コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 零fighter山鷹隊 ( No.55 )
- 日時: 2017/06/11 20:58
- 名前: ワタル (ID: jd737JEz)
【敵か?味方か?砂塵の塔の守り人ドンデリオン登場!】
砂漠の果てに、まだ誰も見た事の無い楽園が存在する……。
誰もが皆……、行きたがるが……、遥かな世界……。
その国の名は……、エルドラド……。
何処かにあるユートピア……。
どうしたら行けるのだろう……?
教えて欲しい……。
in……、エルドラド……。
in……、エルドラド……。
……。
……。
砂漠の丘の磔(はりつけ)台に珍しく人影を発見した初老の小太りの男……。
『……あれは?……何か良からぬ胸騒ぎがする……。』
彼の名はドンデリオン……。
大きな目深に被るハット。白い髭を蓄えている。さながらサンタクロース。
出で立ちは紅白では無く、渋いカーキ色に身を包んでいる。
彼もまた、黄金郷エルドラドを求めた。
かれこれ人生の大半をこの広大な砂漠で過ごす事となる。
砂塵の塔の砂嵐の影響を受けない場所に住居を構える。
とはいえ、土を練り固めたドーム型住居ではあるが……。
それは、まるで砂塵の塔を監視するように建てられていた。
エルドラドの秘密は砂塵の塔こと、猫歩きの塔に秘密が隠されていると言う。
ダチョウの様な生き物チョコボックルに乗り、磔台を目指した。
ドンデリオンもチョコボックルも共にガスマスクをしている。
時折、不規則に発生する砂嵐の影響で窒息死するのを防ぐ為である。
やがて……、磔台に辿り着く。
人の様な物が2つ見える……。
背格好や髪型……、肉付きからして、おそらく女性であろうか……。
彼女達は、十字架に逆さ吊りに縛られていた。
本来、腕が縛りつけられるであろう場所に脚がひっかけられた状態だ。
両手は力なくぶら下がり、そのアクロバティックな格好は空中ブランコのショーを連想させた。
上空にはハゲタカの群れが旋回し、その肉を欲しさに、今か今か?と死を待ち望んでいるかのようにも見えてとれる……。
ドンデリオン「貴様等の餌には、させんぞ!!」
ドン!
ドン!
ドン!
ドン!
ドンデリオンは、マッチロックをぶっ放し目障りなハゲタカを一掃した。
※マッチロック(火縄銃)である。
磔台は9つ。
その2つに女が縛り付けてある。
1人は抵抗したのか?
争った形跡がある。
衣服は破られ傷だらけ、ほぼ全裸状態にされていた。
下腹部の体毛はイタズラに全て剃られ、褐色の身体に修正ペンの様な白い字で、卑猥でいて、尚且つ、お下劣な落書きがされていた。
ドンデリオン『酷い(むごい)事を……』
ドンデリオンは助け出すと、シュマグ(アラブストール)で褐色娘を包む。
すると……、
もう一人のスレンダーな女が意識を取り戻した。
『……みず……おみ……ず。』
ドンデリオンは慌てて介抱すると、水筒の水を差し与えた。
衰弱し、脱水状態の2人をチョコボックルに乗せ、手綱引き、徒歩で家路に向かう。
日も暮れかかる頃、ようやく帰還した。
帰宅後、直ぐに、内縁の妻ビアンカが介抱した。
手当てを受けるスレンダーな女は、多少元気になり、名前を名乗る。
彼女の名前は、シューティング・スター。
そして、
意識のない、褐色娘の方はリンクスと言う。
彼女は、見るからに疲れきっているため、経緯など詳しくは聞かない。
やがて、彼女は安心したのか、深い眠りについた。
しばらくして、
建物の外でドンデリオンが、その日の夕飯の為、畑で収穫していると、
遠方から爆発音が聞こえた!
ドーーーン!
それは、
ドンデリオンが、防犯用に仕掛けておく、幾つかのトラップ爆弾の一つだった!
ドンデリオン『む!侵入者か!?……ビアンカ!彼女達を頼む!』
窓越しに、見えるビアンカに向かって叫ぶドンデリオン。
ここいら辺りは岩場が多く、サンドワームが生息できる環境ではない。
ごく稀に巨大サソリが出現して、ドンデリオンの仕掛けた地雷の罠にかかる事もある。
だが、
最近ではそんな事もなく、地雷が発動するのは珍しい事であった。
それに、
何者かの仕業で、磔られていた彼女達、その加害者が、まだ、ここいらに滞在し、潜んでいる可能性も考えられる。
ドンデリオンは、外壁に立てかけた、マッチロックを手に取り担ぐ。
泥だらけの手を、ズボンで払い、再び革の手袋をする。
すぐさま、小走りで、
チョコボックルのいる柵に向かった。
握る手綱と被せられた鉄のメットに、チョコボックルも鳥科ながらに戦闘が始まる事を意識した。
ブルウウ!
首を縦に振り唾を飛ばす!
チョコボックルの威嚇の仕草だ!
メットの先端に尖る鉄の杭が光る。
ドンデリオン『ホッホッホ…頼もしい奴よ… サァッーーー!』
掛け声と共に砂漠を突き進むドンデリオン!
やがて、
地雷を喰らい立ち往生するモスグリーンの装甲車が姿を現せた!
ドンデリオン『ホウ……、なんという強度だ、だが、これには耐えられるかな?』
チョコボックルの胴体に無数にぶら下がる、
ガラス瓶を投げつける!
チュピドォォォォーーーーーン!!
眩いスパーク!
ゴーグルで眼を守るドンデリオンとチョコボックル…。
それは、火炎瓶を強力にした、自作ナパーム弾だ!
モスグリーンの装甲車が爆発と共に炎上!!
燃え上がる装甲車!!
果たしてA・Jやユーイ達の運命やいかに!?……つづく。
第2章 ザ・バトルライン 完。
次週 物語は第3章に突入する。
次回 第3章 【ナインソルジャー +1(プラスワン)】どうぞお楽しみにw