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Re: 零fighter山鷹隊 ( No.46 )
日時: 2015/12/08 17:48
名前: ワタル (ID: VB7Q11rn)

【砂漠のコロッセオ(闘技場)】

そこは砂漠…

ジリジリと照りつける太陽…

フィールドバック(雑袋)をぶら下げて歩くラクダの姿…
大概は水の入った革袋だ…
フード付きのローブを纏(まと)った女が乗る…。

背中にバックパック。
足元はベージュのタクティカルブーツ。
手綱を握る手には黒いタクティカルグローブを装備。指先はないハーフタイプだ。

首筋に滴る汗…。
白いタンクトップの胸元は汗で滲む…。
黒いサスペンダー付きのベージュのホットパンツの腰から取り付けられたガンホルダー。
その両腿にハンドガンを装備。

2挺拳銃シラヌイ・ユーイだ!!

ユーイ『あちー……てか…ここどこ?』

バルファルディー ゴーグルのサングラス部分を上に開き、辺りを見渡す…。
※2層構造で開閉式のレトロなクラシックデザインのゴーグル。

そう!
ユーイは方向音痴だったw

しかし…
いつも紆余曲折(うよきょくせつ)はするが、最後にミッション遂行してみせる…結果オーライ型だ。

デス・プリズンから持ち出したダートバイクは砂漠の手前の街で売り飛ばし、その金でラクダを購入していた。

揺れる陽炎(かげろう)…灼熱の中…倒れた子供の人影を発見した!

ユーイ『あれは!?』

ラクダを走らせ駆け寄るユーイ。
こんなところで生きていられる訳が無い。
飛び降り抱き起こすユーイ。
しかし…まだ息がある!

が!?

それはモグラ人間だった!

砂漠で倒れたフリで旅人を騙し盗みを働く、盗賊稼業モーグリー族だ!

ブシュ!

モーグリーは毒霧を吐いた!
まともに喰らえば失明は免れない!
幸いにもゴーグルを装備していた!

ユーイ『ブワッつ! え!?何こいつ!?』

困惑して怯むユーイ!
モーグリーはラクダを奪い取ると口笛を吹く!

ピゥーゥイ!

すると
砂に隠れ身を潜めていた2匹のモーグリーが現れラクダに飛び移る!
そのうち1匹はクロスボウを武装している!

逃走!

追うユーイ!

ユーイ『まてぇー!こらぁぁ!』

ダン!

ダン!

ユーイの愛用銃グロック18Cマシンピストルが火を吹く!
※セミオート(単発)、フルオート(連射)切替可能。

モーグリー『プギィ!!』

ドサッ

見事命中!

落ちた丸腰のモーグリーを飛び越え追うユーイ。

だが、砂に足を取られ思うように走れない!

やがて離される。
狙いが定まらない…。

モーグリーが遥か遠く、少し小高い砂丘に差し掛かる頃にはユーイは走る事を諦め歩き始めていた…。

ユーイ『ああーもう!こんな事なら残りの水全部飲んでおけばよかったー!』

落胆した表情で、首から下げた僅かに残った水の入った革袋を握りしめた。

その時!

ドーーーーーーン!

突然!砂柱が上がる!
砂丘に消えたモーグリーが、ラクダと共に舞い上がる!

宙に舞う2匹のモーグリー…1匹が空中で砂柱に喰われた!
ソレは巨大なミミズのような砂漠のモンスター。

サンドワームだ!!

うねりながら捕食する!
丸く開いたデカイ口には無数のノコギリのようなギザギザの歯が連なる。

捕食を免れたラクダが一目散に戻ってくる!
続いて生き残った武装したモーグリーが、チマチマと小走りに短い足で必死に逃げる!

ユーイ『うわ!何あのバケモノ!!…ラクダちゃん!早く逃げてー!こっちおいでー!』

走るラクダとモーグリー。
サンドワームのオマケ付きだ!
モコモコと地中の砂を掘り進みコッチに来る!

ユーイ『ゲ!やっぱ来ないでェェーーー!!!』(汗)

逃げるユーイ!
追いつき追い越そうとするラクダ!
並走して、飛び乗るユーイ!お見事!

振り返るとモーグリーが勇敢にも闘っている!
クロスボウ連射!

が!

すぐに喰われた!

次はユーイの乗るラクダに迫り来る!!

ユーイ『ヤバいってーの!』

しかし、ラクダも流石に生命の危機を感じたか?
今まで見せた事のないスピードで走る!

迫るサンドワーム!

