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Re: 零fighter山鷹隊 ( No.49 )
日時: 2015/12/14 19:36
名前: ワタル (ID: Kb4sFgR0)

【ゲートの罠】

木製の砦は傷みが激しく脆い(もろい)

重量型のベン・ケイン。

板張りの階段を登り迫り来る!

ユーイから姿は見えないが、ギシギシと階段を登る音がする。

周りこむ"ファイヤーボール"シラヌイ・ユーイ!

物陰に隠れ潜む!

人影が見えた!

ユーイ『これでも喰らえ!』


ズバババババババババ!

マシンピストルが火を吹いた!

20発入りのダブルカラムマガジンを2挺分使い切り床に落とすと、すぐさまリロード(装填)。

マガジンを口に咥え、手際良い。

しかし相手はジャガーノート!ビクともしない!

ユーイ『ジャガノ!!』

そうユーイはここで相手がジャガーノートである事に気づいた!

ガドリングの砲撃を受けた時は、敵の姿は確認出来ていない。

ふとユーイの脳裏にコロッセオのポスターが浮かぶ。

1人だけ顔半分のドアップの写真。ベン・ケイン!
あいつはジャガノだ!!

※ジャガーノートとは…止める事の出来ない巨大な力。圧倒的破壊力。の意。
ベン・ケインは重装機兵だ!

マシンピストルの攻撃を背後からまともに喰らうがノーダメージのベン・ケイン。
ゆっくりと方向転換する…鈍足だ。

すかさずユーイはベン・ケインの足元の板張りの床を狙い一斉射撃!

ジャンプしてベン・ケインの頭上を飛び越え円形に床を撃ち抜く!

ブブブブブブブブブブブブ!

ドシャァーーー!

床に穴が空き落ちるベン・ケイン!

砦の真下はクロコダイルの巣食う沼地だ!

幾つもの柱の上に建てられた3階建ての砦。その2階部分から下に落ちた!

よもや奈落の底と言った所か?

腹を空かせたクロコダイルの群れに襲われるベン・ケイン…。

※因みにフラッグは3階にあった。砦は2階、3階には屋根は無い造りのオープンタイプだ。

ユーイ『ふーっ あぶないあぶない…さて…フラッグは?と…』

砦からはフィールド全てが一望できる。

迷ったら此処に上がればいい…そう心に思う方向音痴のユーイ。

ゲートは3つ。

東西に一つずつ…。残る一つは北にある…。

すると東に向かい進む、フラッグを持った者が走る姿が見えた!
フルフェイスを被り黒いライダース姿!

フラッグはトリコロールカラーにセブンスター(銀色の7つの星印)の為、ど目立ちだ!

※トリコロール:赤、青、白の綺麗なライン。色の名称である。

ユーイはフラッグを持つ黒いライダースを追った!

東のゲートを目指し走るデストロ!

ジオラマ風に作られた本物の森を進む!
すると!
目の前に鉄仮面の筋骨隆々の巨体が立ちはだかる!

大型剣を担ぎ…傭兵王バーサーク登場!

鉄仮面の隙間から…人とは思えない悍(おぞ)ましい目が覗く…。

怯むデストロ。

ガバメントを構えるが引き金を引く指先が動かない!!

どういう事だ!

戸惑うデストロ!

そう…

傭兵王の無敗の秘密…。

その目を見たものは動きを封じられる…。

バーサークの特殊能力。死線(視線)だ!

絶対王者の由来でもある…。

傭兵王バーサーク・メ・デュサ。

砂漠で彼を知らない者はいない…。

バーサークの青い瞳が更に深い蒼になる!

バーサーク『死線ディープブルー…』

デストロのガバメントを持つ右手がガタガタ震え自分のこめかみ部分にあてがう!

バン!

発砲!

バタッ

側頭部を弾かれ倒れる!

吹き飛ぶガバメント!

