コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 零fighter山鷹隊 ( No.56 )
- 日時: 2015/12/26 20:15
- 名前: ワタル (ID: r2O29254)
【ナインソルジャー +1(プラスワン)】
爆発!炎上する装甲車。
ドンデリオンはマッチロックを構え、注意深く後方に回り込む…。
すると、どうだ…後方部のハッチが開き、勢いよく飛び出すホバークラフト!
乗り込む5人の人影!
次の瞬間!
一斉射撃を喰らうドンデリオン!
ダン!ダン!ダン!
ババババババババ!
パスパスパス!
A・Jのストライクガン!
ユーイのマシンピストル!共に命中!
ジョシュのスコーピオンは外れた。
吹き飛ぶドンデリオン!チョコボックルから落下!…スローモーション。
ドサッ…。
デストロの運転するホバークラフトはドリフト走行しながら、砂埃をあげ猫歩きの塔の方角に向かう!
ドンデリオン『……ぐ…ぐふぅ』
生きていた!
弾は全て防弾チョッキにより防ぐ事が出来た。
しかし…倒れ動かない生き物。
ドンデリオン『チョコボックルーーーー!…………』
そう…チョコボックルはジョシュの撃ったスコーピオンの流れ弾に当たり死んだ…。
だが、チョコボックルは食用にも利用されるダチョウ科の家畜である。
ドンデリオンもまた、数十匹牧場に飼っていた。
因みに牛も3頭所有。
構える住居も湧き水の出る水源地付近に建てられている。
わざわざ土を運び畑も耕す。
自給自足だ。
ドンデリオンはチョコボックルを持ち帰り調理した。
スターと、意識を取り戻したリンクスに食事を振る舞う。
久しぶりの肉料理にビアンカも嬉しそうだ。
得意のポトフ風スープにも力が入る。
そして、稀に見ない客人に今日はご馳走だ。
たまにはワインでも呑むか?といったところか?
酒を酌み交わし、ドンデリオンは2人が自ら経緯を話し始めるまで多くは聞かない。
興味深々に2人の事を探るビアンカをさりげなく制し、他愛のない話題へと話を切り替える。
楽しい宴がしばし続き……
ドンデリオン『君達が何者かは知らないが…まずは信頼関係を築かねば…しばらくの間ゆっくりして行くといい…ビアンカ…ワシはもう寝るよ…』
そういうとドンデリオンは、お祈りをして寝床に就いた。
リンクスは食欲旺盛、出された料理を残さずにたいらげる。
すっかり元気になった。
相変わらずの回復力に驚くスター。
因みにリンクスの身体の落書きはビアンカが全て洗い流し消した。
スターはリンクスが辱めを受けたことを知らない。
幼い頃、母親を無くし、その温もりを知らないリンクス。
親子ほど年の離れたビアンカ。
その優しさに触れて、すっかり打ち解けていた。
しかしスターは、過去の経験からか?
疑い癖がついてしまい、なかなか心を開けないでいた。
そんな、
よそよそしい態度のスターを擽(くすぐ)り、戯(おど)けて見せるリンクス。
3人の笑い声が響く。
ビアンカもまた、戯れ合う2人を羨ましく思い、昔を思い出し微笑ましく笑った。
女性だけの宴は各々の恋愛話になると、大いに盛り上がる。
スターの過去の失敗談の暴露話や、ビアンカとドンデリオンの馴れ初めなど…
そしてリンクスが密かに恋心を抱いている人がいること。
これにはスターも驚いた。
リンクスは、2人の誘導尋問にも引っかからず頑なに口を割らなかった…。
結局、夜明けまで飲み明かし、朝早く目覚めたドンデリオンが片付けをすることになる…。
無防備に大きなソファーに寝転がるスターとリンクス。
スターを抱き枕代わりにして眠る。
寝巻き代わりのワンピースの裾が捲れ、太ももから大臀部が丸出しだ。
かなり発育が良く若干太めだw
リンクス『んん!?』寝言だ。
いや…ポッチャリ系だと訂正しておこう…。
椅子に腰掛けテーブルにもたれかかるビアンカ。
その、か細い背中にブランケットをかける心遣いをするドンデリオン…。
ふと、
窓の外に目を配ると…いつもの景色に異変を感じた!
それは普段なら、砂の嵐に包まれその姿も確認出来ない砂塵の塔!
その全貌が現れる!
ドンデリオン『おお!神よ!………これは奇跡か?幻か!?』
高鳴る鼓動を抑えつつ、眠るビアンカに置き手紙を書くと、マッチロックを手に取り牧場の方へと走る。
そして、体型からは想像出来ない素早い動作でダガーナイフを小脇に2本装備するとワイヤーガンを腰ベルトに下げた。
そして、
ドンデリオンは一番速く強いチョコボックルを探した!
そこに顔つきもイカツイ、一際大型のチョコボックルを連れ出す!
唯一名前の付けてある雄の"ジョー"に大きい水牛の角をモチーフにした鉄の角が2本ついたヘルメットと、特大サイズの鞍(くら)を取り付けた。
準備が整うと跨り、猫歩きの塔を目指す!
無風の塔…過去に一度だけ同じ事が起きた。
ソレはまだドンデリオンが若かりし頃…。
※当時ドンデリオン33歳。ビアンカ24歳。
9人の戦鬼と呼ばれた正義の戦闘集団、ナインソルジャーズが巷を賑わせた時代…。
その時も砂嵐は忽然と消えた…以来24年間、1度も塔の姿は確認出来ていない。
__当時…ビアンカと言えば一国の王女。
大富豪の伯爵と婚前パーティーの際に魔物に連れ去られ、砂塵の塔に幽閉されてしまう。
伯爵は多大な報酬を掲げ、ビアンカ救出に力を注いだ。
幾人もの、腕に自信のある勇者が塔に挑んだ。
しかし月日ばかりが過ぎ誰1人として戻って来るものは、いなかった…。
そんな中、1人ビアンカ救出に成功した者がいた。
そう…幼い頃からビアンカの付き人を任されていた近衛隊長こと…ドンデリオンだ。
実際にはドンデリオンだけではなく共に塔に挑んだ者達がいた。
彼らこそがナインソルジャーズ。
万年砂嵐の猫歩きの塔を無風状態にして見せた。
しかし、不思議な力を使う彼らは、その後、人々に悪魔の使いだと言いがかりをつけられた。
当時ナインソルジャーズは一人残らず磔(はりつけ)にされ…処刑された。
そんな中、あろうことか、ほぼ駆け落ち状態で失踪した2人。
ビアンカもまた、勇敢なドンデリオンに惚れ…恋に落ちた。
以後…無人の砂漠に湧き水を見つけ、たった2人だけで居住地を築いた…。
それから…
様々な言い伝えのある猫歩きの塔に興味を持ち、なかば研究者の様な生活を送る…。
やがて年月は過ぎ…
誰もがビアンカは既に亡き者と思い込んだ…。
2人は仲睦まじく幸せな日々を送る……。
そして…
再び…
今まさに…24年の歳月を経て…ナインソルジャーズの魂に導かれし勇士達…
9人の戦鬼が猫歩きの塔に集結する!!!…………つづく
次回 【死を招く螺旋階段】どうぞお楽しみに