…その様子を何者かが伺う…
双眼鏡を覗き、ハイリフトのカスタムバギーに乗る。

ユーイは迫り来るサンドワームに対して、振り向きフルオートで応戦する。

一部始終を見ていた謎の人物。おもむろに…取り出す兵器。
バズーカ砲に酷似して異なるカールグスタフ無反動砲を構える。

※無反動砲とは、発射薬のガス圧を後方へ抜き、反動による砲身の後退をなくした火砲。歩兵が主として対戦車火器として使用。

スコープを覗きラクダに乗ったユーイを見てから照準をサンドワームに重ねる。
ロックオン!

次の瞬間!

チュ!ドォーンン!!

ユーイを喰らおうと大口を開けたサンドワーム!
呑み込む寸前で砲撃を喰らい!のけ反り沈む!

驚き縮こまるユーイ!
音のする方に振り返ると…
その場を立ち去る謎のカスタムバギーの姿。

タンカラーの迷彩バギーは日の沈む方角に向かい地平線の彼方へ消えていく…。

パチパチパチ…
燃えるサンドワーム…黒焦げだ…。

ユーイ『あれは一体…………だれ?』
ユーイは戸惑いながらも、西へと向かった。
日も暮れかかる頃、ようやく目指す砂漠の都が見えてきた…。

あのバギーの男が、道しるべとなった…。
石造りのローマ王国風のその都は砂漠のオアシス。
夕方だというのに人々で賑わう。

ここは貧富の差が激しい様だ…貴族もいれば乞食もいる。

しかし寒暖差が激しい為、日が沈んだ途端に肌寒い。

野宿は今日はやめておこう。
ユーイはラクダをその辺にある公共の柵に縛ると宿を探した。

ユーイ『えーと…ホテル …ホテル…と…お!あったあったw』

ユーイはホテルにチェックインすると、すぐさま水を浴びるように飲んだ。
ユーイ『ぷはぁー生き還るぅー』

そして、部屋にもバスルームはあるのだが大浴場を利用した。

ところが…
脱衣場こそは別々だったが中へ入ると混浴だ!

タオルを身体に巻いてるのはユーイだけである。
周りの人々は男も女も恥じらう事もなく当然な態度だ。
文化の違いに恥ずかしくなって隠れる様に湯船に潜るユーイ。
自信があるのか?これ見よがしにユーイの側を横行する男の姿。
パオーン(ゾウの鳴き声の音声)
ユーイ『………じー……』ガン見w
すると、
目の前にグラマーな女性が現れた。
胸にスワロウテイルバタフライのタトゥーをいれた筋肉質の女。
ユーイに背中を向け、後ろ向きに湯船に腰掛け半身浴だ。

男達はその女に注目して群がる。取り囲むようにして平然と会話を始める。
スワロウテイルの女も馴れた感じで恥ずかしがる事なく接する。
時折両手を上にあげ、胸を強調する様にして伸びをしてストレッチする…。

ユーイ『…なんなん?この状況……もうあがろかな…』
のぼせたユーイはそそくさと大浴場を後にする。
長い時間、火照った身体をクールダウンさせる為くつろぐ。

その間、スワロウテイルの女は出てこなかった…脱衣場を出る。
すると、
ホテルのあらゆる所にコロッセオのポスター。

闘技場の告知だ。

ユーイ『なに?これってバトルロイヤル?』

自室に戻る通路を歩きながら流し見する…。

と、何かに注目して立ち止まる!

ユーイ『ちょ!コレあたしぢゃん!』

そう!

8人の写真付き表の最後枠には、隠し撮りされたユーイの横顔がエントリー。
デュエル・ネームはユーイの通り名"ファイヤーボール"だ!

ユーイ『はぁ?聞いてないんだけど!てか日付け明日ぢゃん!』

壁に貼られたポスターを剥ぎ取る。
そして、注目株の砂漠の傭兵王"バーサーク"を確認した。

この、バトルロイヤルの覇者を仲間にすることが今回ユーイに与えられたミッションだ。
よもや一戦交えて判断セヨというヨシュアからのメッセージにも捉えられる…。

ユーイ『……そいうことね…面白い…やってやろうぢゃない!』

ポスターを丸め握り締める…。
血の気の多いシラヌイ・ユーイであった。

危険なバトルロイヤルのエントリー。
敵か味方か?謎のカスタムバギー。
様々な想いが交錯する中、自室に戻り再度シャワーを浴びるユーイ。
日焼け跡が残る身体を丁寧に洗い流す…。

………。

………。

バスローブに身を包んだユーイは、ルームサービスで食事を済ませると、来たるべき闘いに備え、旅の疲れを癒し眠りにつく。

翌朝早朝…コロッセオの開催を示す花火の合図が高々と打ち上げられた…つづく

次回 【砂漠の傭兵王】どうぞお楽しみにw