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Re: 零fighter山鷹隊【参照2000突破超絶感謝】 ( No.95 )
日時: 2017/01/22 21:57
名前: ワタル (ID: B81vSX2G)


【それぞれの戦い】


地上では、深い濃霧に敵がおそらく2人。

馬の蹄の音が、複重して二頭聞こえる。

そして、その敵は、飛び道具を放つ者と、放たぬ者。

小夜が、撃たれ魔窟に落ち行く姿に動揺しつつも、追撃を警戒して伏せる光世。

相対して、
ヴァルキリーは冷徹な性格の為、無情だ!
仲間の死をも、ものともせず即座に反撃!!

そのコンピューターの様な索敵能力で、飛び道具を持たないであろう敵に斬りかかり、馬ごと転ばせる豪快な女将校ヴァルキリー!

その抜かれたビームサーベルの長さに、敵も怯んだ!

落馬した巨体で、顔のデカイ騎士は回避するので精一杯だ!

地上最強と呼び声の高いヴァルキリー。
その扱うビームサーベルは、適合者で無ければ只のガラクタだ。

広い空間でこそ、その凄まじさを発揮する!

ヴァルキリーが一振りすれば、まるで強烈な投光器の様に数百メーター先まで、濃霧を斬り払う!
その瞬間だけ、霧が晴れ、倒れてもがく馬の脚だけ見えた。

一寸先も見えぬ深い霧。
気配と"臭い"だけで攻撃に転じる。

洞窟内の彼女とはまるで別人。
地上でのヴァルキリーは、まさに無敵。

ヴァルキリーの圧倒的過ぎる戦闘力に、飛び道具を放っていたもう一人の敵が、一時逃亡を試みる。
どうやら弾切れ、矢を使い果たしたらしい。

その様子を見逃す訳にいかない光世は、ヴァルキリーの静止を聞かず、倒れた馬が、起き上がると同時に飛び乗り、逃げる敵を追った!

この時、光世は小夜が殺されたものと思い込み、怒りで何者の声も耳に届かずにいた。


ヴァルキリー「待て!! 深追いするなと言っている!!……」

この時、ヴァルキリーは知っていた。
敵は、こちらの姿が見えている!
少なくとも、明らかに、
飛び道具を放って来た側の敵だけは、
この深い濃霧の中でさえ、鮮明に我々の姿を見えている事に、気付いていたのだ。


光世の駆る馬の蹄の音が遠ざかる。
すると、
呼吸を整え周辺をビームサーベルで無双するヴァルキリー。

この時、敵も味方も惨殺するからタチが悪い。

※ビームサーベルの伸縮は自由自在。

故に、このほぼ無敵の破壊力も使い時が制限されてくる。
むしろ、ヴァルキリーは一人の時が一番強いのかも知れない……。

やがて、ヴァルキリーと、顔のデカイ騎士の周辺だけが霧が晴れ、
その敵の正体を映し出す……。

その顔は、

よもや人では無い、

ノコギリの目の如く乱列した無数の牙を剥き出し、

粘着質な涎を垂れ流す、

生臭い異臭の正体はこいつだ!

ヴァルキリーは、この臭いに敵の気配を読み取ったのだ!


悪魔戦士の纏め役。

その顔は、ホオジロザメ!

深い濃霧は、いつしか晴れ……、

蒼海の覇者シャーク将軍登場!!


その首には、海賊王の伝説のペンダントが光る。

大海賊キャプテン・ジャック・ザ・フューチャーの、呪いの魂を呼び起こし、Dr.メフィストによって造り出された悪魔の産物である。


ヴァルキリー「あら、顔に似合わず素敵なネックレスね……、秒で、終わらせてあげましょう……。」

シャーク将軍「グオオオオオオオオオオオ!!!!」

シャーク将軍は、背中に大剣を担いでいる。

咆哮と共に、大剣を抜き、地面に突き刺した!

ヴァルキリー「何をしている? ……貴様、いまさら降伏のつもり……か……!?」

ゴゴゴゴゴゴ……!!

蔑んだ台詞を、言い終わるか否や、突然地面が大きく揺れ始めた!!

ヴァルキリー「何!! コレは! アースクエイク!?」

大地は激しく揺れ!地面は、捲り上がる!

上昇する激しい勢いの石つぶてと、辺りを舞う粉塵!

超大型級の直下型の地震に、立っていられないヴァルキリーは、ふらつき思わず片膝をついた。

さらに浮き上がる岩がランダムに降り注ぐ!

直撃を免れる為に闇雲に、ビームサーベルを振り回す!

ビームサーベルは、降り注ぐ岩をも簡単にスライスした!

揺れる地面に立ち上がる事すら出来ず、眼に入る砂埃に気を取られて入る隙に、シャーク将軍は、まるで脱皮するかの如く、鎧を脱ぎ捨て魔城から流れ来るドス黒い川に飛び込んだ!

濁流を物ともせず川を登る背ビレが遠ざかるのを、ただただ、唇を噛み締め見送る事しかできないヴァルキリー!

やがて、

辺りは一瞬、静けさに包まれ、再び遠くで雷が鳴り響く……。


ヴァルキリー「……私とした事が、仕損じたか……。」

ふと、背後の巣穴を振り返ると、網状の魔窟の天井は全て崩落していた!!


ヴァルキリー「まさか!?ミフネェーーー!!」

まさに地獄絵図……。

巣穴に残された者達は、全て生き埋めであった……。


そこに、

ただ一つ。

鼓動し、息吹、脈打ち存在するものがある……。

不気味で巨大な〈まゆ状〉の蚕だ……。

それは、

新たなる生命体を宿し、

今まさに何かが誕生しようとしていた!


……。


……。


その頃、キングミノスと戦闘中のA・J達はというと……。

パワードロボから救出されたと思われる、気絶したプロットマンを母艦に運ぶ〈山猫〉がいた。

そして、
瓦礫の山に陣取り、ターゲットを探すスターとリンクス。

さらに、
銃弾を装填し終え、パワードロボのコックピットに乗り込み、再起動を試みるA・Jの姿があった……つづく


次回 【生と死と】乞うご期待!