッドッ
排気音。
やはり阿修羅は盲目だ!
音や気配に過剰に反応する!
阿修羅は、袮々の乗る逆3輪トライク"ウォンイット"に襲いかかる!!
グオオオオオオオオ!!!!
暴走トラクター再び!!
袮々『来た来たぁーーーー!妖怪退治の袮々様ぁたぁ(とは)アチシのコッテイ!!(私の事です)』
ブオン!!
長すぎる長剣の為、普通に抜刀するのは不可能!なにせ刀は2M。
身長が5M近くある者なら話は別だが…。
では、どうやって刀を鞘から抜くか!?
そう!
刀を抜くのでなく鞘を後方に飛ばすのだ!
両手で!
鞘を飛ばし、剥き身になった大太刀を振り上げる!
発光する刃渡り2M超の刃!
この数秒間!光を浴びた全ての者が金縛りに合う!
阿修羅の動きも止まった!!
袮々『百鬼夜行(ひゃっきやぎょう)!魑魅魍魎(ちみもうりょう)!悪霊退散(あくりょうたいさん)!妖怪懺悔(ようかいざんげ)!悪魔昇天(あくましょうてん)!登下校w(とうげこうわら)……奥義!!!!大神天神獅子落とし(おおがみてんじんししおとし)!!』
カラッカ!!(バチの音)
ドドン!!!!(太鼓の音)
ズン!!!!(斬撃の音)
阿修羅真っ二つ!!
パカッ
ズシン…。
景色が覗く。
※過去に下げ緒で縛ってあるのを忘れて刀を丸ごと後ろに投げ飛ばしてしまい、
妖怪総督ぬらりひょんに負け拉致られるという苦い経験のある袮々。
以来そのような凡ミスは無い。
ヨシュア『やったか!?』
袮々『一丁あがりぃ!』
倒れた仲間たちを見渡し哀れむヨシュア。
すぐに切り替わる表情。
クールな態度…。
ヨシュア『ミフネ…リオ…光世…お前達ともあろう者達が…なんてザマだ!』
ヨシュアは小夜を寝かせ、地面に刺さった小夜の小太刀を抜く。
ヨシュア『こんなボロボロになるまで手入れもせずに…刀のメンテ不足は命取りだというのに…言えば刀の1本や2本手配したのに…くそっ』
苦虫を噛むヨシュア。
すると…
口を開く光世。
光世『…ヨシュアはん?…おおきに…でもな…わての妹達は アンさんに気ぃつこうとるんよ…』
ヨシュア『…何だと!?』
袮々『み…光世姉ぇ!生きてた!』
大太刀を置き、駆け寄る袮々。
すると
倒したはずの、阿修羅がグラグラと動き出し復活する!
ヨシュア『まさか!?』
光世『…一つ言い忘れちょりました…コヤツめは……ケホッ…ケホッ……何度斬りようと復活しよる…何度倒しても蘇るんよ…』
必死に起き上がろうとする光世。
袮々『光世姉ぇ!もう喋らなくていいから!動かないで!死んじゃうよぉ!』
蘇生を始める阿修羅!
ヨシュア『なにぃ!?不死身だとでも言うのか!?……クソ!忍法!火炎乱玉(かえんらんだま)!』
ボン!
ボボン!
ボン!
火の玉が阿修羅を焦がす!
しかし蘇生中の阿修羅には無効化だ。
焦がした側から蘇生する。
ヨシュア『馬鹿な!!』
と、その時、ヨシュアの耳に不意に声が聞こえた気がした。
(阿修羅は盲目 操り人形 …本体は館にいる!)
ヨシュア『ミフネ!?』
ミフネの声に振り返るが、以前気絶したままだ。
館を見るヨシュア!
ヨシュア『忍法!千里眼(せんりがん)!』
まるで望遠鏡!
いた!
館の窓際に隠れるように、司令官風の男!帽子にα(アルファ)のマーク。
ヨシュア『そこか!?忍法!狩猟豹(しゅりょうひょう)!』
ジジジ
ノイズと共に瞬間移動のヨシュア。
次の瞬間!
ジジジ
再びノイズ音。
パペット司令官αの背後に現れるヨシュア。
ドス!
突き刺し貫通!ヨシュアの愛刀"ジャマダハル"だ!
パペット司令官α『貴様!いつの間に!?ガハッ……そんな攻撃かわせる訳が無いダロ?………無敵過ぎるダロ?…ガク…ダロ?』
すると
暗転!!
黒い不気味な渦が上空に現れた!まさに!この世の終わり!………つづく
次回 【蜻蛉(かげろう)四十師団 8番隊隊長!ヨシュア・ザ・サーバイン】
どうぞお楽しみにw