コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 零fighter山鷹隊【参照2000突破超絶感謝】 ( No.89 )
日時: 2016/10/27 01:07
名前: ワタル (ID: xrRohsX3)


【立ち塞がる悪魔戦士!黒豹のバラード登場!!】


___かくして、ヨシュア救出の為に、拠点を旅立つユーイとプロットマン。

しかし、残されたデストロ達の間で、行方不明者が出ていた。

そう……ヨコタ隊員である……。

その事に気が付いたのは、ユーイ達が出動してからの事であった。

無理もない、皆、生死をかけたパニック状態であるのだから……。

くまなく神殿付近を捜索するデストロとスネーク。

だが、ヨコタ隊員の姿は、何処にも無かった………。



万里の頂上を思わせる、曲がりくねった通路。

一輪バイクを駆り爆走する"火の玉娘"こと、シラヌイ・ユーイ。

遅ればせながらその後に続くパワードロボに乗るプロットマン。
ライドモードで爆走する。

※ライドモード。二足歩行の足裏に車輪(四駆)を搭載。最大時速120キロ。
因みに、一輪バイクの最高速度は300キロだ。
ただし、曲がりくねった通路を走るユーイ達のスピードは、時速80キロ程だ。
道幅3メーター弱の通路、スピードの出し過ぎはクラッシュを招く。



ものの数分で、魔城の門前に辿り着く。

神殿からは、魔城の全景が伺える距離だ。


ユーイ「あれは?」

門前で違和感を感じたユーイ、後方を走るプロットマンに危険を知らせる手信号を送り、急ブレーキを踏む。

キキキキーーーーー!


通路を抜けると、広大な土地が広がり魔城の入り口が姿を現せる。


「「どうした?ユーイ?」」

プロットマンから無線が入る。

急停車する、プロットマン。

そこだけ砂漠。

砂ギリギリで停まるパワードロボ。

ユーイは、目の前に不自然に広がる砂漠に警戒した。

ユーイ「……プロットマン……戦闘態勢に切り替えて……照準を合わせて……」

プロットマン「なんだって?……敵は何処だ!?……私には何も見えんぞ!!」

ユーイ「……いくわよ……」

そう言うとユーイは、足元に転がる大きめの石を手に取り、門前の砂漠の中央付近に投げ入れた!!

ユーイの華奢な腕から投げられた丸い石は、
綺麗な放物線を描き飛んでいく……。

スローモーション。

プロットマンのトリガーを握る手に力が入る。

そのまま石は地面についた!!

…………。

…………。


プロットマン「……なんだ……何も起らねーじゃねえか、脅かせやがって……」

ユーイ「……あれ?あはは……警戒し過ぎだったみたい……」


プロットマン「まったく……やれやれだぜ……」

シーーーーーン。

だいぶシリアスに格好つけた為、顔を赤くするユーイ。

安心して、バイクに乗り込み砂漠を横断しようとすると悲劇が起こった!!

ドシャーーーーーーーーー!!

ユーイは、一輪バイク諸共、突如現れた砂の塊に襲われ上空へ、吹き飛ぶ!

ドゴォオオオオオオオオーーーーーーー!!

ユーイ「!?」

プロットマン「なにぃいいいいい!?」


突如現れた砂の魔神!サンドモンスター!!


腕が4本のゴーレムだ!
ゴーレムは、吹き飛び落下してきた一輪バイクに追撃をする!


間一髪!脱出したユーイ!


しかし、サンドゴーレムは一輪バイクを生き物と勘違いして執拗に攻撃を加える!
だが、そこにユーイはいない!
ユーイは、ショルダーホルスターから超電磁ガバメントを抜き構えた!


すると、プロットマンが叫んだ!


プロットマン「待て!無駄撃ちするなぁ!ここは私に任せて先に行けぇぇぇええい!!!!」

ブブブブブブブブ!!!!


ガドリング砲乱射!!
サンドゴーレムの顔半分を粉砕した!!


プロットマン「ヒャッホーーーぅ!!どんなもんだいぃいい!」

次いで、操縦桿を握りながら、回避運動をとりながら旋回してサンドゴーレムの背後に回り込むと、
ユーイに向かい、顎(アゴ)で"早く行け"と魔城を指した。

ユーイ「そうね……、」
頷くと、魔城へと侵入するユーイ!

門を潜ると、地面は鏡面!滑って転ぶユーイ!

ツルツル……ドテ!

ユーイ「わわわ〜……うわっぷ!イタッ」

思わずガバメントを手放した。そこは、まるでアイスリンク。
ガバメントは、氷上を"シャーッ"と、滑っていく。

石柱にぶつかり止まる……。

カチャン!


