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- Re: 零fighter山鷹隊[参照1000超感謝!挿絵もご覧下さい] ( No.74 )
- 日時: 2016/03/09 20:41
- 名前: ワタル (ID: WqtRIGcg)
【死霊戦線】
ゾンビが巣食う、死の街。
火炎放射器とリボルバーの銃声が響き渡る。
ボフッポフ……
火炎放射器のバーナーが鎮火した。
ドンデリオン『こりゃいかん……』
呟き、火炎放射器を投げ捨てる。腰ベルトから、2本のダガーを抜いた。
残りのゾンビの首を跳ねるドンデリオン。
ゾーンはまるで、人が変わった様に二挺のリボルバーを器用に使い、ゾンビの群れを一掃した。さらに、手こずるドンデリオンに向かって援護射撃。
ゾンビに迫られ、その毒牙を、拒んでいたドンデリオンに、救いの銃弾が撃ち込まれた!
最後の一匹を仕留めた!
ひとまず、この辺りからは、ゾンビの気配が消えた。
ゾーン『久しぶりだな!ライオン!随分と老けたじゃねぇか!?』
その少年は、何者かが取り憑き乗り移ったようだった。
声も明らかに別の者の様であった。
よもや姿形は、ゾーンであって、その魂はゾーンでは無い……。
ドンデリオン『その声は……キッド……なのか?』
ビリー・ザ・キッド……初代ナインソルジャーの1人だ。
疾風(はやて)のキッド!
しかし、磔にされた上に、公開処刑された筈であった……。
キッド『おいおい……まるで死人を見るような顔はよしてくれよ……あれ?俺は死人だっけか?アッハッハー』
ヘラヘラと笑うゾーン。いやキッドと言うべきか?
キッドはクルクルと、リボルバーを廻してみせる。
水平から逆回転。指で弾き空中に放り、指先でノックして空中で反転させたかと思うと、手に取り撃つ。
ズドン!
この芸当、このさばき、紛れもなくキッドだ。
キッドの手の内で再び踊るリボルバー。
旅芸人の一座の見せる技の如く、見る者を惹き付ける。
キッドはドンデリオンを、昔の呼び名である[ライオン]と呼ぶ。
2人は無情にも再会を喜び合う間も無く、お互いの置かれている立場が、敵対していることである事に気付かされた。
睨み合う2人……。
ドンデリオン『……戦うしか選択の余儀は無いのか!?』
キッド『そういうことだ……あの世で仲間が待ってるぜ!ライオン!……俺は死にたくても死ねないからな……こうして成仏できず永遠と彷徨っていかなきゃならねぇ……だが……ガンドラゴンと言う男を始末すれば俺の記憶は残ったまま生まれ変わることが出来るんだ!』
ドンデリオン『バカげた事を……キッド!お前は騙され利用されているだけだ……』
キッド『騙されてるか知らんが俺の選ぶ道は!そこしかねぇんだよ!』
ズドン!
ドンデリオンの腹に命中。しかし防弾チョッキで守られていた。
ドンデリオン『キッド……貴様にはワシが撃てんようだな……』
そう……キッドもまた、ドンデリオンが防弾チョッキを装備する"癖"を知っていた。風呂に入る時以外は、ソレを身につけて離さない。眠る時でさえだ。
ドンデリオン『貴様の腕ならワシの鼻の頭に撃ち込むのも容易い筈であろう……』
キッド『フン!お前とて俺は撃てんだろう!?この身体は俺の物では無いからな……』
ジャリッ
その時、
第三者の気配に気付き、2人が振り返ると、新たに無数のゾンビ達が街の入り口から、集まって来ていた!
ドンデリオン『これは否が応でも街の中に進まねばならんな……』
キッド『これだから脳味噌のねぇ輩は苦手だ……俺にしてみりゃ魔界とはホームの筈だがな……どうだい?ライオン!決着は後日…邪魔の入らぬ場所での決闘(デュエル)といこうじゃないか?』
ドンデリオン『良かろう……さあ乗れ!』
チョコボックルに乗って、呼びかけた。
キッド『よし!一時休戦成立!だな!』
ドンデリオンは、ゾーンに憑依したキッドの手を取り引き上げると、死霊の街へ逃げ込んだ……。
ドンデリオンの目に礼拝堂が飛び込んでくる。
構わず進もうとするドンデリオンに、キッドが呼びかける。
キッド『曲がれ!ライオン!中に入れ!この先は罠だ!』
ドンデリオン『何!?……ドーーーーー!』
急ブレーキの掛け声をかけ、方向を変える。
礼拝堂に入り、鍵を掛け、椅子やテーブルでバリケードをして、身を潜めた。
キッド『ライオン!奴らをやり過ごし 来た道を戻り街の外へ出よう!』
ドンデリオン『ウム……』
(しばらく息を殺しておけ……ゾンビは声や、音に反応する)とキッドは、囁き教えてくれた。
ゾンビはいなくなったのか?どうやら襲っては来ない。
チョコボックルのジョーは安心している様子だ……丸くなり眠ったようだ……。
ドンデリオンも、ウトウトとしていた……。
すると、突然キッドが騒ぎ始めた!
『うわーーー!来るな!やめろ!来るなーー!』
その音に反応して、礼拝堂の周りにゾンビの群れが押し寄せる!
壁やドアを叩く音が押し寄せた!
慌てて、チョコボックルのジョーは目を覚ました。
ドンデリオンも驚き、取り乱すキッドを抑えた!
ドンデリオン『キッド!どうした!?キッド?……ゾーンか?ゾーンだな?』
ゾーン『ゾンビが!ゾンビの群れが!うわーーーーー!!!!』
幻覚を見ているらしい……。
意識を取り戻したゾーン。その表情にキッドの影は無い……。
だが……この状況下で、キッド不在は、吉と出るか?凶と出るか……?
つづく。
次回 【死霊の街のロシアンゲーム】どうぞお楽しみにw