左手に握りしめたままのフラッグ…。

そこへユーイが辿り着く。

ガバメントはユーイの足元に転がり止まる…。

両者に視線を配り、警戒しながらゆっくりと落ちたガバメントを拾うユーイ。

ユーイを目にしたバーサーク。

何故か様子が変だ…。

《バーサークの視界…デストロ及び周りの風景…いたって普通…。》

《バーサークの視界…ユーイ…キラキラ輝く…メルヘンチック調w》

バーサークが呆然としていると…
その時!

突然!起き上がり走り出すデストロ!

《バーサークの視界…通常の景色を走り去るデストロの後ろ姿。》

仁王立ちのバーサークを無視して、とっさに追うユーイ!

バンバン!

奪ったガバメントで逃げるデストロを撃つ!

ユーイ『待てー!私のフラッグー!……てか…さっきのが傭兵王バーサークぢゃない?もしかしてだけどw …ま!いっかw…待てー!私のフラッグぅーー!』

《バーサークの視界…メルヘン調に輝いて、走り去るユーイの横顔スローモーション…なびく髪光る汗。》

バーサーク『………可憐だ……(ポッ)』

そう

一目惚れ。

どストライク!というヤツだw

ガシャン

大型剣を落とし、胸の高鳴りを抑えきれず、しばしソワソワと落ち着きのないバーサーク…。

キョロキョロ、オロオロしながら僅かに咲く花を探しては摘み始めた…。

試合放棄だw

※幸いにもこの光景は周囲を樹々に囲まれている為、客席からは見えない…。

追う者が女とわかるや立ち止まり、ファイテングポーズのデストロ!

ガバメント発砲のユーイ!

バンバン!

キンキン!

弾く弾丸!

ユーイ『ゲ!?効かない!?どいつもこいつも!なんなの!?』

揉み合い白兵戦だ!

………。

………。

………。


しばらくしてようやく観客の前にフラッグを持ち走る人影が、樹々の中から姿を表す!

やがて歓声が上がる!

東のゲートに向かう勇姿!

荒野のデストロだ!

『行けーーー!デストロさーーん!!』

歓喜と落胆のいり混じる歓声の中、客席から興奮気味の何処かで聴いたような声がする……ジョシュだ!

隣にはチェダーチーズのポップコーンを頬張り、宝の地図を解読しようとしているクールガイ…。

アタッカー・ジョー!!!

彼らもまた砂漠の都に立ち寄っていた。

ジョシュの提案でコロッセオを観戦していたのだ。

ジョシュ『見てよ!A・J!!だからデストロさんにかけとけば良かったんだよ!』

確かに1人だけクエスチョンマークの人物に興味を惹かれた…。
しかし賭け事に余り興味を示さないA・J。

とは言え、A・Jはファイヤーボールに少額だが賭け金をしていた…。

何故ならファイヤーボールの瞳にリンクスやガンドラゴンと同じく、戦う闘志のオーラを感じとっていたからだ…。

一方、絶対王者バーサーク。
見た目には、
凄まじい強さをヒシヒシと感じられるが、どうにも闇が付き纏う哀しく無力な瞳に感じられた…。

今大会のメンツからして…何か事件か?もしくは番狂わせの波乱含みの展開を予想した…。

そうそうたる顔ぶれ…。
以前までは、バーサーク以外どこのゴロツキか?はたまた馬の骨か?の様な三下レベルの参加者ばかりであった。
ここ数年で知名度が上がり盛り上がりを見せている。
パジールとシルフィードは大会を盛り上げる"サクラ"ではないか?と勘ぐる者もいる。
よもや見せ場なども盛り込まれ、ちょっとしたショーにもなっている。
エンターテイメントだ。

歓喜する会場!

絶叫して立ち上がるジョシュ!

独走するデストロ!

フラッグを扉に刺し門を開ける!

winner!!!

ドゴーーーン!

爆発!!

吹き飛ぶデストロ!

姿は確認出来ない…。

ジョシュ『はへ!?』

A・J『!?』

そう

ゲートは3つ…。

2つはトラップ…。

東は罠…。

荒野のデストロこと
かつては最強の殺し屋。

地獄の番犬デストロ・イ・ド・ゴールド…。

爆破にてリタイヤ……………つづく

次回 【策士レディータイガー】どうぞお楽しみにw