転んで打ち付けた尻を、摩りながら立ち上がるユーイ。
辺りを見渡し異変に気づく……。

ユーイ「……イッテテ……え?何ここ?……」

呟き、グラブをはめた掌を半信半疑でガバメントにかざすと、素早く手元に戻る!

ビビ!

パシィイン!!

ユーイ「……超便利……て、ここって?湖?」

ユーイのいる場所は下の方が水に沈んだ城、この地面、実は水面。
今は氷の床とも言うべきか?
城壁に囲まれた内部は、まるで凍った湖の様になっていた。

ユーイは腕時計探査機で、ヨシュアを探した……。
魔城を見上げる……。
上方に一つだけ氷に閉ざされた部屋を見つけた……。

ユーイ「間違いない!……あそこね!!」

ユーイは、ガバメントを構えると、意を決して魔城内部に乗り込んだ!!


……。


……。



その頃、
Dr.メフィストは、デストロの乗るダラスの円盤型戦闘機に怯え、何処かへ姿を眩ませていた……。
ゴーストマンモスもまた、落雷をものともしない円盤型戦闘機に歯痒い思いをする。

ゴーストマンモス「おのれ〜、小癪(こしゃく)な………」

ボンバーサイズ「ご安心あれ……女王様。五体の悪魔達が、奴らなんぞ、返り討ちにして差し上げましょうぞ……」

ゴーストマンモス「ほう……だが、ネズミが一匹入り込んだ形跡があるぞ、ボンバーサイズ?」

ボンバーサイズ「左様で、しかし、たかが小娘一人……恐るるに足らずで御座りまする……。それに、この小娘の行く先には、既に悪魔戦士が一体先回りしております……それもかなり獰猛なのが……」

大きな水晶玉を覗き込むボンバーサイズ。

ゴーストマンモス「どれどれ、ワシにも見せてみよ……アッハハハハ!これは面白い!八つ裂きにしておしまい!!」


水晶には、何も知らずに走るユーイの姿が映し出されていた……。


ユーイ「ハァハァ……この階段を登れば、もうすぐ……」

ユーイの探知機がヨシュアの居場所を示す、部屋までは目前に迫っていた。
その僅か手前、階段の踊り場に来ると獣の喉鳴りが聞こえた。


ガルウウウウウウウ……

ユーイ「!?……何!?今の!?」


殺気を感じてガバメントを撃つユーイ!

バン!バン!


キュイン!

キィン!

外した!

ユーイ「今、何かが!?……いない……」


ガルウウウウウ……

また聞こえる!


ユーイの頭上に潜む影!
鋭いカギ爪を天井のヒビ割れた隙間に食い込ませ、ぶら下がるハングドマン!
迫り来る!影がユーイに覆い被さった!!


獣の爪が、ユーイを襲う!!
長い睫毛が数本切られ目が霞む!
紙一重で、攻撃を交わした!!

ユーイ「チッ!!」

反撃!二挺のガバメントを同時に発砲!

ズババン!!
キュインイン!!

至近距離にもかかわらず避けられた!速い!!

消えた!?

直後、階段を駆け上がり、
ヨシュアのいると思われる部屋の前に駆け寄るユーイ!
しかし!ソレは、
凄まじいスピードで回り込み、扉の前に立ち塞がる!


ユーイ「速い!?」
すぐさま銃を構える!だが、弾き飛ばされる二挺のガバメント!


ガシャン!シャン!

丸腰のユーイ。
その敵は、
勝利を確信し、優越感に浸る。
薄ら笑いながら、言葉を発した。


「クックック……我が名は、悪魔戦士が1人、黒豹のバラード様だ……ここがお前の墓場だ」

その化け物は身体は人型、顔は黒豹。
ジリジリと迫り来る……。
後退り壁を背にするユーイ……。
バラードは、丸腰のユーイの頬を掴むと、
嫌がるユーイの顔を引き寄せて"デロォーン"と舐めた……。

直後!
銃声が鳴り響く!

ドォオオン!
バラードの胴体にアドバルーン位の風穴を空けた!


バラード「ゲヘッ!?」
床に崩れる黒豹のバラード死亡。


ユーイの手元には、そう、超電磁ガバメントが二挺……。
当たれば大爆発のニトロ・マグナムだ!


ユーイ「……舐めんなよ、猫野郎」

死んだバラードの頭を跨ぎ、越えていく……。

ユーイ「う〜臭!イワシ臭!」

顔に付いた涎を拭い去るユーイであった……つづく。


次回 【招かねざる来訪者】乞うご期待